護衛会議②
「横からですいませんが、アレス君は僕達よりも強いですよ。」
ガルドがこの状況に見かねて、声を上げる。
その発言を皮切りに会議室内が騒めく。
「ガルド殿、それは本当ですかな?」
「もちろん。」
「隊長、お言葉ですが、ガルド殿はクラウス殿やアレス殿と親しい関係にあると聞きました。単に擁護しているだけという可能性はないでしょうか?」
「わざわざ僕がそんな事する意味があるのかい?」
「君達は交流があるだろうから、見捨てられないんじゃないか?」
「本当にアレス君に実力がないというのなら、僕はこんな危険な仕事から遠ざけるけどね。」
「ううむ。ただ本当に彼が」
「そこまで言うなら、彼の実力を確かめてみれば良いのでは?どうですかガラハッドさん?」
何か凄いことになってきたな。
ってかガルドがこんなに熱くなっているのは初めてみた。
俺のためにこんだけ言ってくれるのは嬉しい。
けど、ガルドからの期待が凄いな・・・。
「そうだな。その方が他の皆も納得しやすいだろう。実力が分かれば、隊列も組みやすい。すぐに訓練場へ移動しよう。」
俺の意見は何も聞かない感じね。
まあいいか。
俺に言える事なんて何もないし、とりあえず頑張って、実力を認めてもらおう。
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「今から一騎打ちを始める!1本勝負、もしくは木刀が折れた方が負けとする!」
「君の実力を見さしてくれ!!」
「はい!!」
相手はさっき俺の実力を心配してガルドと言い合っていた人だ。
この人以外にも、俺に不信感を抱いている人がいた。
その人達にも強さを見せつけれるように、速攻で決める!!
「始め!!」
ダッ!!!っと始めの合図と同時に駆け出し、一気にトップスピードまで持っていく!!
「なっ!はやっ!?」
「ふっ!!!」
バキイイン!!!
抜刀した勢いでそのまま腹を狙い、下から上に切り上げる!が、まさかの止められる!
初撃を防がれた!
ほとんど反応も追いついて無かったのに、流石貴族専属の護衛といったところ。だが、その一度の受け流しだけで、体勢は崩れた!!
「おらああ!!」
上に上がった剣をそのまま袈裟斬りの要領で振り下ろし、木刀が相手の鎧とぶつかり、鈍い音を立てる!!
「そこまで!!!」
ふう。
何とか勝利で収められたか。
相手が俺の事を探ろうと油断していたおかげで勝てたな。
不意をつけて良かった。
「流石だね、アレス君。」
「おっしゃあ!!ナイスだぜ!!」
「アレス、良くやったわ!!」
「また強く・・・なってる。」
ガルドが手を振り、グレンとリーナが満面の笑みで親指を立て、カナが神妙な面持ちで頷く。
「さて、皆、これで彼の実力は分かったな。会議室に戻り、話の続きをするとしようか。」




