ダンジョン攻略③
「前方から更に3匹きてる!」
「「了解!!」」
「アレス!ガルド達の援護に回れ!後衛は俺が受け持つ!」
「わかった!」
モンスターの大群がアレス達に立ち塞がる。
殿を務めていたクラウスはここに来てからまだ一度も戦ってはいなかった。
狂血熊が出た時だけはリーナが対象していたが、基本は前衛の2人だけで十分に殲滅出来たからだ。
ただ、今回は状況が違う。
現在、ダンジョン10階層。
ダンジョン攻略から4日目。
アレス達がダンジョンを進んでいる途中で、大量のモンスター達に挟まれる状況になってしまった。
そのため、今は全員が忙しなく動いている。
「ガルドさん!」
「アレス君!君は僕たちから後ろに抜けそうになったモンスターを叩いてくれ!」
「分かりました!」
「リーナが魔法撃つ前に合図をする!しっかり聞いとけよお!!」
「はい!」
ガルドからの指示とグレンからの忠告を受け、彼らから抜け出して来たモンスターを優先的に斬っていく間にも、モンスターの増え続ける。
「ああもう!なんでこんなに多いのよ!」
「リーナ、喋ってないで詠唱して。クラウスさんの仕事が増え続けてる。」
「分かってるわよ!」
こいつら軽口を叩き合う余裕はあるんだな・・・・とクラウスは思いながら戦う。
・・・・・それにしても、モンスターの数が多い。
前方はキリがないな。
後ろも多いが、見える範囲には収まっている。
・・・普段はここまでいないはず。
囲まれたとしてもリーナ2、3発魔法を撃てば殲滅出来る場合が多い。
・・・・しかし、今回は・・・・
ドドオオオオオオオン!!!
「はあはあ。ぜんっぜん減らないじゃない!もう魔力が少ないのに!・・・・」
リーナの魔力の尽きかけている。
恐らく撃てても後3回が限界。
どうする。このままではジリ貧だ。
彼女らの口数も明らかに減っている。
余裕がなくなって来たのだろう。
このまま続けていても、最終的にはこちらが物量で押し切られる。
ガルド達やアレスだけなら無理矢理退却する事も出来ただろう。
しかし、後衛を守りながらでは無理に突破も出来ない。
どうする・・・・・
ちょっとまずいな・・・・
こもままだと全滅してしまう。
ガルドの頭に全滅の2文字が浮かび上がり、時間が経てば経つほどその思いは濃くなっていく。
「ガルド!後ろだ!!」
なっ!
クソっ!
目の前のモンスターに気を取られすぎて、後ろに気付かなかった!
グレンもどんどん増え続けるモンスターに背を向ける事は出来ない。
一撃貰ってしまうが、一撃で仕留める!!
ブシャアア!!
後ろから血飛沫が飛び散る!
「大丈夫ですか!?ガルドさん!!」
「アレス君!!ありがとう!助かったよ!」
何とか一撃貰わずに乗り越えた。
アレス君には感謝だな。
「アレス君!君も前線に出てくれ!俺達だけでは持ち堪えられない!」
「でも、後ろに抜けてしまったら!・・・」
「大丈夫だ!カナは接近戦も結構出来る!1匹2匹なら問題ない!それにクラウスさんもいる!」
「〜。分かりました!前に出ます!」
ダンジョンってのはこんなにもモンスターが多いのか!
この人たちは何時もこんな量と闘っているのか!?
「クッソっ!」
剣の切れ味が鈍くなってきてる!
少し硬いモンスターだと一撃で断ち切れない!
ガッ!
ち、また!
力で押し切れ!!
「う、おおおおおおお!!」
ここで死ぬなんてごめんだ!!!