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俺は世界の仕組みが不思議なんだ

作者: セロリア

デブ。


不細工。


低身長。


眼鏡。


あそこも小さい。


そんな俺は魔法使いであり、錬金術師であり、鑑定士である。


ここは異世界、魔法と、剣と、モンスター、魔王、勇者が存在する世界。


俺は幼い頃から膨大な魔力故に魔力を測る機械では測れず、魔力ゼロとして、両親に捨てられ、森に住む賢者に拾われた後、100年後、賢者からエルフの森に預けられ、そこで1200年暮らした。


その後、エルフの森が魔王軍に焼かれ、魔王軍に拾われた俺は、魔王の側近の赤ん坊として育てられた。


いつまでも成長しない俺は、代々魔王の元で育てられ、15代魔王の時に何故か成長し出したらしい。


そう聞いてるだけだが。


そして醜い、容姿に育ち、15、16歳くらいの容姿になった時、15代魔王に反抗的な態度を取り始め、壮絶な親子喧嘩をし、魔王を殺した。


そして俺が暫く魔王をやったが、直ぐに飽きた。


元々人間だった俺を疎ましく思っていた連中は魔界から出ていけのコールの大合唱。


こっちから願い下げだと、人間界に帰ったのが200年くらい前。


今は人間界で仕事もせず、毎日ブラブラ散歩したり、花畑で寝たり、ドラゴンより強いユニベルユニコーンと一緒にじゃれたりしてる。


そんな俺は体の栄養は空気から取れるし、水も空気から取れる。


しかし、人間の体は使わないと退化してしまうようで、以前それで痛い目みたから、なるべく食べたり飲んだりしないといけなくて。


だから、野菜、果物を自分の家の内側に生やして、肉は店から買っている。


お金は金を生成し、鉱山市場で売っている。


海から金は沢山作れる。


まず、テレポートで海へ行き、海水を無限収納袋へ入れ、それを家に持ち帰り、家で金を生成する。


たったこれだけ。


花畑の丘に建てた小さな家。


そこがまた良いんだ。


空気は旨い、水は魔法で出すから別に要らないけど、なにより良い気が循環してる。


ここから深い谷を抜けると魔界だが。


まあ魔界の玄関みたいなもんだな。


時々通る魔界の奴が、花畑が気に入らないらしく、焼こうとするんだよね。


ふざけんなとエグいげんこつをかますと大抵泣きながら帰っていくよ。


まあ、んな訳で今日ものんびりハーブを摘んで葉っぱを乾燥させ、香ばしい香りと一緒に甘いケーキを焼こうかー・・。



と思ったのだが・・。


赤角が二本の白い肌、金色の瞳、青白の長髪の女の子が家のドアの前に座っている。


俺「あー・・えっとー・・誰?」


女の子「・・吸血鬼の元祖」


俺「あー・・今は・・太陽が出てますが?」


女の子「・・私には弱点は無いの」


俺「・・んで?・・何か用?」


女の子「私、一生に一度の繁殖期に入ったみたいなの、吸血鬼はずっと寝るから、そんな事する暇なくて、だから、明後日の満月から100年後の満月までが私の繁殖期、それを逃せば、私には子供が出来なくなるの、あなた、強いから・・」


俺「100年間あるなら大丈夫だろ?他に探せよ」


女の子「吸血鬼は何回も妊娠出来ないの!一生に一度だけなの!残せる子孫は一人、もしくは、一卵性の二人か三人」


俺「・・」


女の子「・・どうせなら、強い子孫が良い、吸血鬼は妊娠して、産むまでに10年はかかるから」


俺「俺はロリコンじゃあない、帰れ」


女の子「し、仕方ないじゃない!私だってもっと体が成長してからって思ってたわ!でも・・これが私の体の成熟体型みたいなの・・仕方ないじゃない」


俺「・・」


女の子「・・」


俺「つかいきなり妊娠をせがむ女ってどうよ?」


女の子「・・う、うるさい、何か用かと訊かれたから」


俺「・・」


女の子「・・」


女の子「種が無きゃ、・・子孫は出来ないわ、種が欲しいの」


俺「・・」


女の子「・・」


俺「種か・・勇者か、魔王の種は?」


女の子「魔王より、あなた強いし、勇者にとって、私は敵よ」


俺「まあ・・そりゃあ・・そうだわなあ・・」


女の子「・・やっぱり・・駄目?」


俺「・・う・・・・ひ!卑怯だぞ!そんな潤んだ目で見るな!」


女の子「・・私、力強いから・・普通の人間となんて出来ないし・・勇者となんて・・無理だし・・魔王・・弱いし・・」


俺「あ!同じ吸血鬼の男とすれば?」


女の子「吸血鬼同士は天敵よ、部下をまとめる長でしかない私らは、A部下と、私の部下を合併するしかなくなる、でもそれじゃ、餌を分けなくてはならなくなるわ」


俺「・・」


女の子「餌は、採りすぎても駄目なの」


俺「・・」


女の子「・・」


俺「大変なんだな、吸血鬼も」


女の子「うん」


俺「お前の部下らは納得してんの?」


女の子「私の意見は絶対だから」


俺「そうか・・まあ、人間も・・増えれば良いって訳でもなあ・・無いからなあ」


女の子「そうなの!人間は増えれば増えた分だけ傲慢になり、魔物を絶滅するまで狩り尽くすわ!そうなれば、この世界は終わってしまうのに・・魔物が居なくなれば空気中の魔力もなくなる、魔力がなくなれば、火、水、雷、土、緑が無くなり、やがて何も無くなる」


俺「まあ、うん、それには気づいてた、だから俺は魔物はあまり殺さない」


女の子「うん、知ってる、貴方にげんこつされて帰ってきた、なかなか強い魔物達の話を聞くの、私、好きだった」


俺「必要が無いモノは何も無い、必要だから有るんだ」


女の子「そうよ、その通り!やっぱり私の見込んだ通りの男だわ、貴方!・・んねえ・・良いでしょう・・?」


冷たい手で俺を触って来た。


俺「うわ!冷た!」


女の子「・・直ぐにこの冷たさが癖になる・・わ」


耳たぶに息。


俺「うひゃい!?」


女の子「・・ああ・・やだ・・貴方・・見た目とは違う・・良い匂い・・はああ・・ん・・・・ん・・んはあはあああはああ」


勝手に朝から玄関先で興奮する女の子。


俺「ち、ち、ちょっと!ちょっと待って!ちょっと待ってって!」


女の子「・・駄目・・待てない・・〈シュル、シュルル〉」


白い肌が薄いピンクに変化していく。


女の子「ん・・」


指を舐める。


俺「ひいいい!発情期恐るべし!〈シュババ!〉」


逃げた。


女の子「あん!?ま・・待ちなさい!!」


追いかける。


俺「す、少し考えさせて!な!?頼む!少し考えさせてえ!」


女の子「てんめえ!待てこらあ!!少し寝てるだけで終わる作業だぞ!?何を考えるってんだゴラア!!」


俺「年齢が出てる!!お前今年齢出てるからあ!!さっきまでの上品さはどこ行ったあ!!」


女の子「うっせえ!!デブハゲチビがあ!!さっさと種よこしやがれえ!!」


山姥並みに四つん這いで追いかけて来る。


俺「ひいいいいいい!!!!化け物おお!!」


女の子「私より強いお前には言われたくないわ化け物があ!」


俺「ひいいいいいい!嫌だあ!!俺は普通の人間としたいんだああ!!」


女の子「!!」


ピタリと止まった。


俺「?」


振り返る。


女の子「・・酷い・・」


俺「あ・・いや・・」


女の子「・・帰る」


俺「・・」


女の子は飛んで帰った。





俺は良く良く考えても、やはり、吸血鬼との子供は作らない方が良いと結論がついた。


俺は強いと自覚してるし、あの吸血鬼もなかなか居ないくらい強いのは確かだ。


現存する吸血鬼より更に数倍強い吸血鬼が誕生する。


それは、最悪な結果を人類にもたらす。


その最強の吸血鬼が人類を滅ぼすという事にもなりかねない。


俺はやはり正しい判断だったと、自分に感心した。


よくぞ欲望に負けなかったと、自分を褒め称えた。




それから80年が過ぎた。


街に出ても。


祭りを見物しても。


恋人祭りを見物しても。


虚しい。


虚しいだけ。








俺を求めてくれる女性は・・皆無だった。


そして俺より皆先に死んでいく。


老いていく。


花屋の看板娘も気づいたら孫がいた。


ラーメン屋の看板娘も気づいたら子供を連れていた。


街に出かけ、好きになった女性達は。


皆。


自分の事は視界にすら入らないようだった。


そして皆。


お墓に入っていく。


俺「・・」


適材適所という単語の意味を調べた。


パズルの話だ。


あるべき場所にある事が、そのピースにとって幸せなのだろうかと考えた。


90年後。


吸血鬼の女の子が現れた。


玄関先で。


魔剣を持って。


綺麗な満月夜に、花畑に立つ毒の青い花は、美しいと思った。


女の子「・・私が勝ったら・・私と結婚しなさい!」


俺「・・強くなったな・・修行したのか?」


女の子「解る?、そうよ、貴方を 〈ビュン!〉振り向かせる為!」


俺「・・・・(今なら解る・・子供だったなあ・・俺・・) 良いだろう!受けよう!」


女の子「せああああ!!」


俺「ふん!!」


死闘が始まった。



























女の子の下に俺が倒れた。



女の子「・・はあ、はあ、・・・・わざと負けたわね?」


俺「・・敗けは、敗けだ」


女の子「・・今日は・・寒い?」


俺「・・」


女の子「・・」


俺「・・いや、・・今日は・・暑い」


女の子「・・・・許可を・・頂戴」


俺「・・ドSだなお前」


女の子「ふふ・・」


俺「・・」


女の子「・・」


俺「・・ああ、良いよ」


女の子「・・じゃあ・・」


女の子がお腹の上から下に移動していく。


俺「ん・・ん、・・んん」


女の子「・・」


俺「ん・・はぐ!・・ん、んふ!・・は、・・んはぐ・・んん」


女の子「さあ、吸い尽くすわ、頂戴ね?」


俺「・・はあ、はああ、・・・・んんぎはぐ!!」


花畑で女の子の影だけが座り揺れていた。















翌朝。


俺「・・」


げっそり。


女の子は気絶している間に消えていた、恐らく魔界に帰ったのだろう。


俺「あの吸血鬼いい・・本当に底まで持っていきやがてえ・・歩けねえ・・んくはあ・・」


腰がガクガク。


這って家に上がり、ベッドに泥だらけのまま寝た。


俺「雄って・・弱いなあ・・」











2日後。


目が覚めた。


魔力、気力、体力が半分は戻っただろうか。


俺「ふう・・本当に死ぬかと思ったぜ・・さ!ハーブ茶でも飲んで、ご飯でも食べるか!」


執事「おはようございます旦那様」


俺「・・誰?」


執事「これは失礼を、私、吸血鬼の始祖、バーテン・テナトリナ・リザブルド・ソフィリナ様の側近執事であります、リブと申します、以後お見知り置きを」


俺「ん・・それで?」


執事「この度、外れましたので、私が調理担当となりまして、ほほ!お任せください!旦那様の子種を数百倍の強さ!数にして差し上げます!必ずやこの崇高なる任務!完遂させてみせますぞ!ははははは」


俺「外れ・・たって・・まさか・・」


執事「はい、未だ、子供は出来ておりませぬ」


俺「ま・・また・・また!?また あ れ を やれと!?」


執事「はい」


《ブボ!!》 走って逃げた。


俺「死ぬ!、絶対死ぬ!絶対に・・死ぬう!!」


また家に帰って来た。


俺「あれ?」


執事「ああ、言い忘れておりました、貴方が気絶している間に少し脳に細工をしようと思いましたが、反作用の罠が仕掛けられておりました故、仕方なく、この家周辺の空間を弄らせて頂きましたほほ」


俺「・・そんな魔法・・この俺に・・」


執事「いけません無理に解析しようとすれば、この花畑は消滅してしまいますよ?」


俺「うく!?」


執事「貴方は花畑を大変に気に入っていらっしゃいます、ねえ?」


俺「〈ゾク〉 (この執事・・できる!・・強さは並・・しかし・・戦略に関しては・・天才か!)」


執事「さあ・・まずはマゴンという昆虫を召し上がれ?その後ビゾバゾという蛾の幼虫、次いでハラミニという花の液のスープ、それから」


俺「・・い・・いや・・」


執事「何を仰いますか!!ソフィリナ様との決闘の約束!お忘れですか!?」


俺「うぐう!?」


執事「さあ・・」


俺「・・いや」


執事「さあさあ!!」


俺「いやだ・・」


執事「さあさあさあ!!」


俺「いやだああああああ!!」














〈チーン〉


俺「吐きそう・・うっぷ」


執事「お粗末様でした、ほほ」


俺「・・嬉しそうだな」


執事「ほほ!それはもう!!ソフィリナ様の一生に一度の繁殖期!!普通は出来るだけ強い人間の雄を娶るのですが、今回は!我がソフィリナ一族始まり以来の進化の種!ほほ!特別なのですよ、貴方様は!ほほほほ」


俺「怖くはないか?」


執事「・・」


俺「最強の吸血鬼が産まれたとして、暴君になったらどうする?」


執事「・・そうですなあ・・暴君、結構じゃないですか!」


俺「・・」


執事「・・それに我らがこうなる事は、貴方がこの世に生を受けた時には決まっていたこと、今更怖がる等愚の骨頂、2000年程遅いというモノです、ほほほほ」


俺「・・ふふ・・まあ、そうだな」


執事「さあ、お風呂に入ってください、湯は沸かしてあります、口直しに人間が好きなオレンジを絞りました、それを飲んでからどうぞ」


俺「お、悪いな」














風呂上がり。


誰も居ない。


俺「ん?リブ?・・執事?・・ん?・・帰ったのかな?」


寝室に入る。


俺「しかし・・あの料理・・なんか・・寝れんな・・んん」


ベッド横ソフィリナ「ふううー」


耳に息。


俺「ひゃにいいいい!?お、おま!?嘘お!?まだ早い!!まだ早いってえ!!昨日!!昨日だぞお!」


ソフィリナ「うるさいわねえ、この!」


布団の中に手だけを入れる。


俺「痛い!」


ソフィリナ「なあにい?こ れ は?」


俺「いや、これはあの料理のせいでひくみってい!」


ソフィリナ「ふうん・・で?これを・・どうしたい・・の!」


俺「んぎいい!!いったい!痛い!痛い!」


ソフィリナ「我慢するの?・・それとも・・はあああああ」


布団に潜っていく。


俺「あ!ああ!やめ!ちょ!!いやだめ!!うそ!そんな!そこきたな・・う!!えは!うほ!?・・・・くう・・うえは!」


布団だけが盛り上がり、動いている。


俺「だ・・だめだっ・・てひきっ・・くは!?・・はっ?・・ぐうふぅぁおほ!?おおお!」


ソフィリナが隣で顔を出した。


ソフィリナ「今度こそ・・今度は容赦せんぞ」


俺「ソフィリナ、俺、まじで死ぬ、今日は、な?勘弁してくれ!頼む!な?」


ソフィリナ「・・」


耳を舐めまくる。


俺「ちょ!はな・・せ・・く」


怪力、離せないし、力が入らない。


ソフィリナ「お願いしますは?はあああああ」


俺「いや、・・く・・待って・・ちょ・・は・・く」


30分後。



俺「お・・・お・・・・おにいぎいしゅはすふぅぅ」


ソフィリナ「ふふ、はあい、はあああああああ」


また潜っていった。


俺「お・・お・・・・お・・お・・お・・・・お・・」
















翌朝。



執事の応急処置により、命は助かった。













3日後。


当たり判定。


魔界からソフィリナ一族の幹部らが勢揃いの花畑テーブルパーティー。


デブだった体が見違える程にげっそりになった俺を見て、皆驚く。


ソフィリナは今日から繭に入るらしい。


ソフィリナ「本当にありがとう、・・愛してるわ、あ、な、た!」




俺は複雑な気持ちなまま、魔界に帰る皆を見送った。




普通の食事にも戻し、暮らしも元に戻った。


変わったのは、体型、それから、魔力、気力、体力。


一気に老けた。


老人とまではいかないが、20代の姿から、一気に50代の姿へ。


不思議なもんだ。


しかし、まあ、今年で2010歳なのだ、十分長生きだ。






ソフィリナが昼間に執事6名を連れてやってきた。


ソフィリナの腕の中には可愛い赤ん坊。


男の子だという。


ソフィリナ「・・老いたわね、ごめんなさい、私のせいよね」


俺「そうだな、でもまあ、気にするな、まさか俺が父親になる日が来るなんて・・感動してるよ・・抱いて良いか?」


ソフィリナ「もちろん!ほら、パパですよ」


赤ん坊が匂いを必死に嗅ぐ姿に胸が苦しくなる。


俺「・・・・はは・・・・駄目だ・・何故だ・・・・・・・・・・・・・・・・・・泣いてしまう」


ソフィリナ「・・本当にありがとう、ありがとうございます」


赤ん坊を真ん中に、二人抱き合う。


花が舞う、昼間に、親子三人の涙笑顔の姿を、リブが写真を撮った。



魔王の人間界への侵略は花畑とは別方向から着実に進行していた。


魔王とソフィリナとは何の繋がりもない。


魔王=魔界の総意ではない。


しかし、人間はそうは思わなかった。


花畑から魔界へ進行し、全ての魔族を滅ぼすべし!


それを掲げ、魔界への進軍が始まった。


ソフィリナの実家は花畑からさほど離れていない場所にあるという。


俺「へえ!じゃあ、結構遊びに来られるね!」


ソフィリナ「はい!」


赤ん坊「うー、うーうぅー」


俺「そうかあ!お前も遊びに来たいかあ!んー?」


赤ん坊「きゃ、きゃ」


ソフィリナ「あははは」


執事8名が現れた。


ソフィリナ「何事ですか?」


リブ「人間らが、魔王のせめくに耐え兼ね、魔界へ進軍を開始したと報告が入りました、ルートは二つ、一つはラウムネ山脈、そしてもう一つは・・」


ソフィリナ「ここですか」


リブ「・・はい」


ソフィリナ「解りました、急ぎ皆に伝え、魔界のシトリグへ避難します」


リブ「はは!」


俺「・・ソフィ!俺は・・どうすれば良い?」


ソフィリナ「・・出来れば、貴方と、この子と一緒にいたいけど、私達は魔界の空気を時々でも良いから吸わないと生きて行けないの、この子もそう・・」


俺「だったら!俺が!俺が魔界へ行く!それなら!」


ソフィリナ「駄目・・私達の立場が危うくなる、私は部下達の事も考えなくてはならないから・・ごめんなさい」


俺「・・魔王は、魔王も魔界からは長期間は出られないのか?」


ソフィリナ「・・うん、魔王でさえも、例外はないわ、住み分けがそもそも絶対に成り立ってるのよ、ただ、少しだけ、私達魔人に有利なだけ、でもいかに魔王といえど、1ヶ月くらいしか人間界には居られない筈よ」


俺「人間達は、それを知らないのか?自分達が魔界に入ったら息が出来ないって・・」


ソフィリナ「・・恐らく、知らないでしょうね、あまりにも大戦から経過しているから・・伝わっていたとしても・・嘘みたいな伝説だと思ってるんじゃない?」


俺「俺がその情報を人間界に届けるよ!」


ソフィリナ「・・そう・・頑張って」


俺「?・・お、おう?」


リブ「さ!お早く!」


ソフィリナは魔界へ帰った。










結論から言おう。



魔王は影武者だった。


魔王は魔界から外へは出てはいなかった。


影武者は苦しみ、死んだそうだ。


花畑から魔界へ進軍した人間達は俺の言う事を全く信用せず、進軍していった。


進軍して1時間程で目眩、吐き気、だるさに襲われ、2時間程で痙攣し、死に至る。


俺は・・何者なのだろう。


何故俺は魔界でも、人間界でも、普通に生きられるのか?


答えは出ない。


それでも。


住み分けの認識がまたお互い出来て、今は平和が続いている。


赤ん坊はまだ赤ん坊のままだ。


あれから200年経過したというのに。


ソフィリナは子供を産んだ後は10年ごとのペースで一歳分歳をとるみたいにしわが目立ってきていた。


そして、俺より先に逝ってしまった。


俺も歳をとった。


赤ん坊はまだ赤ん坊のままだ。


もしかしたらー・・。


魔界でも、丁度良く目覚める 女 の 子 が居るのかも知れないと、今日ふと思った。


そろそろお迎えが来る。


じゃあな。










1300年後。


エルフの森で拾われていた赤ん坊が寝ている。


赤ん坊「あーうーあー」


育て母役「んー?どうしたのー?はいよー、よしよし」


赤ん坊「う、ううー〈ドックン、ドックン〉」



終わり。


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― 新着の感想 ―
[一言] 詰まるところ主人公である男も自分の子供と同じような出自だったって事なのかね?
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