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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやなリデルさん

『かなりの人間がこの森を囲んでる。ただ今の所敵意はないな。こちらからは我が出る。ルオンは済まんが残させてくれ。我の名はルーヴ。使徒殿程の力はないがそれでもこの森を守る覚悟はある』


 ルーヴはそう言うと自分に乗るように言ってくる。


 フサフサモフモフには勝てず乗せてもらうことにする。


「私のことはベルと呼んでくれ。とりあえず1番偉そうな人がいる所に行こうか。ちなみに自分は使徒の中でも最も弱いと思うからね。生後0才だし」


 走りながらも念話で会話する。


 声に出さずとも話せるのは便利である。


 モフモフ。


『なんと!生まれたばかりであの戦闘力か。使徒とは恐ろしいな』


 なんか違う方向で納得してるな。


 まぁいいか。

 

「先生がよかったからね。とりあえず話し合いで済めば最上、自分が捕まるだけならまし。自分とルーヴの敵に回るようなら…悪いが殲滅させて貰う」


  自分だけならまぁ、何とでもなっても自業自得だがルーヴに害がいくようなら許容出来ない。


 子供達を守る為に自分の前に立ちはだかることの出来る男なのだ。


 見捨てる事は出来ない。


『何か殺伐としとるのぅ。我と汝がいればそうそう不覚に落ちる事もあるまい。もう少し気楽に行こうではないか』


 子供に諭すように話しかけて来るルーヴ。


 幻獣は長命な種が多いから経験豊富なのだろう。


 嫁持ちだしな!


『あれ?何か殺気を背中から感じるんだが?ワシ悪いこと言っとらんよな?何がどうしてこうなった? 』


 そんなじゃれ合いをしながら走り続け漸く森を出る。


 付近には篝火が多く焚かれており、否応無く緊張感が高まる。


 するとルーヴが念話を大声で叫びだす。


 ちょっと聞いてないですよ、ルーヴさん。


『汝らが《幻影の森》と呼んでいる森の主人である幻獣翡翠狼である! 此度の件について問いに来た。我が領域に仇なすつもりか? 返答いかんによってはタダではおかんぞ? 』


 念話は通常念話持ちか、話したい人にしか聞こえない。


 しかし、ルーヴは全員に聞こえる様に念話を飛ばしている。


 つまり……人間達は大騒ぎ。


『相変わらず人間は気が弱いな。とっとと、こちらに来ればいいのに』


 座りこんだ状態で欠伸をしながらのたまう駄狼。


 自分の正体を知った時の態度を思い出せと言いたい。


『あれは汝が悪いぞ。普通使徒と会う時は神絡みが多いからな。普通の者なら逃げ出すのが普通じゃ』


 んん?何かおかしい話しになってきたぞ。


 使徒ってどういう人達のことを言うんだ?


「ルーヴ。私は使徒についてよく知らないんだが説明してもらってもいいかな?」


『何で本人が知らんのじゃ⁈ 』


 滅茶苦茶驚かれている。


 使徒歴2日の自分にそんな事を言われても困ります。


『まぁ良いわ。幻獣一般の話になるが、そこは勘弁じゃ。基本使徒は、神の代行者と言われておる。故に使徒のする事は天災と変わらんな。何処かの国が滅んだじゃの何処かの地形が変わったのだのよく聞く話じゃな』


  とんでもない話がやってきた?


 あ、思いだせばラシャンさんもそんな事を言ってたっけ?


 そうこう世間話をしているうちに3人ほど騎士の人達がこちらに向かって来ている。


 1人は自分が良く知るリデルさんだ。あと2人は多分見たことないな。


「私は地方都市ギードの騎士団団長を務めるノートンと言う。他に副団長アバストとリデル、この3人にて翡翠狼殿と話し合いがしたい。ご了承願えるか? 」


 200cmを超える偉丈夫と170cmぐらいながらかなりの覇気を感じる美少年。


 ついでにおろおろしているリデルさん。


 その3人が話し合う相手らしい。【第六感】がかなりの警戒を促しているので気をつけよう。


『あい分かった。此方に来る事を許そう』

 

 ルーヴがそう言うとあちこちで「本当に喋った」だの「でっかいなぁ」など色々聞こえてくる。


 その喧騒を無視するように3人が近づいてくる。


『さて、今回なぜこの様な事になっているか聞かせてもらおうか?』


 伏せからお座り状態になったルーヴ。


 話している姿はとても神々しい。


 嫁に叩かれている時とはえらい違いだ。


 あとリデル。視線をこっちに向けんな。


 アバストさんが自分を警戒してるじゃないか。


『ではまずは子供達を助けて頂きありがとうございました。此度の礼に領主よりモーとコケの献上品がありますので後程届けさせて頂きます』


 そういって頭を下げる3人。


 …予想と違う方向だな。まぁ仲が悪くなるより余程いいか。


『うむ。そちらの礼は受け取らせていただくぞ、すまんな』


 ルーヴさん。


 返事は格好よくても尻尾のせいで台無しですよ?


 そんなに振らないで。


『しかし、それにしては数が多くないか? どうやら本来の目的はまだ聞いていないようだが? それとも謀っているのかな? 』


 そう言うと立ち上がり牙を見せるルーヴ。


 大体検討はついているのだろう。


 自分も青褪めたリデルの顔を見ると予想出来るしな。


「我々のもう1つの目的はそちらのベル殿を探す事だったのです」


 予想的中。さて如何しようかね?






 









なかなか人物名が出てきません。

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