よく絡まれるな・・・
「おいガキ!お前今なんつった!?こんな状況でも強気だなあ!?」
「Bランクになったからって調子のんじゃねえぞ!?」
「3人相手に勝てると思ってんのか!?」
こいつら3人とも俺より格下だな。
同時に相手をしても、多分簡単に勝つことが出来るだろう。
なんでこういう奴らって良く絡んでくるんだろう?
相手の実力を見抜けないと結構命取りだと思うが、俺がまだ若いからか?
それともBランクなりたてだから?
「ちなみにですけど、あなた達のランク教えて貰っても?」
「へっ!俺達は全員Bランクのパーティーだ!!先輩は敬えよ!」
「えっ!?」
実力的にあってもCランク上位(あくまで推測)くらいだと思っていたが・・・こんな奴らがガルド達と同じBランクパーティー?
何かの冗談か?
「驚いただろお!俺達の様なつえー奴が、何でBランクに留まっているのかな!」
「教えてやるぜ!Bランクからは高難度クエストも増える!それを知らない新人どもに優しくこのBランクの最初の壁になってやることで厳しいさを・・・」
「いや、もういい。話さなくていい。知り合いを待ってるんだ。邪魔しないでくれ。」
こいつらと一緒にいたら周りからの視線が本当に凄い。
ただ、グリスヴァルドの時と違って、周りの冒険者もギルドの職員も、見慣れてる光景なのか、はたまた他に何か理由があるのか、何故か止めようとする気配が無い。
囃し立ててくるような冒険者も少ない。
とはいえ、こういう事で注目はあまり浴びたくない。
何かを成し遂げての注目ならともかく、こんな訳の分からん奴に絡まれて注目を浴びるのは勘弁したい。
良い評価には絶対にならんだろうしな。
「あ、おい!てめえ!逃げんじゃねえ!」
「ビビってんのか!!」
「腰抜けめ!!」
「言ってろ。」
ガルド達早く来てくれないかな。
宿取るって言ってたし、それだけならそんなに長くはないと思うんだけど。
「アレス君、遅くなったね。」
「!? ガルドさん!?」
そんなこんな言ってたら来た!!
ナイスタイミング!!!
「ああ!?ガルドだってえ!?あいつらはグレイヴァルドに居るはず...だ...ろ。はっ!まじかよ・・・鉄の牙が帰ってきた!」
「久しぶりだなあ!!」
「お前らどうして帰ってきたんだ!?」
「ん?やあ、久しぶりだね。ガンゾ。」
「久しぶりじゃねえか!ガルド!」
ん?何だこの空気。
もしかしてガルド達はこいつらと知り合いなのか?
意外なところで繋がりがあるな。
でもこいつらめっちゃ新人イビリしてきたぞ。
そんな奴らとガルドが仲良いとは驚きだ。
「ガルド!俺達も飯に混ぜてくれ!」
「知ってるのかい?」
「こいつから聞いたんだ!」
別にお前のために言った訳ではないが。
「アレス君が良いなら、僕は良いよ。どうだい?アレス君?何か繋がりがありそうだけど・・・」
ガルド達とこいつらの繋がりもちょっと気になるし、まあ良いかな。
ガルド達が居れば俺に突っかかって来る事も無いだろうし。
っていうかそもそも格下だし、そこまで心配する事もないだろう。
酒場で飯を食うなら、少し騒がしいくらいが丁度良い。
「俺は大丈夫ですよ。」
「分かった。じゃあ皆で食べようか!」
ガルドがそう言うと、ガンゾと呼ばれていた男が「さっきはすまなかった!ありがとよ!」って声を掛けてきた。
案外、悪いやつでは無いのかもしれない。




