ガンゾパーティー
「アレス君、紹介しよう。彼等は一応全員がBランクのガンゾ、レオナード、ドーレだよ。」
真ん中に座っている金ピカアクセサリーを大量につけたチンピラみたいな奴がガンゾ。
んでその左に座っているのが髪を刈り上げて、スカーフを巻いてて無駄におしゃれな奴が、レオナード。
そしてガンゾの右に座っているのが体格が良すぎて熊みたいになっている奴がドーレ。
なんとも癖の強いパーティーだな。
「よろしくお願いします。皆さん。アレスです。」
「おう。さっきはすまなかったな。変に絡んじまって。」
「大丈夫ですよ。」
まぁ、あんまり気にする事はないか、絡まれたのは不快だが、簡単に撒くことも倒すことも出来たしな。
何より、冒険者のくせに年下の後輩に頭を下げて謝っているんだ、なら許してあげよう。
それはそれとして、あの行動自体は辞めた方が良いと思うが。
「さて、食事が来る前に、何があったのか聞かせてくれるかな?」
「彼等に喧嘩を吹っ掛けられたんですよ。グリスヴァルドで変な奴に絡まれた時みたいに。」
「本当にすまねえ!まさか、お前らの知り合いだったとは思わなかったんだ!」
「ガルドさんの知り合いじゃなくても喧嘩を吹っかけるのは良くないと思いますが。」
ガルド達の知り合いじゃないと絡むのを辞めないってのは良くないだろ。
この行為自体を辞めた方が良い。
「いや、それは、そうなんだがよ。こっちにも事情があって・・・」
「事情って何ですか?」
「・・・ここでは話せない。」
何だそれは?
そんな事で俺が納得すると思っているのか?
俺がたまたまガンゾ達より強かったから良かったが、よしそうじゃなければどうなる?
こいつらは引き下がっていたのか?
例えこいつらより弱くとも、Bランクになれる位の素質がある冒険者を、みすみす見殺しにして、ギルドは一体何をしているんだ?
「アレス君、そう怖い顔をしないで。理由は僕達も知ってるから、後で教えるよ。」
「・・・わかりました。」
ガルドがそう言うなら今は大人しくしておこうか。
この人が庇うくらいだ。
しっかりとした理由があるのだろう。
ひとまず今は気持ちを切り替えて、飯を楽しもう。
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「ガンゾ!お前ら運が良かったな!!」
酔っているのか、グレンが楽しそうに話始める。
「何の話だ?」
「いやそりゃあアレスに絡んだ話だよ!!お前らがもしもっとしつこく絡んでたりしてたら、しばらく冒険者として活動出来なかったかもな!!」
「は?なんでだよ!?」
「アレスは俺やガルドよりも断然強いんだぜ?そんな奴と喧嘩になったら、確実にお前らはボコボコにされてたろ!」
「え!?」
「・・・グレン、それマジか?」
「・・・」
ガンゾが驚き、レオナードがグレンに今の話が真実か問い、ドーレは黙っている。
「ああ、マジだ!聞いて驚け!アレスはたった1年でBランクまで上り詰めたんだぜ!」
「はあ!?」
「嘘だろ!?」
「・・・」
「3人とも、それは事実だよ。本当にアレス君と喧嘩にならなくて良かったね。彼は基本優しいけど、キレたらどうなるか何て、僕達も知らないからね。」
「運が良かったわね!アレスの優しさに感謝しなさい!」
「感謝・・・しろ~。」
グレンに続き、ガルドやリーナ、カナまで俺を褒めてくれる。
思っていたよりも彼等の中での俺は評価が高いようで嬉しい限りだ。
「「「・・・」」」
ガンゾ達はグレンやガルドの話を聞いて冷や汗をかいてる。
もし殴り合いにでもなってたら~とか考えてるのだろうか。
俺はそんな凶暴じゃないし、好戦的では無いと自分では思ってるんだが、実際どうなんだろうか。
「ふぅ。そろそろお開きにしようか。もう寝る時間だね。」
そうは言っても冒険者ギルドの酒場であるここは、まだまだ飲んでいる冒険者は多く、騒がしい。
一日中開いてる酒場はここだけだから、冒険者以外の人間も沢山集まってくる。
「あ、ああ。そうだな。そろそろ帰ろう。じゃあなお前ら!また今度一緒にクエストでも行こうぜ!」
「ああ、またな!」




