作戦会議②
「ベルナール率いる商団、それに伴い、彼を守るために貴族達の用意する兵の対処について。現状だと、ダスティン家が出せる兵力は殆ど0に近い。冒険者ギルドからはどれくらい出せる?」
「我々はある程度実力のある者で、かつ信頼出来る者を集め、少数精鋭で動こうと思っています。」
ガルドが答える。ゼルガは沈黙を貫く。
「具体的な数は?」
「30にも届かないと思います。」
「そうか。陛下、国からはどれ程出せますか?」
「約300と言ったところか。それ以上は出せん。」
「軍と冒険者を合わせても大体330と言った所か。」
「すいません?質問良いですか?」
少し気になることがある。
「何だ?」
「300ってあまりに大所帯ではありませんか?街中で、それ程の数の兵が動くとなると、連携や統率を取りにくいだけゃなく、他にも被害が出てしまうのでは無いでしょうか?」
「すまない。君達には伝えるのを忘れていたな。奴には、隠し基地があるようだ。そこで多くの奴隷を管理し、その中で優秀な一部を、オルディアに連れてきているようだ。そのため、主戦場はオルディア内では無く、オルディア外、森の奥深くにある。」
「そういうことですか。」
確かに、森の中となるとこの数じゃ厳しいか。
もっと大勢居れば、基地全体を囲めることも出来るが、この人数だとそうも出来ないって事か?
もしそうなら、取り逃がす可能性が高くなるな。
「奴の基地は地下にあり、あまりに大きく、広い。そこに居る全ての人間を捕まえるのは不可能だろう。隠し通路もあるだろう。その為、基本は殺す事を許可する。ただし、ベルナールは必ず生け捕り、もしその場に貴族が居たなら、そやつらも生け捕りとする。」
「分かりました。ただ、戦力の問題はどうするんですか?相手はどれくらい居るんでしょうか?」
「最低でも1000は居ると思っていい。戦闘奴隷を入れれば、さらに最低値は上がるだろう。」
「せっ!?」
1000!?
マジかよ・・・こっちの3倍?
幾ら広いって言っても、そんなに居んのかよ。
「それって、勝てるんでしょうか?」
「さぁな。正直、今までだと危険な賭けだった。」
「今まで?」
「ああ、今回はヴェイル殿率いる紅焔騎士団が少数だが援軍として来てくれる。」
「それは、凄いですね・・・でも、王城の守りは大丈夫なんですか?」
まさかヴェイル率いる騎士団が来てくれるとは。
っていうか彼らが来るなら他は要らないのでは?
ガンゾも嬉しいそうにガッツポーズしている。
今までの話を聞いて、勝てるか不安だったんだろう。
「今は白銀剣騎士団の奴らが居るからな、ムカつく奴ばっかだけど、ちゃんと強いからな。」
「はは。」
ヴェイルが悪態を付き、ラドヴァンが微笑む。
紅焔騎士団と白銀剣騎士団は仲が悪いのか?
それともヴェイル個人が嫌っているだけか?
「戦力の話については以上だな。私の方も、少しは出せるよう努力しよう。次は各々の配置についてだ。」




