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観測者λ567913と俺の異世界旅行記  作者: 七氏七
少年期【バセナ旅行編】
51/192

3-5 出発前日

 竜暦6557年10月27日


 ジャスチ、イネス、アキア、俺の4人で夕食を食べながら明日の出発の話になる。


「明日バセナに向けて出発か、気をつけてな」

「はい、父様」

「サリスちゃんとアミさんに迷惑かけないようにね、ベック」

「はい、母様」

「しかしアンウェル村の長の娘さんと知り合いで今回一緒に行くという話しを聞いて驚いたな」

「アミさんも父様のことを存じてましたけど行商先なんですよね?」

「ああ、良質な毛皮などと商品を交換しているんだよ」


 アミの住んでいた村の話が出たので加護の件を聞いてみた。


「そういえば猫人族の加護について父様知っておりますか?」

「長に聞いた話だと暗視が出来るらしい」

「暗視?」

「暗闇でも昼間のように明るく見えるという話だ」

「それは凄いですね」

「ああ、その為に夜の狩人の二つ名もあるな。夜間だけ活動する貴重な魔獣の毛皮も提供してくるので本当にあの村にはお世話になっているよ」

「でしたら年が明けて出発する行商の際にアンウェル村に立ち寄ったら、長によろしく伝えていただければありがたいです」

「そうだな、商売とは別に息子が間接的に世話になっているのだし挨拶をしておこう」

「ありがとうございます。父様」


 そこまで話をするとアキアが特注馬車について質問してくる。


「馬屋で馬車をみたが、あれは凄いな。ベック」

「はい、ロージュ工房にオーダーして改造していただきました」


 ジャスチも話しに加わる。


「馬屋の主人に聞いたが、車軸が普通と違うという話だな」

「ええ、ロージュ工房特製の板バネというのを採用しております」

「ふむ」

「揺れを抑える機能だそうで、乗り心地が改善されています」

「なるほど」

「あとオーガント家にもある便器の簡易版も設置してますよ」

「それは凄いな」

「行商は年明けですし、今からオーダーすれば次の行商に簡易版を持っていけるかもしれません」

「時間が出来たらロージュ工房に顔をだしてみるか」

「ファバキさんも喜ぶと思いますよ」

「しかしよく資金があったな、ベック」

「パム迷宮探索で得た収入を使いきりましたよ…、アキア兄様」

「そこまで本格的に夢にかけているということだね」

「はい、後悔したくありませんし」

「そういった点は俺に似たのかな、ははは」


 ジャスチが嬉しそうに笑った。


 夕食を食べ終え自室に戻る。


 机にある荷物を片付け、荷物の整理をしてから窓の外を見る。

 この景色を当分みることが出来ないなとふと思う。


 明日港湾都市パムを後にして南部都市バセナへと出発するのだ。


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