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不気味な動き②

「来たっ!」

「しつこいな!」

「迎え撃て!!」

「うおおおお!!」


現在、戦況は膠着状態にある。

初戦闘から、既に3日が経過している。

本来なら黒鋼騎士団オブシディアン・ナイツがいる為、1日も掛からずにブラッドヴァルド側に壊滅的被害を与え、奴らが撤退する。

しかし、今回は戦況が一向に変わらない。

戦力差だけで言えば、ブラッドヴァルドが圧倒的優位でグリスヴァルドを負かそうと全力で仕掛ければ、そこまで苦戦せず、既に占領出来ているだろう。

しかし、奴らは攻めては引いてを繰り返す。

そのせいで戦いが長引いている。


「アレス君後ろ!」

「!? うっらああ!! ありがとうございます!」

「皆!前に出過ぎだ!もう少し後ろに下がって!」

「隊長!助けて下さいっ!!」

「くっ!」


ガルド率いる三番隊は苦戦中だ。

一部の隊員達が分断され、敵軍に囲まれている状況だ。


「隊長!どうするんですか!?」

「くっ!あそこまでは行けない!下がって!」


そこそこ距離が開いてしまい、間にもブラッドヴァルドの敵兵は大勢いる。

今の戦力じゃ助けたくても助け出せない!


「ガルドさん!俺ならあそこまで道を開けられます!!」

「アレス君、気持ちはありがたいけど」

「このまま数が減ればさらに不利になります!助けられるなら助けた方がいいでしょう!!」

「・・・アレス君と僕で救出に行く!他はこのまま少しずつ下がり続けて!!」

「「「了解!!!」」」

「アレス君、行くよ!!」

「はい!!道を開けます!!着いてきてください!!」


一足先に飛び出し、分断された隊員達の元までに居る敵を出来る限り倒していく!

そのアレスの後ろをガルドが追従する!


「うおおおおおお!!!」

「ガキが!死ね!」

「ぐあああ!!」

「おい!早くあいつを止めろ!!」

「ここでしねええ!」

「ぎゃああああ!!」


アレス1人の進軍を止めることが出来ず、多くのブラッドヴァルド軍が倒されていく。

ガルドは後ろからアレスの戦いを見て、その強さに戦慄する。


強い。

強すぎると、ガルドは思った。

初めて会った時から、駆け出しにしては異様なまでに強かったが、今ではその比にならないくらい、強くなっている。

もう、自分やグレン達を抜かしているだろう位強くなっているだろうと。


ギイイイイン!!


「ガルドさん!」

「!? 任せてくれ!」


アレスの進撃が1人の男に止められ、激しい攻防を繰り広げている!

しかし、道は開けた!

ここからは僕の出番だ!


「うおおおおお!!」


声を荒らげ、自分の喝を入れる!


「ぐっ!」

「ぐああ!」

「隊長!!」

「皆!こっちへ!!」


包囲網に一つの穴を形成する!

そこから隊員達を逃がす!

殿を務め、自分もすぐに後ろへ下がっていく!


「アレス君!!下がるよ!!」

「はい!」

「おいおい帰っちまうのか?俺はあまり前に出過ぎるなって言われてるってのによ。まあいいお前は俺の獲物だガキ。次あったら逃がさねえぜ?」

「もうお前とは会わねえよ。気持ちわりい。」


アレス君が変なのに絡まれている。

いや、あれはアレスの進撃を止めた奴か。

これ以上前に出れない?

どういう事だ?


「ガルドさん行きましょう!!」

「あ、ああ!!」


ダメだ!

今は考え事をしている暇なんて無い!

元いた場所に戻れるまで、殿の役目を果たさなくては!


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