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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやな商談回

 夕飯の後、ほろ酔いなリデルさんと別れ、現在入浴中。


 4〜5人が入れる大きさで現在ガタイのいいおっさん2人と入浴…絵柄が悪すぎる。


「いい湯だなぁ。兄ちゃん」


 身長は自分とあまり変わらないのにガチガチマッスルなこのおっさん。


 その体中の傷は何処でついたんでしょうね…


「その年で風呂の入り方を心得ているなんてなかなかおらんぞ」


 もう1人のおっさんが「がはは」と笑いながら頭を叩いてくる。


 リデルさんと同じなくらいの背の高さだが細身の体は引き締まっており、片目にアイパッチをつけている。


 海が似合いそうですねぇ…


 風呂に入る前にクリーンをかけていたのだが、丁度そこにいたこの2人が自分達にもかけてくれと言って来たのが出会いである。


「クリーンなんて高等魔法中々使う奴がいねーしな」


  …そうなのである。


 同じ生活魔法のウォッシュを使う人は多いのだか、クリーンを使う人は数少ないのだ。


 因みにクリーンには浄化作用がある為、貴族が競って雇い入れるほどの厚遇らしい。


 …やっちまった。


「昔、風呂は湯船に入る前に体を洗うと聞いたことがあるだけですよ」


 と嘘ではないが本当でもない言い方で言葉を返す。


 この2人こんななりでも商人らしい。


 山賊と海賊に挟まれたまま自分の異世界初風呂は終わった。




 ぐっすり眠れた次の日、朝食のパンとスープにベーコンが入ったサラダを食べ、昨日立てた予定通りになめし皮を売りに行くことする。


「ラドナさん。すいませんがこの街でなめし皮を買ってくれるような場所を知りませんか?」


  商品の取り扱いなら女性の方が知っているかな?と安易に考えての質問である。


「とりあえずどの程度の商品か見てみないと勧めようがないね。この街の製品は品質がいいから下手なもんだと売れないからねぇ」


 確かに…


 ここは貿易都市なので品質の良い物が溢れるほどあるしなぁ、今ある物がを見てもらってから判断した方がいいか。


「分かりました。…これなんですが見てもらっていいですか?」


  背負い袋から取り出したのは大鹿のなめし皮とウサギのなめし皮でである。


【魔導製革】により時間短縮をしただけのお手軽製品だが傷は少なくそこそこの自信はある。


「へぇ。なかなかいい出来じゃないか」


 ラドナさんが見てくれているが好評である。


 これなら売れそうだと内心喜んでいたのだが…


「坊主。これは一体どこで手に入れたんだ?」


 いきなりラドナさんの手からなめし皮を取り、チェックし始めたごっついおっさん。


 そう、風呂場で出会った山賊さん。事案発生である。


「ガロル、いきなりなんだい。うちのお客さんに対してとっていい態度じゃないね。場合によっちゃ許さないよ?」


 山賊に詰め寄るラドナの姐さん。カッコイイ惚れてしまいそうだ。


「ち、ちげーよラドナ。そんなつもりじゃねぇ。ただ単にこのなめし皮の出来が良過ぎるから聞いて見たかったんだよ」


 出来が良過ぎる?ちょっと不安になって来た。


 そんな自分の事など気にせず、山賊の…いやガロルさんは話しを続ける。


「革自体は傷も無く毛皮の状態も良いのは分かる。だがななめし方が普通じゃねぇ。あまりにも均等になめされている。超一流の仕事だ。それになにより僅かだが魔力を感じる」


  何だ?!このおっさん。


 普通のおっさんじゃないとは思っていたが、余りに『目』が良過ぎる。


 上級職持ちか?


「そうなんですか?自分の手でなめした訳ではないので良く分かりませんが、高く売れそうならありがたいですね」


 笑顔スキルがあればいいのになんて考えながらどうやってこの場を乗り切っていこうか【高速思考】【多重思考】など使いながら思考中。


 …正直戦闘より真剣です。…


「そうなのか。んじゃこれをなめした人は何処にいるんだ?出来れば正式な契約を結びたいんだがな」


  【一般知識】先生!出番ですよ。


 辻褄が合うように何とかしないと。


「このなめし皮は隣りの国である『トロイア帝国』の職人ギルドでなめして貰ったものですね。結構掛かりましたが自分でなめせないので。通常は毛皮として売るだけなんですけど、精肉所の人に紹介して貰ったんです」


【演技】【弁舌】【虚偽】を使い、何とか辻褄合わせが出来るようにする。


 トロイア帝国はこの国の隣国で、この国とは仲が悪い。


 そんな相手のギルドまでは中々難しいだろうという考えでまとめて見た。


 これでいけるかな?


「あーあの国か。あそこは取り締まりが厳しくて伝手が無いんだ。しかしあの国にそんな職人がいるとはな。ちょっと予想外だったな。また情報を集めんといかんな」


  …一応納得してくれたかな。してくれていればいいなぁ…


 疲れた頭で今後のことをを考えながらようやく一息つけると安心していると両肩に手が置かれているのを感じる。


「んじゃこれから商談と行くか。なぁ兄ちゃん、何枚あるんだ?」


  凄く迫力ある笑顔のおっさん。第2ラウンド開始のお知らせ。



















 













商談と書きつつ商談が始まっていない

o rz


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