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予言の子

予言の子

神聖国アースタリア、神子の間。


 そこには1人の少女と思わしきものが鎮座していた。


「神託が降りました。東のオフィヨルド王国にて邪神の子が産まれました」


 そう静かに少女は告げた。


 どこからともなく年老いた男性が現れる。


「神子さま、それは本当でしょうか?新たな魔王なのではなく、邪神とは?」


 顔面蒼白な老人が、神子に聞き直す。


「まことです。すぐにオフィヨルド王国へ諜報員を送り込み赤子のうちに滅するのです」


「ははっ、すぐにその邪神の赤子を発見させます」


「よいですか?直ちに滅するのです。でなければ、人類が滅亡します。よいですね?」


「ははっ」


 そう老人が答えると足早に神子の間か立ち去って行った。


「・・・直ちに滅するのです・・・」





 



 はい、オレです。


 日課の魔力循環も終わってステータスを見てみるとなにやら物騒な文言が追加されているのが分かった。



 名前  アイン

 年齢  0才

 クラス 銃神

 スキル 銃神lv1

     言語理解

     魔力循環lv2

     肉体強化lv1

 称号  銃神

     グランフィル伯爵家の捨て子

     邪神認定の子



 なんじゃい、邪神認定の子って。

 これもしかして討伐対象になったりするのかね。

 ステータスを仮に見られてもオレのは日本語で書かれているから、他の人には読めないだろうけど気分的にいい物じゃないね。


 生後すぐに捨てられて今度は邪神認定で誰かに命狙われるとか冗談じゃないよ。


 取り敢えず、あれからまた四カ月たってオレはヨハンや団長、他の団員にもバレないようにハイハイから捕まり歩きを経てようやく歩く赤ちゃんへと進化した。

 食事も離乳食だ。山羊ミルクは当分見たくないよね。


 トイレもおまるに座って出来るようになった。

 言葉も怪しまれない程度に単語を選んで話している。


 完璧な成長する赤ちゃんだ。


 情報収集もバッチリだ。


 今現在、黒翼の団が居るのはグランフィル伯爵領の領都グランフィルらしい。

 傭兵団と言ってもやってる仕事は普通の冒険者と変わらないってヨハンが喋っていた。

 大まかに分けて対人が傭兵で対魔獣が冒険者と呼ばれる組織集団らしくそれぞれギルドがあるらしい。

 ますます、RPGの世界だ。


「ただいまー、アイン。いいこにしてたかい?買い物終わって来たよ」


「よはん、よはん」


「ははっ、アイン。いい子だね、すっかりボクの名前覚えて」


 ヨハンが帰って来たので、愛想を振りまいておいた。


 愛想を振り撒くのはタダだ。やっておいて損はない。


「ヨハン、アインはどうだ?」


 団長もやってきた。


「だんちょ、だんちょ」


「おお、アイン元気にしてたか?」


「団長、今朝アインに会ったばかりでしょ」


「はははっ、そうだったな。ヨハン今日はキノコ取って来たぞ、これを食おう」


「はいはい、わかりましたよ。いま、スープにしますね。そうすればアインも食べれるでしょ」


 スープは30分もすれば出てきたが、なにか嫌な予感がする。

 じっと神眼をスープに使ってみる。すると・・・



 毒キノコのスープ、食えば死ぬ



 マジか!団長のやろう毒キノコ取って来やがった!


「ほら、アインあーんしろっオレが取って来たキノコだぞ〜」


 全力で拒否するぅぅ!


「変ですね、いつもならすぐ食べるのに」


「ヨハン、おまえはスープを食ってろ。アインにはオレが食わせてやる。好き嫌いはダメだしな」


 ぐぉぉ、団長がスプーンをオレのほっぺたに押し付けてくる。

 しかし、ヨハンが毒キノコスープを食べそうだ。

 いかん、2人は命の恩人なんだ。こんなことで命を落とさせるつもりはない。


 ヨハンが今かと毒キノコスープを口に運び込もうとしたとき、オレは無意識に身体強化を使いヨハンのスプーンを持つ手を払いのけた。


「よはん!たべちゃ、らめ!!」


 バシッ!



 やべ、やってしまった・・・


「「ア、アインがしゃべった!!」」


 やってしまったなぁ・・・


 

 


 


 

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