それってもしかして・・・①
「けど、どうやってそれを証明するんだ?」
「そこが問題だな。俺達じゃどうしても無理だし、ダイアスも奴隷という身分じゃあまり自由には動けない・・・誰か協力してくれる人がいれば良いんだがな。」
「う〜ん。協力してくれる人か。」
心当たりで言えば、ガルドパーティー。後はブライドやクラウス辺りか。
とはいえ、後半2人はグレイヴァルドにいるしな。
この問題に全く関係のないガルドパーティーを巻き込むのもあれだし。
「ガンゾ。」
俺とガンゾで話し込んでいると、ダイアスが少し悩んでいるような顔で声を掛けてくる。
「どうした?」
「役に立つ情報かは分からないけど、最近新しく入ってきた奴隷の子達が居るんだけど、その子達は普通の奴隷とは違う感じだったよ。」
「違う?」
「そう。連れてこられたのは2人なんだけど、2人とも服があんまり汚れたりしてばかったし、怪我とかも殆ど無くて、後は、ちょっと良さそうな服を着てたんだ。」
「それがダイアスにとって違和感だと?」
「そう。今まで連れてこられてた人達って、皆ボロボロの服とかを着て、汚かったり、怪我をしてたりしてた。多分の俺が捕まった時のように、どっかの貧困な村の人達なんだ思う。多分、ベルナール様もそういうのを狙ってるから。」
「けど、その2人はそうじゃないから違う所から連れてこられた可能性があるって事か?」
「そう。」
「正直、それだけじゃ何も分からないな。もう少しその子達の事を詳しく教えてくれないか?」
「男の子と女の子で、2人とも金髪だったかな。歳は多分14〜15歳くらいだったかな。」
「・・・・・・やっぱりそれだけじゃわからないな。」
ガンゾは考え込んで唸っているが、結局答えは出なかったようだ。
金髪に、男女、そして14〜15歳・・・まさか、な。
「名前とかは分かんねえのか?」
「あ、名前は何だったっけな。確かアリスとアルトだっーーーっ!?」
「ダイアス!それは本当か!?」
ガッ!と勢いよくダイアスの肩を掴む!
その名前って、もしかして・・・
「う、うん。本当だよ。」
「お、おい。アレス、急にどうしたんだよ?知り合いなのか?」
「あ、ああ。ごめん。ダイアス。」
「大丈夫だけど、もしかして知り合い?」
「・・・いや、もしかしたら、名前が一緒なだけで、違うかもしれない。」
「まあ一旦落ち着け。まずはその子達がアレスの知り合いかどうかを調べたいな。ダイアス、その子達と接触する事は出来るか?」
「多分、出来ると思う。」
「お前の負担になるかもしれねえが、その子達がもし他のやつらに何かやられてたら、助けてやってくれねえか?俺達もあの子達の鍛錬に付き合うから。」
「分かった。」
「それと、もしその子達と接触できたら、アレスの事を知ってるかも聞いてみてくれ。」
「任せて。明日またここに来るから。その時に伝えるよ。」
「ああ、ありがとな。助かる。」
「アレス!帰るぞ!」
「あ、ああ。」
「明日まで待て。ダイアスが調べてくれる。」
「・・・わかってる。」
「宿まで送るから。今日はすぐに寝ろ。」
「・・・ああ。」




