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てんやわんやで異世界転生  作者: いんふぃ
第2章 コルカ王国
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てんやわんやな初戦闘

 地方都市ギートまであと少しという所で

【索敵】に異常な数の反応が返って来る。


【索敵】は特に敵意に関して反応する為、この様な反応は一つしかありえない。


  魔獣か!…数が多いな。


 100前後か?街の方からは30人ぐらいが出て来て応戦中か?


 背中に背負っていた長弓を取り出し、矢筒の中の矢の数を確認する。


 30本はあるのでなんとかなるだろう。


  とりあえず近くに行って状況確認するのが1番、次に危なくなってる人の援護くらいでいいかな?


 頭の中で行動を決めると、【韋駄天】【気配遮断】【遠視】を発動し、現場に向かう。




 門前では、円陣を組んだ騎士達が必死に魔獣が街に入るのを防いでいる。


 魔獣も流石に攻めあぐねている様だ。


 間に合った!長弓の射程で隠れることが出来る茂みに身を潜め【集中】【奇襲】を発動し、目標を決める。


 脚の速い黒狼型と亜人型か…黒狼型から仕留めるか。


 神造体であるこの身から放たれた矢は、今にも飛び掛かろうとした黒狼の側頭部へと突き刺さる。


 黒狼の目の前にいた騎士はかなり驚いたようだが許して欲しい。


 その後も何匹かヘッドショットを決めていると、流石にこちらに気づいた黒狼が3匹程こちらに向かって来る。


 ここまでは今までの狩りと変わらなかったが、流石に接近戦もしないと駄目なようだ。


 神の箱庭での修行の成果、ここで試されるな!




 近づく黒狼を更に2匹仕留めると、長弓を放り出し腰の背後に差していたナイフを取り出す。


  【短刀術】を発動。


 黒狼相手に怪我をすることは無いとは思うがどうしても保険をとってしまう。


 2、3秒睨み合いが続いたが、待ち切れなかったのかこちらの首目掛けて飛び掛かってくる。


 それを難なく避けると共に、延髄に逆持ちしたナイフを打ち込む。


  痙攣する黒狼からナイフを抜き、地面に落ちた所を足で首骨をへし折る。


 魔獣は死ぬまで生きとし生けるものを滅ぼそうとする。


 引く事もせず最後の1匹まで戦うというのだからとんでもない生き物である。




 ひと段落した所で、自分の体が熱くなるのを感じる。


 レベルアップというやつである。


 初めて魔獣を倒したとはいえこんなに早く上がるとは思わなかったな。


  因みにこの世界、レベルアップすることができるのは魔獣を倒した時だけである。


 神の箱庭でずっと修行してもレベルが上がらなかったので先生に理由を聞いた所、驚きの答えである。


 魔獣を倒した時に魔獣の魔素が倒した人に流れ込むらしい。


 それにより霊格が上がる現象がレベルアップとなるのだ。


 魔獣の魔素以外では起こらないので一般人と魔獣を倒す人との差が激しいのも納得だ。




  向こうの戦況も大分変わったようだ。


 応援が来たのだろう、ほとんど戦闘は終了していた。


 こちらに向かって来た黒狼の遺体を集めながらどうやって運ぼうか悩んでしまう。


【アイテムボックス】はレアスキルなので使う所は見せたくない。


 そんな事を考えていると向こうから騎士の人達がやって来た。


「そっちの弓使い大丈夫だったか!…って子供じゃないか ⁈ 」


 いきなり失礼な言動である。


 しかし、向こうの方が社会的立場が高いので言い返す事は出来ない。


  地球での社会生活を思い出しながら笑顔で対応する。


 社畜根性なめんな!


「すいません。こちらの都市に着いたばかりでして、まさかこんな事になっているとは知らず手を出させて頂きました。逆にご迷惑でしたかね?」


 手柄の横取りと思われてもいけないので早めに謝っておく。


 最悪、この魔獣の遺体も渡してしまおう。


 第一印象は大事だしな。


「いやいや、援護の矢は助かった。あれがなければ更に損害が出ていただろう。その礼の為に駆けつけてたのだが、まさかこんなに若いとは思わなくてな、失礼した」


 おや? すぐに謝ってくるとは予想外だな。


 てっきり「怪しい奴め!」とかいって捕まるかと思っていただけに。


「いえいえ。お力になれたのなら幸いです。所でこの魔獣の死骸は如何しましょうか?」


  いると言われたらさっさと渡してしまおう。


 面倒事は入国時に不味いしな。


「向こうにある矢で死んだ魔獣と一緒に運ばせてもらおう。褒賞は入国時に受け取ってくれ」


  肩をバンバン叩かれながら一緒に入国門までついてくる騎士さん。180cm以上あるその筋肉隆々の手は凶器だと思うんです。


「ちなみに俺の名前はリデルだ。13隊の隊長をしてる」


 自己紹介までしないでください。




「それじゃ入国審査をするが、ギルドカードがあるならそれを出してくれ。無いなら悪いがステータスボードを表示してもらう事になる」




 リデルさんが入国審査までしてくれるそうです。…これ、絶対怪しんでるよね?


 しかも個室だし、やっぱり魔獣相手に活躍したのがいけなかったか。


 自己嫌悪に落ちるもあそこで逃げるつもりはなかったけどね。


 悪人なら見捨てる事が出来たけど都市を守る人を目の前で見捨てるのは後気味が悪すぎる。


「ステータスはどこまで見せればいいんですか? 流石に全部とかはいいませんよね?」


 少し皮肉げに質問する。


【一般知識】によると入国には名前と賞罰くらいでいいらしい。


 でもこの状況だとね…


 あぁ。済まないが名前と出身国、それに賞罰とスキルを頼む。スキルはレベルは伏せていいからな」


 やっぱ滅茶苦茶怪しんでるじゃん…


 無言のジト目でリデルさんを見ると、苦笑いをしながら両手を挙げて答えてくれた。


「すまんな。普通ならここまではしないんだが、魔獣10匹を倒せる人物を調べない訳にはいかないんだ」


  正論である…


 間違いなく正論である。溜め息をつきながらステータスを呼び出した。


『ステータス・オープン』












戦闘回は難しいですね。

次回は街の中入れるかな?

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