Bランク昇格
ガチャ。と扉を開け、一歩踏み入る。
グリスヴァルドと同じで2階までが吹き抜けになっている。
受け付けのカウンターもでかく、ギルド職員も多い。
そして、壁にクエスト用紙が大量に貼られた大きな掲示板のような物が掛けられている。
反対は酒場か。
作りはグリスヴァルドと似ているな。
ただ、規模や人数は全く違うが。
グリスヴァルドも多い方ではあるが、オルディアだけは別格で多い。
それに、冒険者の使う酒場にしては綺麗で、そこを使っているのは1人で飲んでる歴戦の猛者みたいな人もいれば、周りをキョロキョロしながら周りを見渡し、落ち着きがない駆け出しっぽい人もいて、騒いでいるパーティーも居る。
強そうな人とは仲良くしておきたいな。
でもいきなりは無理だし、ここで少し生活しとけばある程度関係が出来るかも。
まぁゆっくりやっていこうか。
焦って嫌われたり、敵対されたら溜まったもんじゃない。
強い強くないでも初心者であろうが上級冒険者であろうが、仲良く出来るのが1番良い。
「ご用件は何でしょうか?」
「これを。」
「はい。」
手紙を職員に手渡すと、手紙を読み始める。
「!?これは・・・少し確認を取ってきますので少々お待ちください。」
「はい。」
この待ってる時間が1番苦しい。
特に1人だとそわそわしてしまうな。
まぁ表には出さないが、そんな事してたら舐められて、喧嘩売ってくる輩が増えてしまう。
だからいつも内心だけビクビクしてる。
「すいません。お待たせしました。護衛クエスト、お疲れ様でした。これにてBランクへの昇格となります。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
さて、やる事やったし、ガルド達が戻ってくるまでどうしようか。
街を散策したいが、この辺の土地勘が無い俺が1人で行ってもここまで帰って来れる気がしないし、辞めておこう。
となると、本当にやる事がないしな。
まぁ酒場で待っとくか。
1人でこういう所に行くのはあまり好きじゃないが、ギルドの前でずっと立って待っとくのも嫌だし仕方ない。
そう思い、酒場の方へ1歩足を出すと
「おいおい、こんなガキがBランクだって?しかもソロで?」
「何かの間違いだろ!ぎゃははは!!」
「親のコネで成り上がったんじゃねえのか!?」
変な輩に絡まれてしまった。
またか。
グリスヴァルドでも絡まれたが、あっちは周りに顔見知りが居たし、何よりガルド達が居たから良かったが、今は前とは全く状況が違う。
周りの奴らも、俺がクラウスと仲が良い事なんて知らないだろうし、止めるに入る所か、向こうの味方になるかもしれないな。
「面倒臭い事になったな。」
「なんだとガキが!!調子乗んなよ!」
「あっ。」
やべ、声に出てたか。
はぁ、勘弁してくれよ。




