闘技場④
「丁度いい機会だしな。俺の実力で、どこまで通用するか試してみるよ。」
「良いと思うぜ!」
レオナードとドーレもガンゾの後ろでうんうんと頷いている。
「ふふっ。ありがとな。」
今日は有意義な時間を過ごせた。
俺1人なら街の中で長い間彷徨って、殆ど何も出来ずに終わっただろう。
そういう時間も良いものかも知れないが。
それにしても、少し暗くなってきたな。
今日はもうそろそろ解散しようかな。
ガンゾ達には半日世話になったし、今度何か手伝うか奢るでもするか。
「もう日も暮れてきたし、一緒に飯でも行くか?」
「お、良いね。オススメの店教えてくれよ。」
「おう、任せろ!俺達がうめー飯屋に連れて行ってやるよ!」
「頼んだ!」
「そこでこの街の魅力を語ってやる!」
「それは頼んでない!けど聞きたいかも!」
「アレス、ガンゾは話し出したら止まらんぞ。」
「今日は帰れんかもな。」
「それは勘弁してくれ!」
「「「あははは!!」」」
半日だけでは終わらないみたいだ。
今日は1日中、ガンゾ達と過ごすことになりそうだ。
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翌朝
「う〜ん・・・眠い。」
昨日は流石に帰るのが遅くなりすぎたな。
まぁ今日もやる事決まってないしもっとゆっくり起きても良かったんだが、目が覚めちゃったし、別に良いか。
「今日は何をしようかな〜。まだお金に余裕はあるけど、クエストにでも行こうかな。」
昨日は日課のトレーニングをするのも忘れていたし、今日はその分もやろう。
期間が開きすぎると戦闘勘が鈍りそうだし。
・・・ていうか何気にトレーニングを忘れたのって初めてだな。
「次からは気をつけないとな。」
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ギルドの扉を開く。
「朝っぱらから結構人いるな・・・。」
そこそこ早い時間だと思うんだが、上級冒険者っぽい人から駆け出しっぽい人も満遍なく人がいる。
いえ、どっちかというと強そうな人の方が多そうだ。
「この街だとどんなクエストがあるかな〜。おっガンゾ達居るじゃん。」
酒場の1番奥のテーブルみガンゾ達の姿を見つけ、歩み寄る。
「朝からギルドですか?」
いやでも昨日言ってたよな?
ギルドにはしばらく用は無いみたいな事。
だったら本当に飯を食いに来ただけか?
結構暇なんだな。
「おはようございます。」
「ん?ああ、おはようアレス。」
「「おはよう。」」
「今日はどうしたんですか?朝からギルドに居るなんて。」
「いやあそれがよ。昨日言ってた、Bランク昇格クエスト受けてるやつ居るだろ?」
「そうですね。確か、1週間くらいかかりそうなクエストで、一昨日に出発したばかりなんですよね?」
「ああ、そう。それだ。よく覚えてるな。」
「まぁこれくらいはね。それで?」
「実はそいつがよ、もうクエストをクリアして、昨日帰ってきてたらしいんだよ。」
「はあ!?」




