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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第二章 オルディア城塞都市

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奴隷①

ドゴオオオォォン!!


「暴れてるなあ・・・」


廊下に響き渡る、爆発したかのような轟音を聞きながら、そんな事を呟く。


「なぁアレス、これ何の音だろう?」

「多分騎士団の人達だ。冒険者の後衛組は地上で待機してるから、突入組でこんな魔法を使えるのは、騎士団の人達くらいだと思う。」


二人で並行して走りながら、声を少し抑えて話す。


「でも、こんな地下で魔法使いまくって、大丈夫なのか?その、ほら、崩れたりしない?」


ダイアスが心配そうに問いかける。


「確かに心配だけど、ま、騎士団の人達なら大丈夫だろ。実践経験も多いだろうし。」

「まぁそっか。」

「そうそう、あんま心配し過ぎてもどうしようもできないし・・・お、開けた所に出るぞ。」


廊下を突き進むと、開けた空間に出る。

しかし、そこには息を飲むような、異様な光景が広がっていた。


「っ!?」


そこは、大広間だった。

そこは、暗く、変な臭いがした。

そこには、沢山の大きな檻があった。

檻の中には、何かが動く影が見える。


一瞬、息が詰まり、止まったような感覚に陥る。

同じ光景を隣で見ているダイアスも、目を細め、険しい顔をしている。


「・・・ここ、は?」


答えは分かっている。

それでも、ほんの少しの、救いの可能性に掛けて、自身が想像している物とは、違う物だと言うことを言って欲しくて。


「奴隷を・・・」

「いや、ごめん。やっぱり大丈夫。」


ダイアスの言葉を遮り、歩き出す。


檻の中には、まだ小さな子供から、成人している大人、色んな人がいた。

檻の中からこちらに視線を向けられる。

死んだような目、怯えるような目、恨みが籠ったような目。様々な視線が向けられる。

しかし、その中でも特に多いのが、生きる事を諦めたような、そんな目。


「ぁぁ・・・」


ここがどういう所か分かって入ったはずなのに、実際にこうして見ると、あまりに酷い有様で、心が、痛くなる。


ガシャアアアン!!!

「ああああ!!!死ねええ!!!」

「っ!?」


檻の隙間から血だらけの手を突き伸ばし、こちらに向かって叫ぶ1人の少女。

俺達を、ベルナールの仲間だと勘違いしているのだろうか。


「お前らのせいで!!!私達が何をしたって言うんだ!!!殺してやる!!!絶対に!!!殺してやる!!」


少女の後ろには、何人もの子供が倒れている。

息は・・・しているのだろうか。

まだ若い。後ろで倒れている子達は、さらに幼い。


「大丈夫。」


たじろくアレスの横を通り過ぎ、ダイアスが少女の手を握る。

少女は一瞬ビクッと体を震わし、ダイアスを引っ掻くが、ダイアスは片手を握ったまま、構わず話す。


「君は、君達は、もうすぐ出れるよ。俺達はベルナールの仲間じゃない。ベルナールを倒しに来たんだ。」

「誰がそんな事っ!!」

「俺達は冒険者だ。国の兵も、君達助けに来たから、だから、待っていて欲しい。必ず、助け出すから。」

「そんな事!信じられるわけない!お前も!あいつも!どうせ私達に酷い事をしに来たんだろ!!」


少女から発せられているとは思えない程の、叫び声。

仲間や、大勢の人間が殺されていく様を見てきたんだろう。

急に現れた、よく分からない男二人が、助けに来ただなんて、そんな事簡単に信用出来るはずも、信用出来る環境でも無かった。


「違う!俺達は、」

「いたぞ!あそこだ!」

「おい!奴隷(ゴミ)共を解放しようとしてるぞ!!!早く止めろ!!」


奥の通路から敵が現れる。


「ダイアス、やるぞ。」

「ああ・・・待ってて。必ず、解放するから。」



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