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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやなご宿泊

「とりあえずご主人。こちらの宿泊料金を教えてください」

 

 とりあえず値段を聞こう。


 動揺しまくりの心を落ち着かせる為、狐耳のダンディさんにそう尋ねた。


 自分のペースに持ち込まないとえらい目にあいそうだ。


「リデル坊ちゃんの口利きだろ?一泊朝と晩の飯付きで大銅貨5枚だ。飯のお代わりは別料金だな」


 安い!【一般知識】で調べて見てもかなり安い!


「寝る前にお湯が欲しいのですがおいくらです?」


 大体の宿屋にはお風呂なんて無い。


 寝る前にお湯で拭うだけだと【一般知識】は教えてくれる。


 生活魔法の(クリーン)を使えば問題無いのだが日本人気質なのか顔だけでもお湯を感じたいのだ。


 神の箱庭に行けばいいというのはNGだ。


 自分はもう修行はしたくない。


「風呂があるから風呂に入ればいいぞ。風呂って知っているか?」


 まじか?風呂があるのか?貴族でも無い所が多いと【一般知識】も言っているぞ?


「子供からそんなに金を取るほど寂れちゃいないよ。タダでいいさ」


 おばさんが頭を撫でてくれながら笑ってそう言う。


 いかん。惚れてしまいそうな二人だ。


「そこまでしていただけるなんて光栄です。じゃあ一週間分お願いします」


 そう言って懐から財布を取り出し銀貨4枚を渡す。


 リデルさんには感謝しかないな。


「えらく礼儀正しい子だな。リデル坊ちゃんとはえらい違いだ」


 そう言ってお釣りを渡してくれる宿屋の主人。


 すいません。これの中身50近いんです。




 部屋に案内され夕飯まで多少時間がある為、背負い袋と武器の手入れをする。


 長弓は弦も問題無く、しなりも良い感じだ。


 ナイフの方は多少刃が荒れていたので研ぎ直し油を落とす。


 皮鎧と皮の手甲も問題無し。


 革のブーツは【韋駄天】を結構使ったので泥を落とし、油を塗る。


 背負い袋はある意味ダミーなので旅の道具が入っていれば問題無い。


 あ、一応鹿の鞣し皮と兎の鞣し皮を入れて置こう。


  明日の買い物リストに矢と鞣し皮の売却をする事を決めて、今日レベルが上がった確認をする。


 意識はしっかり持っておこう。




  「ステータス・オープン」




(名前)



  人間(神造体)

 0才

 Level 4


(出身国)

 神界


(職業)

 使徒


(ステータス)

 HP 4200

 MP 6800


 筋力 640

 知力 810

 敏捷 680

 器用 700

 生命 940

 精神 520

 幸運 1080


(スキルスロット)4/5

「ゴッドスキル」

 ・神の箱庭


「ユニークスキル」

 ・百花繚乱

 ・完全制御

 ・神龍紋


(称号)

 ・創世神の使徒

 ・異世界神造人間

 ・天界の観察対象


(賞罰)

 なし(創世神の免罪符)




  ん?んんん?


 いつの間に職業が使徒になったのかな?【偽装】する見た時は無しだったよ?


 称号に関してもいきなり3つも増えてるよ!


 賞罰の所の免罪符なんておかしいよ?自分は犯罪する事が決まっているの?




 ふぅ。見なかった事にしよう。


  「ステータス・クローズ」




 さて、【偽装】を外したステータスを見たけど訳が分からない。


 魔獣のB級の亜人オーガが


 HP 1000

 筋力 300


 ほどらしいから中々の壊れっぷりである。


 黒狼はE級で


 HP 100

 筋力 50


 程度になる。




 まぁステータスよりスキルの方が重視される世界なんだけどね。


 あと名前が無いのは意図的である。




 そうこうしているうちに部屋の扉がノックされる。


 宿屋のおばさんが来たようだ。


「夕飯の用意が出来たから、用事がなければ食べにおいで。あと、リデルも来てるよ」


 リデルはやっぱりこちらを探っているのだろうか。


 自分の中の警戒心が跳ね上がるのを感じながら下の階に降りていくのだった。




「よぉ。気に入られたようだな、ベル」


 1階の食堂はすでに席が殆んど埋まっており、リデルの向かいの席ぐらいしか空いている場所が無かった。


「気に入られたってどういう事ですか?リデルさん」


 リデルの真向かいの席に座りながら【真贋】を発動する。


 このスキルは相手の言葉に嘘があれば分かるというエクストラスキルである。


 自分としては出来るだけ使いたくないスキルだか、これ以上疑心暗鬼のままこの都市で生活するにはリデルが不安要因すぎる。


「ここの主人は道楽でやってるからな。自分が気に入らないと宿泊拒否を平然とやるぞ」


 …本心だな。


 リデルが答えた言葉に反応が無いことを確認し、本命の質問をする。


「そうだったんですか。ありがたい事です。所でリデルさんはどうして 自分に親切にしてくれるですか?」


 さぁ、どう答えるリデル。


 下手な嘘は通じないぞ?


 言いずらそうなリデルを暗い瞳で見続ける。


「んー。実は最初にベルを見た時、黒狼を次々と狩るベテラン狩人に見えたんだがな、戦闘が終わって見に行ったらまさかこんなに若い子は思わなくてな。

 話しているうちにほっとけなくなってしまった訳だ」


 嘘…は言ってない。


 それじゃ今までの行動は…


「それじゃ今までやけに絡んで来たのは…」


「まぁ、色々気になってな手助け出来ればと思って…」


 駄目だ。


 スキル無くても分かる。


 この人ただの良い人だ。


 緊張が解けたせいか、顔を机につけてしまう。


 …あー問題が解決したせいか、急にお腹が空いて来た。


「待たせたね。何にするかい?」



 おばさんの軽い声が、賑やかな食堂の中でも響いて来る。


 こうして銀狐亭での生活が始まることとなった。


 











 


















リデルさんはいい人(マジ顔


次回は異世界料理です。

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