仲間集め④
「ダスティン家!?それは、また、凄いところに・・・エルンストさんが付いてくれるだけでも心強いのに。」
「ただ、ダスティン家の協力を得られるかは俺次第だと言ってました。協力の手紙自体は送るが、実際に協力を取り付けるのは俺の役目だと。」
「いや、それで十分だよ。それに、君ならダスティン家と協力を取り付ける事は出来ると思うよ。ただ、あまり気負いすぎないでね。最悪ダスティン家が居なくても何とかなる可能性が出てきたから。」
「分かりました。頑張ります。」
ガルドの言うように、あまり気負いすぎないように行こう。緊張し過ぎても失敗するだけだ。
「いやいや!お前ら落ち着き過ぎだろ!?エルンスト!?エルンストってエルンスト・グレイヴァルドか!?そんなすごい人が俺達に協力してくれる上に、ダスティン家にも協力を促す手紙を出してくれるって、どんな状況だよ!?」
ガンゾだけじゃなく、レオナードやドーレも似たような反応だ。
もちろん、ガルドパーティーの面々も驚いては居た。
ただ、ガルドとアレスがあまりに作業的な会話をしていたせいで、ガンゾは突っ込まずに居られなかったのだ。
「それにダスティン家って公爵家だぞ!?お前らも知ってるだろ!?この国で、王族の次に権力があるのは貴族!公爵家はその貴族の中でもトップだ!それにエルンスト・グレイヴァルドも公爵家では無いにしろ、発言力は極めて大きい。それこそ公爵家と同等以上に!!そんなのが二つも後ろにつく可能性があるって・・・ああダメだ。頭痛くなってきた。」
ガンゾは興奮を抑えきれなかったようで、頭を唸らせている。
「アレス。」
「どうした?」
ガンゾを眺めながらガルド達と笑っていると、ダイアスから声を掛けられる。
「アルトとアリサの事だけど、2人とも顔が良いから、その、お偉いさんを相手にするような立場にあるから、今はまだやってないけど、後2週間くらいでそろそろ使われるかもしれないから、その・・・」
「何となくだけど分かったよ。教えてくれてありがとう。ダイアス。」
「ああ。頑張ってくれ。アレス。」
ダイアスが真っ直ぐにこちらの目を見る。
俺はこの期待に応えなくてはならない。ダイアスだけじゃなく、ガルドやガンゾ達にも期待されている。
ダスティン家を味方に出来れば、皆んなの負担も減るだろう。
気合いを入れないとな。
「じゃあ、そろそろ行ってくるよ。服はこれで大丈夫かな?」
「今のままでも問題無いと思うけど、一応上から綺麗なローブとかを着て行った方が良いかもね。安くても良いから、新品のやつね。」
「わかりました。じゃあ、行ってきます。」
「頑張れよアレス!」
「任せたわよ!」
「アレスなら・・・出来る。」
グレン達の発破を聞きながら、ダスティン家の館まで向かい始めた。
 




