挨拶①
「えっ!?この街を出るのか!?」
「ああ。」
1週間後にこの街を出るし、そろそろ挨拶しに行こうとエリック達の元へとやってきた。
エリックは俺の言葉に対して、驚きが隠せないでいる。
他のメンバーもだ。
「おいおいアレス!エルンスト様直々にクエストとかすげーな!!流石だぜ!」
「アレスともう会えなくなっちゃうの!いやよ!エリック!私達も着いて行こうよ!」
「マナ、落ち着ついて。」
「マナ、別に会えなくなるわけじゃないぞ?」
マナが暴走して変な事言い始めた所をセラが宥める。
ちなみにエリック達もこの街を出るらしいが、目的地は違う。
一度故郷の村に戻るらしい。
「そうだよマナ。今生の別れって訳でもないんだから。離れるのは僕も寂しいけど、僕達は冒険者だ。旅を続けてたら、また何処かで会えるさ!」
「そうだぜマナ!」
「それにアレスはしばらくしたらここに帰ってくるんだろう?なら会いに来ればいい。タイミングが噛み合うか分からないけど、手紙でも出せば大丈夫だろう!」
「うう。そうね・・・また会えるんだもんね。約束だよ、アレス。」
「ああ、勿論。」
俺だってエリック達とはまた会いたいしな。
「うん。じゃあ今からどうする?ご飯でも行く?」
「お!良いじゃん!最後に皆んなで飯行こうぜ!」
「私も行きたい!」
「ふふっ。私も行きたいですね。」
「アレスはどう?」
「俺も行きたいって思ってた所だ!行こうぜ!」
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「帰ったよ〜」
「おかえり。エリック達との別れの挨拶は済んだか?」
「うん。エリック達もこの街を一度出るみたいだよ。」
「そうなのか?」
「一回故郷の村に帰るらしい。」
「そうか・・・エルンストさんから護衛の事に関しての手紙が来てたぞ。そこに置いてるぞ。」
「お、ようやく来たか。ありがとう。どれどれ。」
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出発の2日前に、一度館へ来て欲しい。
鉄の牙達も呼んでいる。
ダスティン家の護衛隊を指揮している者達から、君達と相談したい事があるそうだ。
その際に詳しい事を教えてくれるとの事だ。
あと一つ重要な事を伝えるから、その時にも判断して欲しい。
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「どんな内容だ?」
「出発の2日前に領主の館に行って、護衛の人達と話し合えって。」
「詳細じゃないのか。」
「それは俺も思った。」
手紙で詳細を教えてくれるって言ってたのはどうなったんだ。
紙として残しておければ便利だったのにな。
口頭で言われて、覚え切れるか不安でしかない。
メモ用紙でも持っていこうかな?
紙自体はそこまで高くないし、今の俺なら金も余裕がある。
持って行った方が良さそうだな。
「明日は何かする事決まってるか?」
「いや、特にはないかも・・・あ、一応ギルドには行こうかなと思ってる。ブライドさんにも挨拶しておきたいし。今日も行ったんだけど居なかったから、会えるかは分からないけど。」
「ブライドはあまりギルドにいる事はないからな。ブライドのクランの場所を教えようか?クエストとかに行ってないなら、そこなら居ると思うぞ。」
「助かる。ありがとうクラウス。」
「これくらい気にするな。」
「いやいや、めっちゃ助かる。んじゃあそろそろ寝ようかな。ご飯食べすぎて眠い。」
「ああ、おやすみアレス。」
「おやすみクラウス。」




