それってもしかして・・・③
「・・・・・・ガンゾ、どうにかして2人を助ける事は出来ないかな?」
「俺達だけじゃ無理だな。相手は貴族とも繋がりが深いし、それが無くてもオルディアで有名な商人だ。、一介の冒険者が手を出したところで、返り討ちになる。」
「でもっ!」
「たとえベルナールを殺せたとして、その後はどうするつもりだ?お前は犯罪者として冒険者としての資格も剥奪され、この国を追われるどころか、人間の国では生きて行けなくなるかもしれない。それだけじゃない。お前がベルナールを殺した後、ベルナールの奴隷達はどうなる?奴の支配から解放されても、すぐに他の奴隷を扱う奴らに捕まるか、殺されるのが目に見えてる。」
ガンゾがアレスを説得する。
彼が暴走しないように、宥める。
「・・・」
「アレス、心配なのは分かる。けど、それでお前が何か問題を起こせば、悲しみ人間も居る。俺だってお前が心配だ。それだけは忘れないでくれ。」
「・・・なら、アルトとアリサを見捨てろって事か?あいつらは最初は面倒くさい奴らだと思ったけど、仲良くなれた、俺を信頼してくれた、また会いたいと、そう言ってくれた。それをただ見捨てろってのは、あまりにも」
「誰も見捨てるなんて言ってないだろ。」
「え・・・?」
「助ければいい。さっき言っただろ。俺達だけじゃ無理だと、なら他の人の助けを借りれば、助けられる可能性は出てくるはずだ。」
「手伝ってくれる人なんて・・・」
「とりあえず、最初はガルド達だな。」
「それじゃあ、無関係なガルドさん達に迷惑を掛けてしまう。」
「良いんだよ、俺も頭を下げるし、お前もあんまり気にすんな。それに、あいつらもアルツ村くらいは行ったことあるはずだろうし、そのアルトとアリサ?って子の事も知ってるかもしれない。聞いてみる価値はあると思うぜ。」
「俺も手伝うよ!」
子供達に戦い方を教えていたダイアスが、横から声を掛けてくれる。
「ダイアス・・・。」
「いいよ、俺だってこのまま死ぬまで奴隷なんて嫌だし、もしそれから解放される可能性があるなら、そっちに賭けたいから。だから、アレスは俺を使って。」
「ありがとな。」
「ああ!」
ダイアスが笑顔で頷く。
初めて会った時には想像も出来ない程の笑顔だ。
そうだ。
今は駄々をこねてる場合じゃない。
少しでもいい案を考えなければ。
そしてそれには、ガンゾの言う通り協力してくれる人が必要だ。
その為にはまず、
「ガンゾ、ガルドに会いに行こう!」
「分かった。ダイアス、急ですまない。今日は面倒を見れそうにない。」
「気にしないで行ってきて!俺達もそんな長い間ここに居る気は無かったから!」
「ああ、じゃあな!ダイアス!俺達は基本冒険者ギルドかここに居ると思うから、何かあったら来てくれ!」
「分かった!」
ガンゾとダイアスが言葉を交わし終えると、すぐに背を向け、歩き出す。
「行くぞ、アレス。」
「ああ、行こう!ガルドさん達のいる所まで!」
面白いと思ってくれた方、もしよろしければ下にある☆☆☆☆☆をポチッとしてくださると嬉しいです!




