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死にかけ転移者、剣の才能あったので冒険者やってます〜成り上がり冒険譚〜  作者: 寒い
第1章 グレイヴァルド要塞都市

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隊長会議

「こんな事は今までで初めての出来事だ。どう対処するべきか。君達の意見を聞かせて欲しい。」


グリスヴァルド軍最後尾。

一つの部屋に今回の戦争に参加している代表者達を集め、緊急会議を開いた。

冒険者達の各隊長達。

軍の指揮を執る者たち。

そして今回のグリスヴァルド軍の総指揮官を担う、エルンスト。

とはいえ、全員を集めた訳では無い。

いつまたブラッドヴァルドが攻めてくるか分からないため、何人かは前線で待機してもらっている。


「単純に諦めた、という訳では無いないでしょうね。」

「だろうな。あんな有利な状況であいつらが引くとは思えん。そもそもあいつらに、有利や不利なんて関係無かっただろ。少なくとも今まではな。」

「ただ、だとしたら何故1度、軍を引かせる必要がある?本当に諦めていないと、何故そこまで言い切れる?」

「てめーはあいつらと戦争した事あんのか?」

「ない。しかし、他の国で戦争は経験した事ある。」

「ブラッドヴァルドは他の雑魚とはちげえ。やった事がねえってんなら黙ってろ。」

「何だと貴様!」


ガタッ!


冒険者達が騒ぎ出し始め、椅子から立ち上がり、殴り合いにまで発展しそうになる。


「騒ぐな。領主様の前だ。」

「・・・っち!悪かったよ。」

「君は誰だ!私に命令するのか!?」


兵の1人に注意を受け、言葉使いが乱暴だった男も方が落ち着き、喧嘩は収まる。

しかし、グリスヴァルドに来て日が浅いもう1人の男は、熱が収まっていないようだった。

本来、冒険者と軍の仲は、大抵が良くない関係。

いがみ合っている関係だ。

しかし、グリスヴァルドは何度も共に戦争を経験しているため、長い間住んでいる冒険者は兵達と面識がある場合が多い。

そして味方として、共に戦場で戦っているため、良い関係になっている時が他に比べ、圧倒的に多い。


「兵である君が、冒険者の話し合いに首を突っ込むな!!」

「騒ぐなと言ったはずだ。次はない。」

「何度言わせる!お前の命令に従う気は」


ヒュッ!ドゴッ!!!


「ぐべあっ!!」


男のあまりのしつこさに、注意をしていた兵が、男を殴り飛ばし、部屋の外まで連れて行っていく。


「エルンスト様、こやつはこの会議には必要無さそうです。放りだしても宜しいでしょうか?」

「ああ、構わん。」


ドサッ!


気を失った男が1人、部屋の中から放り出される。


「さて、話が逸れてしまったが、もう一度考えてくれんか?」

「「「・・・」」」


一連の出来事に対して、グリスヴァルドに来てから日の浅い冒険者達は唖然としている。

何か問題を起こせば、外に出されるから?

そんな事ではない。

仮にも隊長を務めていた男を、軽々と勝った兵に対してだ。


「ブラッドヴァルドの奴らはまた攻めてくる。撤退なんてしちゃいねえ。俺はそう思うね。」

「・・・僕もそう思います。意図は分からないけれど、全体で見れば被害も少なく、成果も大して出せてないのに、戻るのはおかしいかと。」


ガルドの発言を皮切りに俺も!わしも!私も!と皆が賛同していく。


「確かにその可能性が高いな。とりあえず、しっかりと森を見ておくように指示を出そう。攻めてきた場合、君達にはすぐに迎撃に向かってもらう。君達はこちら側の主戦力だ。死ぬなよ。」


エルンストが指示を下し、今後の動きについて話し出す。


「長期戦になるだろう。チーム毎に睡眠を取っておくようにしろ。全体の1/10ずつ後衛で休憩を取らせる。そのため、各チームの隊列も変える。まずは・・・・・・」


この会議が終わるまでに、1時間ほどかかったが、その間も依然としてブラッドヴァルドが動き出す様子は無かった。


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