表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/2

ダンジョン探検ツアー 前編

決して暇ではありませんが、何故か再び続きを書いていた。

再びツアーに出よう。そうしよう。

とりあえず前編。

 物語の始まりは、「え? なんて?」から始まらなかった。


 道路工事の騒音が「ガガガガガ」と聞こえてくる朝、俺は俺の名を呼ぶ声が全く聞こえなかった。


「ツァハーレ! あんた今日も旅に出るんでしょ! 早く起きなっ!」


 この物語の唯一のヒロインである母親に俺は起こされた。

 しかし、工事の音で何を言っているのか分かりゃない。

 ゆえに俺は「え? なんて?」と言ったのだが、俺の声も母親には届かない。


 仕方ないので俺は普通に起きることにした。

 朝っぱらからほんと五月蝿い工事である。

 誰だよ家の前の水道管を破壊した奴は。


 そして俺はそそくさと食事を済ませ、旅の支度を始める。


 さて、今回の旅は前回と違い、俺は洞窟探検、もとい、ダンジョン探検ツアーに申し込みをしていた。原点回帰ではないが、お金を稼ぐ意味も込め、俺はこのツアーを選んだと言えば分かりやすいだろう。

 旅に出るのも資金が必要だ。と言うわけでれっつごーって、言いたいところだ、旅の準備がまだなので、支度をしつつ、少しこのツアーについておさらいしておこう。


 さて、お金を稼せげると聞くと、カジノと言った場を思い出すところではあるが、ではダンジョン内にカジノでも設置されているのかと聞かれたら「え? なんて?」と言うしか他無い。

 確かにカジノツアーと言ったツアーも存在するが、残念ながらダンジョン内にそのようなカジノは設置されているわけではない。では何故ダンジョンでお金が稼げるのかと言うと、ツアーで得られた金品等は、見つけた人の物になると言った単純明快なルールが設けられているからである。

 驚きの事実ではあるが、知れば『何だそんな単純な事か』と思われるのも致し方ない。だがこれがこの世界でのツアーの常識であり、ルールなのだ。そして、命の補償や保障、保証と言った事を、ツアー会社は一切保証しないと言った鉄の掟も存在している。要するに、どのツアーでも、死んだらそこまでだってことだ。

 ゆえに、例えツアー客がツアー中に死のうが、ツアーは続行するべきなのである。そしてだからこそ、添乗員と言うのは、己の与えられた任務と義務の最善を果たし、ツアー客を目的地に確実に送り届けなければならないのだ。そして、最後までしっかりと客を出発地に送り届けなければならないのだ。客だけではなく、必要に応じて、添乗員も自分に対して護衛を付ける場合もある。


 こんな事情があるからこそ、俺は前回あのツアーで死んだ者たちに対して特別な感情を抱く事はなかった。むしろ逆に、あの時の添乗員の態度はいただけなかったと言う事だ。

 あのとき俺が抱いた感情は『自業自得』――、ただそれだけだ。

 まぁでも、しょうがないから生き返らせたけどさー。ほんとは俺がそんなことする義務は無いんだよ?

『べ、別にあんたの為にやったんじゃないんだからね!』と言いたいところではあるが、俺はあのときちゃんとした蘇生をしたわけではない。あの時言ったとおり、彼らの四人の死体はリビングデッドとして復活させたに過ぎない。

 この世界では蘇生してはならないという法律は無いし掟も無い。この世界には蘇生用のアイテム(貴重品)や魔法も存在している。ただし、死んでから一時間以内に蘇生させなければならない。それを過ぎたら、蘇生させる事は不可能である。そして寿命で死んだ者も蘇生させることはできない。

 残念ながら、彼らの死体は一時間以上経過していた為、俺はリビングデッドの魔法で復活させるしか方法がなかったと言うわけだ。この魔法で生き返らせた者は、術者の気分次第で何時でもその活動を終わらせる事ができる。

 そう言うわけで、帰りに町に寄り、俺は彼らに掛けた魔法を解いておいたのだ。死体として生きていても彼らの未来は無い。いっそのこと死んだほうが彼らの為である。


 俺とて、人が目の前で死ねば気分は良いものではない。死んで当然とも思ってはいない。だからこそツアーに参加する客と言うのは、同じ客に対して悲惨な惨劇を見せない為にも、自分の命は自分で守らなければならない義務を背負うのだ。

 そして、自分の力で自分の命を守れない奴に対して、ツアー会社が提供する傭兵システムや、護衛システムと言ったオプションが実装されているのだ。つまり、客はそれを各々の意思で選択し契約して、命を守る為の最善を尽くさなければならない。このオプションが提供されているからこそ、各種ツアーが成り立っているのだ。


 だからツアー中にモンスターの襲撃で死亡した客は、その対策を怠ったとして、その死を冒涜されても何も言えない。例えそれがあの腐った王様だったとしても同じだ。全ては死んだ客が悪いのだ。

 だが皆が思うように、確かにツアー途中で事故死や自然災害などに襲われて死ぬ場合もある。だがそれらよりも比べて、モンスターの襲撃による死亡の方が確率的に高いと言わざるを得ないのが現状なのだ。例え事故や自然災害に巻き込まれて怪我を負ったとしても、ツアーの護衛に僧侶を雇っていれば問題ない。ただそれだけだ。


 ま、こんな感じで、普段のツアーにはこのような掟じみたシステムが基本となっている。だが、俺が今から向かうツアーは、この上記のルールに当てはまらないと思っていただいて構わない。

 俺が今から向かうツアーは、死んで当たり前を前提として挑むツアーなのだ。

 別名、死のツアーなのだよ。


 あぁちなみに、今回のパンフレットには採用されていたのは、王女様であった。『未開の地! 来たれ勇者たち!』と言う感じで大々的に表記されていた。そしてツアーのタイトルは、『王女様が進めるホットツアー! 限界を突破せよ! ダンジョン攻略弾丸ツアー』となっている。

 長い。だから俺は『王女様攻略ツアー』と呼ばさせていただきます。

 そしてダンジョンの穴を攻略した暁には、王女様の尻の穴をいつか攻略してみたいと思います。


 そうして俺は支度を終え、目的地に向かう事にした。

 ツアー開始時刻九時まで、あと一時間。

 胸が高鳴る思いである。

 そうして俺は人通りの少ない裏路地へと向かった。


 前回とは違い、これは一人旅であるが故に、ある程度は時間の融通が利く。だが、出発時間の九時に遅れるわけにはいかない。ここで出遅れたりすると、お宝は他のツアー客に奪われる可能性が高くなる。と思うだろ? 実はこれ、ダンジョンに入るのは早く現場に就いた者たちからではないのだ。

 要するに、ダンジョンに入る順番と言うのは既に決まっており、書類を提出し、ツアーの予約を終えた者たちから順に決まっていくと言った先着順を採用している。これで安心したか? ダンジョンに入る前から順番が既に決められているってこった。

 さて、これで悠々自適に遅刻しても大丈夫……と言うわけにはならない。順番が決まっているから遅刻しても良いのかと言われたら、そうではない。どのツアーでも基本、遅刻は厳禁ではあり、もし遅刻をしたら、遅れた客は放置して、先に出発しても構わないとなっている。

 だがこのツアーの限り、遅刻は十分まで認められている。しかしそれ以上過ぎてしまうと、そいつは自動的に列の最後尾に回され、一番最後尾から順番待ちをする事になってしまう。そしてそれが二度続くと、そいつはツアー参加の意思無しとして、ツアー参加の資格を剥奪され『get out!』となってしまうのだ。そしてキャンセルが出れば、キャンセル待ちをしている人の中から順に参加できることになる。


 当然、横入りも、順番を代われとか言って脅迫する事もできない。職員同士での不正も認められていない。書類を提出して順番が決まった時点で、その順番は揺るがないものとなる。例えそれがあの口うるさい王様だったとしてもだ。ツアーにおいて不正は許されない。


 馬鹿が多いと言うのか、命知らずが多いと言うのか、このツアーは結構な人気があり、油断していると一日で定員が埋まってしまう程である。

 まぁ俺はお陰さまで何とかツアーに申し込む事ができた。

 当然順番はあれだがな。

 したがって、如何にして最新ツアーの情報を集め、そして如何にして一番初めに書類を提出するか……、これが探検を生業としている者たちの戦いなのだ。

 そして俺は当然幻術魔法を使って皆の目を……っと、危ない危ない。


 俺たちの戦いは冒険に出る前から既に始まっているってことだ。

 冒険に出る前から俺たちの戦いは既に始まっている!


 これは大事な事なので二回言っておいた。


 しかし、一番初めに入れるから『ラッキー』と言うわけにはいかない。勿論突最初に入る方が断然有利なのは言うまでもない。だが、そう簡単にいかないのがダンジョンなのである。それは何故かと言うと、一言で言えば未開の地だからである。要するに、新しいダンジョンには、どのような自然のトラップが仕掛けられているのかが不明なのだ。


 ダンジョン内には、毒の沼地、毒ガス、落とし穴、落石、崩落と言った危険極まりない天然とラップがふんだんに準備されていると思ったほうが良い。それに、ダンジョン自体が突然崩れ去って無くなってしまう可能性もある。過去にも、新しく発見されたダンジョンが音を立てて崩れ去ってしまい、ツアー客が取り残された事例があるらしい。それほどまでに未開のダンジョンは危険な場所であると思ったほうが良いのだ。嘗めてかかると、ダンジョンに足を踏み入れた瞬間に死んでしまう可能性がある。

 こうして、ダンジョンの癖をつかむまでは、皆一苦労するのである。


 では何故こんな危険なダンジョンに俺たちは挑むのかと言うと、危険ではあるが、得られるリターンが命を失う危険よりも大きい為である。ダンジョン内で得られる財宝やアイテムと言うのは、物によっては人生を何十回やり直しても使い切れないほどの巨万の富を与えてくれるのだ。過去にも、ダンジョンで得た金銀財宝やアイテムのお陰で、巨万の富を得て、悠々自適に暮らしている人も居ると聞く。未開のダンジョンならなおさらその可能性が高くなる。

 しかもダンジョンの秘密を解き明かせば、それはもう、後世に名を残すほどの偉業だと言っても構わない。例えるならば、勇者が魔王を倒して名を残すものだと思ってもらっても構わない。

 勇者と言うのは、唯一魔王を倒す事ができる人間だ。こればかりは血筋が大きく影響する。だから彼らが魔王を倒す為には、勇者のパーティーに入らなければならない。狭き門の前に、誰もが歯ぎしりする思いを抱くのだ。いくら実力があろうとも、勇者のパーティーに選ばれなければ、魔王を倒すお手伝いをする事はできない。これはダンジョン攻略よりも、非常に確率の狭い門である。

 だが、既に魔王はいない。そこで野心の強い奴らは、一攫千金と、絶大な名誉を得る為に、ダンジョンの攻略に目をつけているというわけだ。


 それにあの伝説の勇者とて、そのダンジョンの秘密を解き明かしたわけではない。その事実の前に、ダンジョンの希少性が跳ね上がっていると言っても過言ではない。ダンジョンの謎を解き明かせば、勇者以上の名声を得られる可能性があると言うわけだ。

 名声を得、富も得られるチャンスが目の前にあるのならば、誰もが自然と野心を抱き、挑戦したくなるのが自然の摂理と言うものである。


 だがしかし、どのダンジョンでもそうだが、ツアー人数の上限は決められている。ダンジョンによって上限はまちまちだが、今回の募集上限人数は三十人である。一握りの人しかチャンスが与えられない、狭き門である。

 他の冒険ツアーだと、おおよその上限人数は最大で五十人ほどだと思われる。今回は何故か最少人数の募集となっていた。この辺りの最良は、ツアー会社が決める事なので、俺には詳しい理由は分からない。


 勿論ダンジョン内では、モンスターだって出る。そしてどれだけのモンスターが出て、どれだけの力を有しているのかは不明だ。それを俺たちツアー客が突入して、調査をしてくるって訳だ。調査が終われば、本格的なダンジョン内のモンスター討伐ツアーが組まれる。これは今後の観光ツアーを組む為に必要な作業である。


 ダンジョン内のモンスターを殲滅しなければ、観光ツアーとしてツアーを組む事ができない。ダンジョン内の安全がある程度確保できれば、一般に開放され、観光としてツアーが組まれ、一般客が押し寄せる事になる。

 ダンジョンと聞いて、何処に見所があるのか疑問に思うだろう。だがそれは語弊である。ダンジョンと言う単語を聞いて危険なイメージをもつと思うが、これを『洞窟ツアー』として表記すれば、危険な感じもせず、むしろ神秘的な意味合いに感じられるだろう。


 このダンジョンと言うのは、ツアーによって名称が変わるのだ。

 俺たち見たいな奴らに向けてツアーが組まれる場合は、『ダンジョンツアー』と表記され、観光目的でツアーが組まれる場合は『洞窟ツアー』と表記されると言うわけだ。

 各洞窟にはそれぞれ見所があり、光り輝くコケや鍾乳洞だったり、水晶洞窟・洞窟内に地下水が溜まり、その中を泳いだりする事もできる。さらには、氷の洞窟と言った場所も当然存在する。

 こうして、どの洞窟でも見所はあると思われる。


 だがここで一つ忘れてはいけない事がある。ダンジョン内のモンスターを殲滅したとしても、時間が経てばモンスターは戻ってきてしまうのだ。このモンスターが何処からどう戻ってくるのかは誰にも分かっていない。

 仮にモンスターが戻ってきたとしても、そのときは討伐と言うカテゴリーでダンジョンツアーが組まれ、モンスターの討伐をしてくる事になる。

 要するに、ダンジョンと洞窟はこれの繰り返しとなる。


 先ほどダンジョン内の装いの話をしたが、このダンジョン内の経路がまた少し変わった経路となっている。まぁ通路にいたっては、普通の通路だ。別になんら変哲もない人が二人通れる広さを優するだけの通路だ。

 経路の何が変わっているのかと言うと、ダンジョンに突入すると先ずは一本道が暫く続く。いきなり分かれ道があるわけではなく、ひと時の間一本道が続く。そしてそのひと時が終わると一本が二本に分かれ、そしてまた暫く歩くと一本が四本に分かれると言った感じで分かれ道が増えていく。

 そして道が分かれるたびに、その近くには何故か金銀財宝が隠されており、それの有無で、この道は誰が進んで誰が進んでないのかがわかることができ、その通路がまだ攻略されていない通路だと言うのが人目で分かるようになっている。

 そして、最終的に一本が六本に分かれたところで本格的に道が入り組み始め、モンスターとのエンカウント率が跳ね上がる。これは何処のダンジョンでも共通しており、不思議な点とされていた。

 最終的にどの道が正解なのか、誰も答えは知らない。ダンジョンの奥に何があって誰が居るのか、誰にもそれは分からない。勿論俺も知らない。だから出来立てのダンジョンと言うのは、その秘密を知るのに絶好のチャンスなのである。


 だからと言うわけではないが、最初に突入する者は一番危険度が高く、勇気と運が試される。そして安全と言う意味では、後から入る者たちのほうが安全度は高い。だが、お宝を見つけられる可能性は、先に入った者たちの方が断然有利となっている。

 この兼ね合いもあり、書類の提出から腹の探りあいとなっているといっても過言ではない。しかもどれだけの客が予約しているのかは確認不可能な為、さらに疑心暗鬼が広がると言うわけだ。


 そしてこのツアー、もう一つ厄介な事がある。それは規約の中に、客同士で争ってはならないと言う規約が無いのだ。みなまで言わなくても分かるだろう。そう言う事だ、俺たちの戦いは既に始まっている

 当然、相手の遅刻を狙って足止めをしてくる奴もいる。遅刻したら順番は最後尾に回され、しかも二度の遅刻で強制リタイア扱いされる。誘拐、拉致など、足止めするだけでも大変有効なのである。ゆえに、俺たちには十分の遅刻が認められているというわけだ。十分で解決できる者だけが参加資格がある……と、言えなくも無いだろう


 このように、妨害で遅刻するならまだ可愛いものだが、当然命を狙われる確率もある。命を狙われるのは可愛い状況ではない。これはよっぽど相手を殺せるだけの実力差があればお勧めする方法だが、そうでなければお勧めはしない。

 何故かと言うと、顔を覚えられたら最後、何時何処で相手の報復を受けるかわからない為だ。顔を覚えられても構わないと言うのなら、ガンガン客同士殺し合いをしてもらっても構わない。むしろツアー会社が推奨している可能性もある。『力なき者はふるい落とされる』……何故、書類審査で振るい落とされないのか……、これがその答えである。

 職員が書類審査をするまでも無く、ツアー客同士でふるいに掛けていると言う事なのである。実力がなければ、このツアーを全うする事はできない。ツアー会社とて、力ある者にこのツアー内容を完遂してもらいたいに決まっている。弱い者が来て、無駄に時間を食うのだけはして欲しくはない。

 それに、客が書類の経歴を誤魔化すなんて誰でもすることだ。それをいちいち職員が書類の不備を指摘する暇も無い。だったら客同士で書類審査をかねて実力を証明しろってことなのだ。

 職員側からすれば、『書類は受け取る。順番もこちらで指示してやる。だが、後はお前たちだけでその書類の審議を語れ』ってことだ。ついでにその審議で命を落とそうがこちらは一切関与しないし、追求もしない。これが暗黙の了解と言うやつだ。


 これが大まかなダンジョンツアーの流れである。

 と言うわけで、俺は人通りの少ない裏路地へと到着した。


 何故路地裏に来たかと言うと、ツアー開始まで後一時間と言う事もあって、俺は移動の補助魔法を使ってさくさくって歩いていこうかと思って路地裏へと来たのだ。魔法を使うところをあまり人に見られたくないし、知られたくない。これは後々面倒だからだ。例えそれが母親だったとしてもだ。だから家の中では使わず、人通りの少ない路地裏へと俺は来たのだ。

 さて、俺が魔法を使おうかとしたその瞬間、突然誰かが俺に声を掛けてきた気がした。俺は当然警戒を怠らない。「え? なんて?」と言うまえに、声がする方向に振り向くと同時に魔法をぶっ放す。そして相手が黒焦げになったのを確認してから、「え? なんて?」と答えておいた。

 すると相手はかすれた声で、「……み、道を……尋ねた……だけだ……」と言って息を引き取った。彼の言葉を俺なりにまとめると、『俺道迷った。だからお前道教える』と言いたかったのだろう。そこに俺が、『誰が最後まで台詞を言わすか!』と言う勢いで魔法をぶち込み、そして彼が死んでしまったということなのだろう。

 俺は直ぐ様彼を呪文で復活させ、面倒だったので、魔法を使って星の裏側に転移してさしあげた。そして彼は星の裏側で人生の路頭に迷うだろう。

 話をまとめると、『声を掛けてくる奴は皆敵だ!』と言うことだ。

 遠慮なく打ち殺せ。

 合法合法!

 当然このツアーが終わるまでの話だがな。


 俺は彼を見送った後、早速自身に補助魔法を掛け、目的地に向かって歩き出す。



説明会だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ