武道大会ーー本戦リーグ1日目①
「今日から本戦だ。二人とも、頑張って!」
「アレス! 優勝しろよ! ダイアス! お前はアレスと当たる前に負けるなよ! お前が優勝でも良いぜ!」
「私達が応援してるんだから、負けたら承知しないわよ!」
「二人共・・・頑張れ」
ガルド、グレン、リーナ、カナ、全員が今日は見てくれる様だ。
運良く闘技大会観戦のチケットを入手出来たらしい。
凄い倍率らしいけど、四人全員取れたのは奇跡だな。
「じゃっ、僕達はもう上にいくから。頑張ってね」
「じゃあ俺達も行こうか」
「ああ」
ガルド達と別れ、ダイアスと共に選手の控室へ向かう。
本戦リーグは約64名。2日かけて行う。
ルールは殺し以外なら何でもあり。
腕を切断しようが、相手の目をほじくり出そうだが、殺さなければセーフ。
ただし、相手が降参した場合にも攻撃を加えたら、失格となり、降参した側が勝利となる。
「ダイアス、この大会のルール結構危なすぎないか?」
「俺も思ったよ。けど、それでも多くの人が参加してるって事は、それだけ価値があるからだと思う」
「それはそうだな・・・もし死にそうになったらすぐに降参しような」
「もちろん、こんな所で死にたく無いしな」
「アレスさん、次出番ですので、移動をお願いします」
「あ、はい。じゃあ行ってくるわ」
「おう! 頑張って!」
待合室に運営の人が呼びに来たので、そのまま後ろに付いていく。
初戦の相手は誰だろうか。
初戦はあまり強い人じゃなければ良いんだが。
ーーー
「さああああ始まりましたああ!! ヴァルグレイ王国主催の武道大会! 各国の貴族や王族も観に来るほどの一大イベントの本戦リーグが始まります! 今大会は、ヴァルグレイ王国から、アレクシオン・クロノス・ヴァルグレイ陛下に来て頂きました! その他にも、多くの貴族が観に来ております! そしてそして!! 白銀剣騎士団と紅焔騎士団の騎士団から、団長のお二方も来ています! 参加者の皆さん! 騎士団や貴族に勧誘されたいかー!? されたいよなああ!? じゃあ頑張れええええ!! それじゃあ、第1回戦1試合目!! 一回戦目に出場するのは、あのーー」
闘技場内に鳴り響く大音量の司会の声。
一回戦目の選手が紹介され、すぐに始まる。
「俺は2試合目か」
アレスは一回戦目の試合に出ている人達を眺める。
「あれくらいなら勝てそうだけど・・・緊張するなあ」
戦闘自体は結構慣れてきたけど、人前で、それも数万人単位に見られながらやるのは初めてだから、どんな感じなんだろうか。
「ふぅ・・・俺の相手も弱い相手であります様に・・・」
そう願いながら、出番が来るまで待ち続けた。




