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稽古①

「ふう、疲れたね」

「そうですね〜」

「それにしても、何とかなって良かったよ。アルト君もアリサちゃんも助かったし、ベルナールも捕まえられた。ようやく落ち着けるね」

「そうですね〜、今回はブラッドヴァルドが攻めてきた時と同じくらい疲れました」

「あ〜、確かにあの時も疲れたね〜、あんまり対人戦は得意じゃないから、もう勘弁してほしいね」


グリスヴァルドでも、戦争にはあの時が初めての参加だったらしいし、ブライドさんの所に入るのも断ってたくらいだから、単に対人戦が苦手なだけじゃなく、人を殺すのが嫌なんだろうな。

その気持ち、凄くわかる。


アレスがガルドの心情を勝手に想像し、勝手に同情していると、後ろから付いてきていたガンゾが話しかけてくる。


「そう言えばよ、ダイアスも国の保護に入るのか?」


その質問に、ダイアスが応える。


「俺は入らないよ。自分だけでもう生きていけるし」

「まぁもうBランクの冒険者だもんな。保護なんて無くても大丈夫か!」


ガンゾが安心したように、ガハハ!と笑う。


「さっ早くギルドに行こう!もう皆待ってる頃だし!」

「そうだな!今日は沢山食おうぜ!アレス!ダイアス!一緒に酒飲みまくるぞ!」

「酒!飲んでみたい!」

「おっ?もしかして飲んだ事無いのか?良いぜダイアス!俺が奢ってやるから、じゃんじゃん飲めよ!」

「はい!」


ダイアスとガンゾが酒の話をしながら、アレスとガルドを追い越し、走ってギルドへと向かう。

それを眺めながら、ガルドと歩いていると、


「僕達も走ろうか」

「そうですね。俺も腹減りましたし」


そう言って、ダイアス達の後を追い、ガルドと共に、ギルドに向かって走り出すのだった。


ーーー


「アルト、アリサ!相手の動きをしっかり見ろ!腰を落とせ!次の動きを予測しろ!」

「「はい!!」」


数週間後、アルトとアリサ、二人とも元気になった。

最初の方はまだ夢か現実か、区別がつかなかったのか、それとも捕まっていた時の事を思い出したりして、不意に泣く事があったが、今はそれも落ち着き、以前のような元気を取り戻しつつある。

そこで俺は、彼らに剣術を教える事にした。

もうあんな事が起きないように、彼ら自身が、戦えるように。

それに、彼ら自身も、冒険者に憧れていたのもあって、剣術を教えると言った時には、凄く喜んでいた。


今はダイアスと、彼に教えられていた子供達と一緒に、訓練場に来ている。

グリスヴァルドの訓練場よりも狭いが、人はそこまで多くない。オルディアには複数あるから、その分人も分散しているのだろう。


「やった!アレス!今のどう!?」

「くっそ~!」


アリサが倒れているアルトに木剣を向け、アレスに嬉しそうに聞く。


「ああ、良いと思うよ。ただ、あんまり相手の攻撃を受けるのを前提に、戦うのは良くないかな。今は木剣だから良いけど、真剣だとそうは行かない。けど時には相手の攻撃を受ける覚悟で、攻めないと行けない時もあるから、悪くないと思うよ」

「えへへ」


アリサが照れたように笑う。

アルトは面白くなさそうだ。

彼も、褒めてやらないとな。

楽しくないと、長く続かないしな。


「アルトも、悪くなかったよ。ただ、ビビり過ぎだね。過度に避けすぎると、次の動きが遅れるから。それを直せれば、もっと良くなると思うよ。でも、恐怖心はあった方がいい。自分を守るのに、大切な事だから」

「うん・・・頑張る!」


良かった良かった。

アルトもやる気を取り戻してくれたようだ。


「アレス、ちょっと相手してくれないか?1回だけでいいから」


アルトに教え終わると、ダイアスが稽古の誘いをしてきた。

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