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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやな海上戦

マドックさんとの話し合いも終わり、夜になる。護衛の為、夜の6時間程を見回りする予定だ。


「にしても、坊主がマドックさんの子供とはな。今頃ギードの街は大騒ぎたぜ。」


楽しそうに声を掛けてくるのは船員で夜勤対応中のサルサさん。かなり年配の方で50を過ぎているとは思うが動きを見る限りまだまだ現役みたいだ。

船員の中で1番最初に声を掛けてくれた人で自分に良くしてくれている。


「あいつの子供なら俺の孫みてえなもんだ。何でも分からない事があるなら言ってきな。」


まさにおじいちゃんである。精神年齢は同じくらいの筈なんだが…


「サルサ爺ちゃん。夜の警備で気を付けないといけない事って何?」


サルサさんが喜ぶのでこの呼び方にしているが中々きついものがある。サルサさんは若干考えたものの「天候だな。」と断言してくれる。


「夜の海ってのは昼に比べて圧倒的に分かりにくいからな。風や星の輝きなんかで判断しなけりゃならねえ。何か少しでもおかしいと感じたなら俺に報告しな。」


それだけ言うとサルサは見回りに行った。こちらも別の場所に見回りに行こうとした時、[第六感]と[危険察知]に反応がでる。長弓を用意し反応があった場所に向かうと、船から300m程離れた所から反応がある。[遠視]と[暗視]でその場所を見ると波の間から背びれが見える。かなり大きい魔獣の反応だ!


「敵襲。魔獣だ、かなり大きい!」


それだけ叫ぶと、弓を番える。大きな背びれは急速にこちらに向かって来る。後100mという所で弓術[螺旋矢]を発動。背びれの間近を狙う。[螺旋矢]は矢が名の通り矢が螺旋状に回転しながら飛んでいく技で射程が落ちる代わりに貫通力が上がる弓術スキルの技である。矢は狙い通り背びれの手前に刺さり血飛沫が跳ねる。それと共に魔獣の頭が飛び出て絶叫を放つ。サメって叫ばないよなぁと思いつつ、飛び出た頭に連射する。


「すまん!遅れた。」


そう言いながら高レベルの冒険者達が現れる。寝たばかりだろうに初動が早い。流石熟練者だな。


「サメ型の魔獣です。全長10m前後。現在1匹のみ確認済み。」


そう連絡して周囲を確認する。今の所他に反応はない。


「了解した。ギルツ魔法で足止めを。セラは手数重視で攻撃を。足が止まったら俺がとどめを刺す。」


そうリーダーが言うと同時に戦況が動き出す。ギルツと呼ばれた魔術師が2つ、3つの言葉を紡ぐと魔獣の周囲が氷だし、そこから氷の槍が魔獣に刺さる。詠唱短縮に氷魔法とは珍しい。

その後セラと呼ばれた妙齢の女性が短弓を乱れ打つがその矢が全て魔力に覆われている。その矢が刺さる毎に悲鳴をあげる魔獣。魔導具かな?かなりの痛手となっている。

そして後ろで風を纏う槍を構えているリーダー。魔獣の動きが止まった瞬間。さらに槍が風と光を放出し辺り一面に閃光が舞う!


「穿て、[嵐光]。」


その言葉と共に槍が投げ出され、次の瞬間には魔獣の頭部へと突き刺さっている。


「これで終わりかな。魔獣を回収したら出発しよう。」


リーダーがそう言うと船員達が魔獣回収の為小舟を出している。


「流石は上位冒険者。素晴らしいお手並みでした。」


率直な感想を述べてしまう。流れるような連携に、無駄のない行動。国の大使の護衛に選ばれるだけはある。そう思っていると、背中から抱きつかれる。誰だ?


「んふー。若いのにいい手並みね。お姉さんビックリしちゃった。」


どうやらセラさんのようだ。それにしてもいい匂いがする。…って違う!気配を感じさせない辺りかなりの狩人なのだろう。しかも胸も大きそ…


「お褒め頂きありがとうございます。その短弓も凄いですがあれだけ撃ってハズレなしはお見事としか言いようがないですね。」


「かわいくないぞー」と言う言葉を聞きながら彼女を外す。これ以上引っ付かられてはこちらの精神上良くない。


「いや、魔獣の察知といい、その後の対処といいその若さでたいしたものだ。」


リーダーさんも褒めてくれる。スキル頼みなところが多いだけに褒められるのは恥ずかしい。なぜか魔術師のギルツさんがじっと見つめ続けているが気にしないことにしておこう。


「おーい、ベル。もう終わったのか?魔獣が出たというので見に来たんだが。」


リデルも甲板に上がって来たようだ。官僚の護衛はどうした?


「凄腕の冒険者の人達が終わらせてくれたよ。そっちはお偉方の護衛だろ?」


嫌味混じりに言ったのだが分かってないのか笑いながら此方に寄って来る。


「ずっと一緒にいると色々大変なんだよ。これなら魔獣と戦っている方が楽だ。」


あーそう言えばこいつ辺境伯の息子だった。政治関連か結婚関連が話来るわな。


「そりゃ大変だ。一般人には分からない話だ。」


そう言ってやると嫌そうな顔で此方を見ている。自分は平穏に暮らしたいだけなのですよ。そう思っていたら思いがけない人からお声がかかる。


「君はそれ程の力を持ちながら一般人だというのか?私にはそうは見えないのだが。」


じっと自分を見ながら話しかけられる。こりゃ[鑑定]もされてるな。


「弓と気配を察知するのが多少うまい程度の狩人ですよ。夜回りがありますのでこれで失礼しますね。」


そう言ってその場を離れる。どうやらあの3人組の冒険者にも探られているようだ。自分の転生人生まだまだ波乱が続きそうです。





人が多く出るようになると流れが止まってしまいます。恥ずかしい…

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