ダイアスパーティー?②
「訓練場が使えない?どういう事だ?」
「そのままの意味だ。俺達は・・・ベルナール様に訓練場を使うなって言われてて。」
「・・・そういうのもあるんだな。」
訓練場を使えない。
それに、さっき言ってたあそこって場所も気になるな。
子供達と一緒に行ったら邪魔される?
一体どんな所なんだ?
「他の冒険者との接触を出来るだけ避ける為に、奴隷にはそう言った物を使わせない奴もいるらしい。恐らく、ベルナールもそういうやつだ。」
ガンゾが耳打ちをしてくる。
「何の為に?」
「さぁな。そいつの考えにもよるだろうけど、俺の考えでは他の人間と関わる事で、そいつに同情したやつや自身の悪事が表に出てしまう可能性が高くなるのを恐れているんだと思う。もし仲間が出来たり悪事が表に出てしまえば、本人からしたらあまり厄介だろうしな。ま、実際はどうか知らんがな。」
「十分ありえそうだけど。」
なるほど。
確かにその可能性はあるな。
特に途中から奴隷として生きてきた奴は、幼い頃から奴隷として生きてきた奴と違って反抗する確率が高いかもしれない。
産まれたか頃から洗脳の様な生活をしていれば、そう簡単に下克上をしようなんて思いつかないかも知れないが、途中から来たやつはそうじゃないかも知れない。
まあ逆に絶望してそんな事を思わないような人も居るかもしれないが。
ダイアスは途中からなんだろうか?それとも産まれた頃から奴隷なんだろうか?
「ダイアス。それなら俺も手伝ってやろうか?」
「え?何を?」
「その子達の鍛錬。」
「おいおいアレス、急にどうしたんだ?」
「いえ、流石に毎回と言わずとも何度もこんなに死にかけてたら心配になるでしょ。ダイアスやガンゾだって、その子達が死ぬのは嫌でしょ。」
「嫌だ。」
「いやそりゃまあ、嫌だがよぉ・・・」
「そうだろ?なら俺も居れば守りながら教えれるじゃねえか。」
そうだ。わざわざ無駄な犠牲を出す必要なんて無い。
俺が手伝えってそれで何とかなるなら、手伝えばいい。
減るもんだでもないしな。
最低限、一人でも戦えるくらいになるまではダイアスを手伝おう。
「あいつらが死ぬのは嫌だ。けどそれでもそれは無理だ。」
「・・・なんで?」
「ベルナール様が、他の冒険者とは関わるなって。」
「・・・なぁダイアス。お前とベルナールって奴の関係は何なんだ?教えてくれないか?」
あまりこういう話は聞かない方が良いというのは分かっている。けど、このまま放置しておくと誰かが死んでしまう気がする。
だから、ここではっきりさせておきたい。
何か分かれば、対策を考えられるかも知れない。
「・・・・・・」
話してくれない、か。
まぁこんな話、普通に言っていい物じゃないだろうし、ベルナールに他人に話すなとか言われているんだろう。
ただ、彼自身から話を聞かないと、どうなっているのかが分からない。
奴隷だって言うのも、俺やガンゾの予想でしかないしな。
「・・・本当は言うのを禁止されてるけど、アレスとガンゾ達には言ってもいいか。けど、この話は出来れば広めないくれ。」
「!ああ、もちろんだ。」