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博士と乙女ロボ  作者: uda
23/23

博士、恋愛してください④<ラスト>

(やってしまったでしょうか)


 言い終わったロボ子の頭の中で思考し始めた考えから出てきた結論。冷静になってみると自分は何を言っているのだとロボ子の顔が赤くなる。

 頭の中では正常に稼働した思考回路が回転していた。


「ん、ロボ子、思考回路は……」

「ええ、なんか叫んだら、すっかり元通りになりました。って、そんなことより早く謝りに行きましょう。こういうのは早く謝ったほうがいいのですよ」

「……いや、その心配はない」

「……え?」


 どういうこと? とロボ子が不思議に思ったあたりで、


「ぐふふ、こういうことよー」


 いやらしい笑みが背後から聞こえ振り返るとそこには何故か黒髪の女性が、博士に愛想をつかせたミヤコがいる。


「……どういうことですか」

「こういうことですよ、ロボ子ちゃん」


 言いながらミヤコはどこで手に入れたのか両手に持ったプラカードをくるりと反転させる。裏返された白い板にはでっかく大きな文字で「ドッキリ大成功」と書かれていた。


「心は薄氷のようなものなのです。ねー。いい事言うじゃない」

「う、あ」


 収まりかけていた顔の熱さがが再び熱くなり、この状況を理解したくもないが勝手に思考回路が答えを導き出した。


「うわぁぁああ。引っかかったぁああ」


 やられた僅かな悔しさと、先程までの発言を聞かれていたことの恥ずかしさのあまり、思わず両手で顔をロボ子は覆った。


「前回のお返しってところよ。いやーいいもの見れたわ」

「はかせぇええ」

「すまんな。ロボ子」


 ということはミヤコが帰って来たといったフィーネも共犯である。なんてことだと嘆きそうになる。しかし、考えてみればおかしな話なのだとロボ子も今更ながら思えた。


「そうですよ。おかしなことです。隣町で全く動く気配のない博士。タイミングのよい電話。そして、最後にいくら博士でもいきなり女性にラブホ行こうなどとは言わないはずです」

「いや、スマンが言ったぞ」

「はい?」


 思わず、驚き顔をロボ子は上げる。


「ちなみに私が、博士を殴ったことが本当よ」

「……一体、どういうデートをしていたのですか?」


 何故か博士とミヤコはお互い顔を合わせ苦笑いをする。本当に今日何があったのだろう。こんなことなら盗聴器でも仕掛けておけば良かった。


「しかし、うまくいったようだ。ロボ子。キミの思考回路が動かない理由はな、自信がなかった。それだけなのだよ」

「自信ですか」

「自分がロボットだという迷いがあり、思考が邪魔をし、行動ができない。だけど、人間は思考だけで動くものではないのだ。心という、時には感情に身を任せ動くこともある。ようはそれで自分の中に人の心があると自覚させればいいのだろうと思ったのだ」


 だから、ここに来る時などロボ子は色々と無意識のうちに動いたり出来ていたのか。と納得できた。


「それで、その為の解決方法をミヤコさんが提案してくれたのだ」

「まぁ、前回の喫茶店で盗聴していた、おかえしよ」


 それを言われると何も言い返せないと悔しい思いに駆られるロボ子に博士は軽く笑いながらいう。


「まぁ、何はともあれロボ子の思考回路も戻り、私もかねてより疑問であった、恋愛する意味。という物にある程度の答え導いてもらったので一件落着だな」

「い、一件落着? なわけ無いでしょうが!」


 そして、夜の駅近くのベンチにひときわ大きな声で博士に、いくらロボット相手だからといって安易に騙すのはよくないことです。という説教がかれこれ一時間ほど続くのであった。




■エピローグ■


 帰り道。ロボ子はミヤコの車に乗せてもらい博士のナビゲーションのもと家のある丘の階段前まで送ってもらった。

 街灯はないが、夜空の曇り空はいつの間にかいなくなり、月明かりがロボ子の足元までくっきりと映し出す。階段脇、周囲の木々生い茂る深い森には夏虫の甲高い音が鳴り響いていた。

 ロボ子と博士は二人で並ぶように家へと続く階段を登っていく。


「博士」

「何だね」

「結局、ミヤコさんは私のことを話したのに許してくれたのですか」

「まぁ、私の奇人ぶりを知っていたからな」


 端末から連絡が入る。ロボ子は開くと宛先はフィーネからであり、文面には騙して悪かったことと、明日はお詫びにミヤコとロボ子の好きなオイルを買って来ると書いてあった。


「まぁ、その代わり一発頬を叩かれたのだがな」


 大体の事がロボ子のおかげであり、ロボ子の力なしではラブホに行こうというぐらいなのでこのぐらいですむならいい方であるだろう。

 まだ痛むのか、少し、博士は少し腫れた頬を撫でながら口を開いた。


「ロボ娘よ」

「はい」

「恋愛って難しいなぁ」


 感慨深く言う博士が何故かおかしく、ロボ子は笑みを浮かばせた。


「大丈夫です。私がサポートしてみせます」


 誇らしそうに言うロボ子に博士小さく口元を歪ませ、ロボ子の頭に手を乗せる


「なら、安心だ」

「えへへへ」


 博士はロボ子の頭を撫でる。ロボ子は嬉しそうに声を上げた。


「また、迷惑かけるかもしれないが」

「いえ、頑張っていきましょう、博士」

「そうだな」


 家までの遠い道のり。少し足元がおぼつかないながらも二人はゆっくりと歩いて家へと帰っていくのであった。


<あとがき>

 SFとはドラ○もんや宇宙戦艦○マトのように「少し未来のファンタジー」である。と思ったのが私の考えでした。

 そして、少し未来の技術で真っ先に出てきたものがロボットであり、ふと、


 心のあるロボットのお話って面白くね?


 という安易な思いから書き始めたのがこの作品を書く始まりでした。

 結果、思いつきでやるものではないと今では反省はしておりますが、後悔してはいません。

 そして、心のあるロボットの話を書くにあたり、別に宇宙の危機を救う話や苦悩する話ではなく、ただ日常の中に溶け込むようなそんな平和で少しだけ成長があるような話になったのじゃないかと自分では思っております、

 人に何かを伝えるのって本当に難しいですね。

 さて、長々と話すのも、なんですので最後にこの作品を最後まで読んでいただきありがとうございました。

 それでは、また機会があれば、UDAでした。




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