突入②
「グレンっ!!ガンゾ!!」
「おらあああ!!!こっちは任せろお!!」
「うおっ!あぶねえ!!」
ガンゾパーティーとガルドパーティーは合同で行動していた。
リーナとカナはこの狭い地下だと、背後から奇襲などが有れば危険な為、地上に残り、兵と一緒に行動していた。
「くっ!敵の数が多いね!こんな中、アレス君達は進めているんだろうか!!」
「進んでるに決まってるだろ!!あいつはこんなんで止まらねえ!!」
ガルドの言葉に、グレンが反応し、即座に言い返す。
「ガルド、お前ももう知ってるだろ!アレスは俺達なんかとうに通り越してる!!そんな奴が突破出来ないわけねえだろ!!!」
「確かに、そうだね。でも、僕達も負けてられないね!!」
「ああ!もっと行くぞ!!こんな所で止まってちゃ、アルトもアリサも見つからねえ!!」
熱くなるガルドとグレンを見ながら、ガンゾパーティーも、必死に食らいつこうと、よりいっそう気合いを入れたのだった。
ーーー
「ダイアス!前からも来た!一旦倒しきろう!」
「分かった!」
後ろの相手を捌きながら追いかけきていたダイアスに声をかけ、止まる。
「後ろは任せた!」
「おう!」
後方にいる敵はダイアスに任せ、目の前から迫り来る敵を見据える!
数は20人程、この廊下は大人3人が横に並んでも少し余裕があるくらいの広さだ。
少し端に行くと、剣が壁に当たってしまうかもしれないから、注意して戦わなければ!
「おらああ!冒険者があ!」
「死ねえ!」
「殺せえ!」
剣を抜きつつ突っ込んでくる敵を、出来る限り一撃で戦闘不能に出来る様に狙う!
「ふっ!」
こちらに到達する前に、振り上げていた相手の腕を斬り、切断。そのまま袈裟斬りし、続いて近くの敵を仕留める!
「ぎゃあああ!」
「ぐっ!はっ!ぁぁ。」
「くっ!強いぞ!気をつけろ!」
人を殺す事にはまだ慣れない、だけど、止まるわけには行かない!
ここで、止まれば死んでしまう。俺だけじゃなく、ダイアスも危なくなるし、アルトやアリサも助けられないかもしれない。
だから、ここで迷うわけには行かない。
「うおおおおお!」
雄叫びを上げる。
敵はそれ程強くなく、脅威ではない。
しかし、気合いを入れるなら、声を出すのが1番良いだろう。
敵が少し後退りする。
そこを見逃さず、さらに追撃し、数分も経たず、アレスと相対していた集団は全滅した。
「ダイアス、出来るだけバレないよう、慎重に動こう。もし見つかったら、速攻で潰す。」
「? 分かった。」
一人に見つかると、仲間を呼ばれるから、挟まれてしまう。
前方から大勢来ると、突破する為に負傷してしまう。
そうなると、また殲滅しなければならなくなる。
なら、最初から見つからない様に気をつけ、見つかれば速攻で沈める。
多少面倒だが、さらに面倒な事になるのを回避する為には仕方ない。
「よし、じゃあ行くか。」
「分かった。」




