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愛の庭と呼ばれる街の物語  作者: 黒うさロボの「ブー」
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*◇ 愛庭獣 ◇*


 愛玩用に作られた筈のロボットのぬいぐるみは小さい子供の身丈ほどある。


 ぬいぐるみロボは身振り手振りをしながら、ふたりに言った。


「《ザット、そしてアヤナ。あなた達はシェリンのために選ばれた》」


「「夢の中の?」」


「《そうなのです。シェリンは精霊族、そして人間とのハーフ》」


「それが何?」とザット。


「《人種として『フィード』と言われる彼らには、『愛庭獣あにわじゅう』がいます》」


「ラブ・ガーデン・ビースト?」


「聞いたことがある。ビーストじゃなくて『スピリット』って言われることがあるって」


「《なるほど、その何故か知っていると言う事実が、あなたたちの選ばれた理由だ》」


「「なぜ?」」


「《シェリンはあなた達の魂の親戚。そして愛庭獣は『ヴィジョン』の中にいます》」


「「・・・聞いたことがある・・・?」」


「《愛庭獣と主人は対で生まれて、死ぬまで共に生きる。しかし――・・・》」


「「しかし?」」


「《姫であるシェリンに嫉妬した者たちは、愛庭獣を彼女から引き剥がした》」


「そしたらどうなるんだ?死んだのか?」とザット。


「《いいえ、昏睡状態。おそらく愛庭獣は、『ヴィジョン』の中にいるのです》」


「それで・・・私達が選ばれた、って言うのは・・・どういうこと?」


「《愛庭獣が見えて聞こえて嗅げるのは特殊な体質》」


「「なるほど・・・」」


「《おふたりには、ぜひ現実逃避のためにご協力を願いたいのです》」


「「・・・現実逃避?」」


「《『ヴィジョン』の中は、まるで仮想現実。きっとおふたりは無事に帰ってこれる》」


「「・・・ほぅ・・・」」


「《冷たいお飲み物なんかはいかがです?》」


「「いただく」」

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