作戦会議①
「よく来てくれた。座ってくれ。」
会議室の真ん中、ではなく、その隣に座っていたラドヴァンが、アレス達に座るよう促す。
会議室に入った瞬間に感じた、違和感。
何故当主であるは筈のラドヴァン・ダスティンが、真ん中に座っていないのか。
可能性として考えられるのは、公爵家の当主である彼よりも、上の者がこの会議室にいるか、もしくは主役である誰かの為に空けているのか。
会議室の真ん中には、既に人が座っていた。
誰かが呟いた。
「アレクシオン・クロノス・ヴァルグレイ・・・国王陛下だ・・・」
今回の場合は、前者だった。
そしてその隣、ラドヴァンの正面に座っているのは、最近見しったばかりの顔だった。
「よう!アレス!元気か?」
ヴェイル・ラグナス。
紅焔騎士団の団長だ。
「ヴェイルさん、昨日ぶりですね。元気ですよ。」
「おう!そうか!それは良かった!」
「お、おいアレス。あの人ってヴェイルラグナスか!?騎士団の!?」
「そうだよ。昨日森で会ったんだ。」
「うっわマジかよ・・・国王陛下も居るし、なんか場違い感が・・・」
ガンゾがそんな事をボソボソ呟く。
隣を見ると、ガンゾだけではなくガルドとゼルガも、驚きを隠せないようだ。
ラドヴァンと会議をするだけかと思っていたら、それ以上の出てきた。
それはビビるな。
「さて、皆集まったようだな。作戦会議を始めようか。」
ラドヴァンが口を開くと、会議が始まった。
「初めて会うものも多いだろう。軽く自己紹介から行こうか。最初は私から。ダスティン家当主、ラドヴァン・ダスティン。」
「ヴァルグレイ王国直属騎士団、紅焔騎士団団長、ヴェイル・ラグナス。よろしく!」
「ヴァルグレイ王国国王、アレクシオン・クロノス・ヴァルグレイだ。」
最初に座っていた3人が自己紹介を済ます。
次は、こちらか。
どういう順番で言えばいいんだろうか。
そんな事を考えていると、
「ヴァルグレイ王国冒険者ギルド支部、支部長のゼルガです。」
ゼルガが口を開き、それにガルドやガンゾが続く。
「Bランク冒険者のガルドです。」
「お、同じくBランク冒険者のガンゾ、です!」
ダイアスは口を閉じている。
次は俺か。
「同じくBランク冒険者のアレスです。」
「Bランク冒険者のダイアスです。」
「これで全員終わりだな。まず、ここに居る全員は協力関係にあると思って大丈夫か?」
ラドヴァンが皆に問いかける。
それに応えるはゼルガ。
「私はまだ決めていません。この者達に会議には出て欲しいと言われた為、参じました。協力するかはこの会議で決めようと思っています。」
「ゼルガ殿、了解した。他にはいないか?」
「「「・・・」」」
それ以上答えるものは居なかった。
「それでは、本題に入ろうか。」




