護衛会議①
「おはようアレス君。よろしくね。」
「おはようございます。ガルドさん。」
いよいよ出発2日前だ。
今日は領主の館で俺とガルドさんパーティー、そしてダスティン家の護衛隊と会議に来ている。
本番の詳細説明などが有るらしいので、しっかりと話を聞いて置かないとな。
それにしても貴族直属の私兵か。
関係よく出来れば良いんだが・・・
「よお、アレス!お前もこの依頼を受けるとは思わなかったぜ!」
「おはようアレス。また一緒にクエストを受けることになったわね!」
「アレス・・・おはよう。」
「おはようございます!皆さん!」
グレンにリーナ、カナと全員から声を掛けられる。
皆集合するの早いな。
知らないイカつい人たちもいる。
けど、誰も彼も同じ紋章を付けている。
恐らく、護衛の人達だ。
あの紋章はダスティン家の物だな。
紋章・・・かっけーな。
ってか俺が1番最後か?
何かいつも最後に来てるような?
そんな事を考えながら、席に付く。
その時、ガチャっと扉が開き、1人の男が入ってくる。
「全員揃ったようだな。では、始めようか。今回のオルディア城塞都市までの護衛リーダーを務める。ガラハッド・ストーンだ。よろしく頼む。」
おお〜これまた強そうな人来たな〜。
ってかこの世界の戦う奴ってデカイ奴しか居ないよな。
身長だけじゃなく、体格も良いし。
「さて、皆も既に知っていると思うが、Bランクパーティーの鉄の牙のと、かのAランク冒険者、クラウス殿の弟子であるアレス殿だ。」
「あの鉄の牙か。ここで共に仕事をする機会が出来るとは。」
「確かに、強いパーティーだと聞く。優秀な冒険者からは学べることも多い。とても良き機会だ。」
「ずいぶんと若いな・・・」
「彼が?クラウス殿の弟子だと?」
「本当に大丈夫なのか?」
色々な言葉が聞こえるが、ガルドさん達ってやっぱ有名なんだな。
俺がギルドで絡まれた時も、名前だけでビビらせてたし。
「隊長、彼のランクは確かCランクでしたか?我々や、Bランク最上位に位置する鉄の牙について行けるのでしょうか?足でまといにはなりませんか?」
ぐっ!
痛い所を突かれたな。
公爵家の精鋭達とBランク上位パーティーの中にCランク、しかもソロのガキがいたらそりゃ心配にもなるよな。
この人の気持ちは分かるし、俺の実績が足りないのも事実なので何も言い返せないな。
「ふむ。確かにCランクではあるが、彼は新記録保持者でもある。実力は十分にあるはずだ。」
「確かに、それは凄い事ではありますが、所詮他より少し早くCランクに上がっただけでしょう。それなら、他のCランクに比べ、経験も少ないでしょうし、実力だって不確かです。言葉は悪いですが、襲撃など不測の事態があれば、邪魔になるだけです。」
「言い過ぎだぞ。言葉を考えろ。アレス殿、申し訳ない。私の部下が不快な思いをさせてしまった。後ほど、きつく処罰しておきます。」
おっと、なんか俺の事で揉めてるんだけど!
わざわざそんな事で罰を与えないであげて!
彼だって心配なだけだろうし。
「いえ、大丈夫で」
「横からですいませんが、アレス君は僕達よりも強いですよ。」
 




