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ハーメルンの笛吹男

作者: るゐ

ちょっとブラックかもです。

読んで頂ければ幸いです。

ハーメルンは汚い

・・・・・

ネズミたちがうようよしている。


メリッサは言った。


「こんな場所、イヤよ!ゴミだらけでネズミが出るし。」


マークはうなずく。


「殺しても殺しても、ネズミはいなくならないな。キリがないや。」







それを物陰から聞いていた、男が1人。


男はつぶやく。


(このままでは、このままではダメだ。何とかしなくては、、、)






何日か経ったある日、ハーメルンの有力者の家に、訪問者か1人。


帽子を目深に被った男の、表情は読み取れない。



有力者は招き入れ、用件を問う。


「なんの用だね?」


男は言った。



「ネズミを全て、殺してやろう。報酬は貰うがね。」


有力者はにやり、と笑う。


「いいだろう。その代わり、一匹残らず始末してくれ。」






それから数日経った後、


ハーメルン近くの川で

・・・

大量のネズミの死体があがった。





そして、男が再びやって来た。


「約束通り、報酬を頂こう。」


有力者はゆっくりと立ち上がり


男に近づく。


「なんとお礼を言ったらいいか!ありがたいことだ!」


そして、ゆっくりと


手をのばして


「でも、一匹、残してるぞ?」


と言って、男に


鈍く光る物の、先端を向ける。


男は何か呟いて、踵を返して立ち去った。







メリッサとマークはそれを見ていた。


彼らの顔には


深い絶望と諦め、それから


男に対する好奇心。


何とも言えない顔をして


彼らは黙って見つめてた。





屋敷を出ていく男をつけた。


どこまでも、どこまでも。


すると、ある時、男が振り返る。


「君らはどうする気だ?」


二人はにこやかに笑って、


物は言わなかった。





その晩、ハーメルンから


子供の姿が消えた。


男の姿も消えた。


そして、有力者の死体が川からあがったのは


無かったことになった。






読んで下さってありがとうございました。

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