会議
「分かりました。話しましょう。」
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「なるほど。ダスティン家と王族、そして冒険者が協力して、ベルナールを捕まえるって事か。」
「まぁ、そんなところです。」
「中々でかい事になってるなあ。ベルナールか。あいつのやってる事は俺もムカついてたし、潰れてくれるなら嬉しい限りだな!」
「なら、協力してくれませんか?」
「ん?俺も戦闘に参加しろって事か?」
「まぁ端的に言えば。」
「う〜ん。正直難しいかもなあ。俺は王城を守らないと行けないからな。白銀剣騎士団か俺の所か、どっちかが絶対に王城待機しておかないと行けないから、今の時点では判断出来ないな。」
「と言う事は、今日は白銀剣騎士団が城に居るって事ですか?」
「そう言う事だ!」
「・・・」
まぁ向こうの事情や予定によっては、決行日に来れるかはまだ分からないか。
そもそもいつ決行するのかも決まってないし。
「分かりました。ありがとうございました。俺はもう行きますね。」
「・・・ああ、また今度な!」
「はい、また。」
またって言ってもこの先会う事は無いかも知れないな。
こんな立場の人に、ただの冒険者が一対一で会う機会なんて、殆どないだろうし。
「ゴブリン探しに行くか。」
ヴェイルが全て燃やし尽くしたせいで、討伐の証明となる物も灰となってしまったから。
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翌日。
「・・・ダスティン家行くか。」
いつも通りの冒険用の服装に、前回着ていったフードを上から着る。
今日はギルドでガルド、ガンゾ、ダイアス、ゼルガと一緒にダスティン家に赴く事になった。
「おはようございます。皆さん。」
今日もまた最後か。
なんかいつも俺が最後に来てるような。
「おはよう。アレス君。」
「あ、ああアレス!何で俺もダスティン家に行かないと行けないんだよ!」
「おはようアレス、これで大丈夫か?」
「ガンゾは主要メンバーなんだから、そりゃ連れて行くよ。覚悟を決めて。ダイアス、それで大丈夫だよ。」
「ああ、クッソ!緊張するなあ!」
「良かった。」
「じゃあ、全員集まったようだし行くぞ。」
ゼルガが声を掛けると、皆が席を立ち、ダスティン家へと向かい始める。
ちなみにゼルガさんは正装で、ガンゾとガルドは俺と似たような感じで、ダイアスはダスティン家に向かっている事が、ベルナールの手の内の者にバレないように、全身を覆い、スカーフも着けて、身バレしないようにしている。
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「アレスです。ラドヴァン様に会いに来ました。」
そう言いながら、門番にギルドカードを渡すと、それに続いてゼルガ達も身分証になる物を渡して行く。
暫くすると返され、門を通る。
その時、何とくなく違和感を感じる。
「?」
なんか、いつもより人が多いな。
騒がしい気がする。
前回来た時と違ってゴツい装備を着た人が見える。
多分、ダスティン家の私兵じゃないな。
いつもより警備が頑丈だ。
「どうぞこちらへ。」
そう言って連れられた所は、前回とは違って客間ではなく、大きな会議室だった。




