~Call of journey~
旅に生きる少年のアイデアを何とか形にしようとここなろうで連載する事を決意しました。
書き溜めはしていないため、不定期更新となります。
所々にアニメやゲームなどの影響を受けた部分が出てくると思いますが、それらはリスペクト、偶然被っちゃったという事で、決してパクりではございません。
まぁ、こんなのが単行本化する事もないだろうから気にしても無駄か。
序章 旅の始まりの始まり。
私は自分の家の屋根の上で、夜空に瞬く星を眺めていた。一つ一つの輝きを見つめ、かつて私の母が私に話した事を想い返した。この空に広がる星の話を。
この星の輝きは言わば命の輝き。私たちがいるこの世界と同じような世界が宇宙の向こうに在り、そこに住む者達も私たち同様に生きているのだ、と。
だが、私はそうは思えない。今見ている星と、眼下に広がっている火の海を見れば分かる。これは命の輝きなどではない。~魂の散華~言い表すならばこれが妥当だろう。今輝いている星と燃え盛る炎に何の差があるのだろうか?
暗く消えかかっているようにも見える小さき星の輝きと消えゆく火の粉。これにどんな違いを見出せるだろうか?どちらも、いずれは消えゆく運命。私の母はこの光を生と捉えたが、私は死と捉えた。
「大きな炎が点いたり、消えたりしている…。戦争はまだ命を散らさないと気が済まないようだね。」
私は今度は空ではなく地面に目を向けて言った。私があれを死と捉えた理由がそこにあった。魂の散華は相変わらず終わることを知らない。というのも今私の住む国は戦争中だ。どこの国と争っているのかは知らないがまだ終わる気配が無いのは確かだ。
戦争というのは人の魂を喰らう化け物だ。そしてその化け物を操るのは私とおなじ人であるのだ。化け物が魂を喰らい続けているという事は私たちの魂を欲しがっている人間がいるという事だ。そんな人間どもに私の両親は殺されたのか。何と哀しい事か。そしてその人間は私の両親の命だけでは飽き足らぬと言った様子だ。
未だに燃え続ける町を見下ろして私は考えた。もう、この国から出て行こうと。そしてどこの国にも属さぬ人として在ろうと決めた。父と母の様に人の犠牲とならぬため、私の命を終わらぬ戦争へと捧げぬため、そして私自身が全てから自由になるため。私は屋根から飛び降りた。
それが私が旅に生きるものとなったキッカケであり、旅の始まりだった。思えばあの時から旅の呼び声というものが聞こえていたのかもしれない…。
少年の名前は次の章で明かします。ですが、大して格好良くない名前であるとだけここに書いておきます。
彼が旅に出ようと決心したのは親の死も関係していますが、彼自身が冒険好きな性格でもあるからなのです。そのタガが外れたのが両親の死とは何とも皮肉な話ですな。
ここにはネタバレにならない程度の裏設定や解説を入れていきます。
それではまたの機会に…。