ルミナ商会
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アズルムとガルドと昼食を食べた後、午後から用事がある為、解散。
アズルムには授業の先払いとして、数回分のお金を渡して宿を探しに行かせた。
そして俺は貴族区へと向かった。
貴族区へ入ってすぐに、目的の建物を見つける。
その建物は周りの貴族の館と同等、いや、爵位低い貴族の館よりもデカイ、その建物の前で止まる。
ここは元々ベルナールの商会だった建物だ。
何故俺がこんな所に来たかと言うと、ダイアスに会いに来たからだ。
何故ダイアスに会うのに、ベルナールの商会に来るんだ! って思っただろう。
1から説明しよう。
まず、ベルナールが居なくなったこの商会は、正規の職員なども犯罪を犯していたため、半分程がいなくなり、機能しなくなった。
しかし、この商会が使えなくなると民衆から反感を買うため、数ヶ月前からラドヴァンを主軸に、商会の名前をルミナ商会と改名し、何とか持ち直している。
元々この商会で働いていた者は、半分程が奴の元奴隷だった為、その人達はそのままこの商会で働いて貰っている。
ただ、それだけじゃ人数が足りないようで、ラドヴァンが選出した数人を雇ったようだ。
国に保護されているベルナールの元奴隷の人達の就職先も、基本こことなるように決まったようだ。
やりたい事がある人はその道を進み、何をすればいいか分からない人は、この商会で働く。
とはいえ、全員が従業員となると、余りが出てしまうため、そういった者達のために、新たな集団が結成された。
それが、ダイレス傭兵団だ。
商会の分岐組織として傭兵団を新設。
こうすることで、交易路の移動や倉庫の護衛などで雇う必要のあったものを内製化する事で、外注リスクを減らす。
その他にも、傭兵団を作る事によって、物資の供出だけじゃなく、戦力の供出も出来るようになり、商会としての出来る幅が広がる。
と、こんな感じ。
ここ来た理由は、ダイレス傭兵団の隊長、つまりトップがダイアスだからだ。
ちなみにダイレス傭兵団って名前はダイアスが決めたようだ。
ダイアスと俺のアレスという名前を合わせたみたいだけど・・・俺この組織と全く関係ないんだけどなぁ。
「ダイアス居ますか?」
受付カウンターにいる職員に聞くと、俺の顔を見るなり、すぐに反応してくれた。
「隊長ですね。呼んで参ります。少々お待ちください」
「ありがとうございます」
暫くすると、ダイアスが迎えに来てくれた。
「アレス、ガルドさん。どうしたんですか?」
「ああ、ダイアス。ちょっと用が合ってな。ここじゃちょっと・・・」
「部屋を用意するから、ちょっと待ってて」
「助かる」
俺が言いにくそうにしていたのを察してくれたのか、そんな事を言って何処かへと消え、数分後に戻ってきたのだった。




