Aランク②
「よくよく考えれば異常だ。」
「・・・」
異常か。
まあ俺自身、異世界(地球)からいきなり現れたな存在だし、この世界にとっては俺自体が異常な存在な気もする。
とはいえ、それくらいなら気にしなくてもいい気もするが。
「ごめん。話が脱線しすぎたから戻そうか。何故ギルドがガンゾ達にああいう行動を取らせているか、だったね。」
「あ、はい。」
そう言えばそんな話だったな。
今はこっちの話をしてたんだった。
「アレス君。ギルドはね、出来るだけ冒険者の数を減らしたくないんだ。何故か分かるかい?」
「?分からないです。」
「冒険者が減れば、受けてくれるクエストやダンジョンで得たモンスターの魔石や素材等を売ってくれる人が減るから。つまり儲けにくくなるからだ。」
「確かにそうですね。」
商品を集めてくれる人間が居なければそれを売ることは出来ないしな。
「そう。それでBランクにもなれるような優秀な人間を、ギルドはみすみす手放す事なんてしない。ガンゾ達のあの絡みに怯んだり、ビビったり、逃げたりしてるような人達にはAランクのクエストに行かせない。死んでしまうから。」
「死・・・」
確かに、あの程度の輩にビビってるようじゃ問答無用で襲ってくるAランクのクエストに出てくるような魔物には勝てないか。
「じゃあガンゾさん達は試験官みたいなものですか?」
「まぁそんな感じの物だね。けど、Aランクのクエストに行けるかどうかの判断はをするのはギルド側だけどね。」
「なるほど。そういう事情があったんですね。」
「そう。だからギルドの職員も止めなかったし、ギルドに居た上級冒険者達も動くことは無かったんだよ。彼らはこの事情を知っているから。」
「でも、ガンゾ達のあの行動を見てBランク昇格を拒む人も出てくるのでは?」
「彼らに怯えるくらいなら、Bランクにならない方が良い。Bラン以上からはギルドから強制的にクエストを受けさせられる強制任務があるから。」
おっと。
その情報は初耳だ。
強制任務だ?
厄介そうな制度だな。
「それはどんな内容なんですか?」
「内容はその時にならないと分からないねぇ。でも基本的にはクエストと似たような内容の物ばかりだから、そんなに気にする事はないと思うよ。ただ難易度が高いだけだから。」
「難易度が高い・・・ってAランク以上のクエストって事ですか?」
それは結構しんどそうだな。
Bランク冒険者でも、実力だけで上がってきた人以外にも、沢山の人が居る。
戦闘が苦手な人だって居るだろう。
そう言った人達は大丈夫だろうか。
「Aランク・・・とはまた違っているかもね。強制任務で多い内容だと、一般の人を守る系が多くて、それが難しいんだ。」
「守る?」
「そう。村などが盗賊団やらに占領された時や魔物の大群が迫ってるから守れ!みたいな感じのが多いね。たまに滅茶苦茶強い魔物の討伐とかも来るんだけど、そう言うのは基本的にAランク以上に来るから。僕達Bランクに来るのは数が必要な時が多いよ。」
「適材適所ですね。」
「そういう事だよ。あっ着いたみたいだね。」
話し込んでるうちに宿に着いたようだ。
新連載始めました!
「魔法学園の創世」というタイトルです!
そちらもよろしくお願いします!
あらすじ↓
古代遺跡で発見した魔導書に書かれた呪文。
青年はその力を手に入れるが、あまりに強大な力だった。彼は自らの力と向き合う決意を固める。
迫害されながらも、傷ついたもの達に希望を届けるため、魔法学園を立ち上げる!
そんな1人の男の物語。




