なっがい列だな①
「今回の戦争に参加した方はこちらに来て下さい!報酬をお渡しします!」
「並んでください!!列を乱さないで!!」
「おいてめえ!!抜け駆けしてんじゃねえ!!」
「そうだそうだ!!」
「ちゃんと並べや馬鹿タレ!!」
「ダンジョンブレイクに参加した方はこっちでーす!!」
「・・・人多いな。」
「戦争の後はいつもこんな感じだ。俺達も並ぶぞ
。」
「確かに、早く並んだ方が良さそう。」
今は領主の館のひっろい庭に居る。
戦争が終結し、後処理も2日程で終わった。
その後、街に戻ると冒険者は職員によって領主の館へと誘導された。
そこには、大量の冒険者ギルドの職員が居た。
そう、厄介な事件が2つも同時に終わったため、それの処理や冒険者の対応に、今まで見た事も無いくらいの職員が出てきたのだ。
冒険者ギルドだとこの人数を相手に対応出来ない為、広い領主の館の庭を使っている訳だ。
「それにしても、本当に人多いな。」
「仕方ない。ダンジョンブレイクの対応に、ブラッドヴァルドとの戦争が重なったんだ。同時に終わった今、大量の冒険者が報酬を求めて冒険者ギルドに押し寄せる事になる。」
「冒険者ギルドじゃキャパオーバーだから、こっちにしたと。」
「それもあるが、一般の人に迷惑になるからな。」
「ああ、確かに・・・」
そう言って、視線を横に向ける。
「並べっつってんだろ!!」
「黙れ!俺に命令するんじゃねえ!」
「並ばない方はギルドカードを剥奪します!」
「は〜いごめんなさ〜い!並びま〜す!並ぶよ〜!ちゃんと見ててねえ!」
何を見せられてるんだ。
・・・なるほど。
確かにこれだと近隣住民に迷惑がかかるな。
「クラウスさん、アレス君!」
「ん?お、ガルドか。無事だったか。」
「はい。ギリギリですけどね。アレス君のおかげで無事です。」
「そうか。よくやったアレス。」
「ああ。」
ガルドさんも結構怪我してたけど、元気になったようで良かった。
「よお!アレス!お前の活躍はガルドから聞いたぜ!流石だな!!」
「やっほ〜アレス!君はやっぱり強いね!」
「やっほー。」
「!? 皆さんもご無事で何よりです。」
ガルドパーティーは全員生還したか。
良かった。
グレンも、リーナもカナも、久しぶりに会った気がするけど、誰も死ぬことが無くて良かった。
「リーナさんとカナさんは後衛ですよね?グレンさんはどこに居たんですか?」
「俺か!?俺は二番隊に居たぜ!アレスの所とは遠かったから、会う機会が無かったな!」
「そうですね。二番隊と三番隊は真反対に配置されてましたからね。」
二番隊だったか。
なら会わなかったのも仕方ないか。
「私達はアレスの事見つけたわよ!ね?カナ。」
「うん。」
「え、マジですか!?」
「マジよ!物資を補給しに来てたのかな?後衛に戻ってきてた時よ!」
「ああ、その時に。」
「そうよ!でも離れてたし、他の人と話してたから、喋りかけなかったけどね!」
「来てくれても良かったんですけどね。」
「そう?なら次から行くわね!」
「私も、行く。」
「ありがとうございます。」
こんな事はもう経験したく無いけどね。




