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【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
最終決戦!ケイシソウカンマン!

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第93話 ボス対策を練ろう

 ハシレンジャーロボを動かして基地へ戻ると、ちょうど郵便が届くところだった。


「あ! ちょうど良かった! ハシレオさん、郵便です」


「ああどうもどうも。ほないただこうかな。いただきまーす」


「食べるな! 白ヤギさんかお前は!」


「どう見ても黒ヤギさんの方やろ。頭どうかしてるんちゃうか?」


「お前の中でどっちの色か知るわけないだろう! なんでそこまで言われないといけないんだ!」


「じゃー俺はラム肉を調達してくるぜ!」


「なんでだ!? 関係無いじゃないか!」


「え? ラム肉って黒八木さんの肉じゃねーのか?」


「字が違うぞ字が! 人肉になってるからやめろお前!」


 郵便屋はハシレイに手紙を渡すと、バイクに乗って走り去ってしまった。

 ハシレイはその手紙をまじまじと見つめ、真剣な目をしている。


「どうしたの司令。天つゆなら中にあるわよ」


「なんで手紙を天つゆで食べようとしてるんだ!? びしゃびしゃになるじゃないか!」


「ああすまない! 天つゆならさっき私が飲み干してしまった! 喉が渇いてな!」


「何してるんですか! 余計喉渇くでしょう!?」


「大丈夫だ! 予めえび天を丸呑みしてある!」


「何が大丈夫なんですか! 胃の中で天つゆつけてもしょうがないでしょう!」


「うーんそうか、レンコン天にしておくべきだったか」


「天ぷらの種類の問題じゃないです!」


 そんな俺たちの会話に珍しく混じること無く、ハシレイは手紙を握りしめている。


「どうしたハシレイ? その手紙がどうかしたのか?」


「そうやな。めちゃくちゃ重要な手紙やこれは」


 重要な手紙……。ということは、ケイシソウカンマンからの果たし状か!?

 だとしたら早いことだ。この間俺たちを吹っ飛ばしてもう果たし状を送ってくるなんて、俺たちを潰す気まんまんじゃないか。


「ハシレイ、手紙を開封してくれ。ケイシソウカンマンは何を言っている?」


「ケイシソウカンマン? なんであいつが今出てくるんや?」


「……は? その手紙はケイシソウカンマンからの果たし状じゃないのか?」


「いやいやそんなんとちゃうで。これはワシか推してる女優、村里愛華ちゃんからの残暑見舞いや」


「めちゃくちゃどうでも良かった! なんで今残暑見舞いなんだ! もうだいぶ涼しいぞ!?」


「いやあ、この間の生誕祭で撮った集合写真も入っとるわ! 綺麗やなあ愛華ちゃん」


「本当にどうでもいいぞ……。そんなもの後でゆっくり見ればいいだろう。それより、ケイシソウカンマンの対策を練らないといけない」


 テンションが高いハシレイを引っ張って、俺たちは全員で基地の中に入った。


 ハシレイ以外の4人でソファに腰掛け、ハシレイはいつも通りデスクに座る。ハシレイはそのまま修理が終わったモニターをつけ、ケイシソウカンマンの画像を映し出した。


「これがケイシソウカンマンやな。まずはあの戦闘員たちをどうにかせななあ」


「そうだな。あの戦闘員たちが持っていた銃……。あれをなんとかしないといけない」


「あんなの壊しちゃえばいーじゃねーか! 桃子、全員爆破させちゃおーぜ!」


「そうだな! 海苔の佃煮爆弾を大量に用意しておこう!」


「やめてください! なんで海苔の佃煮に拘るんですか!」


「碧、海苔の佃煮はご飯に合うのよ」


「だから何だ! 戦闘員と関係無いだろう!」


「戦闘員たちは白い全身タイツを着ているだろ? だから米みたいに見えるぞ! 海苔の佃煮が合うかもしれない!」


「理論がめちゃくちゃですね!? 合ったら何なんですか!」


 なんでこいつらはこの状況でアホなことを言えるんだ……。敵のボスが出てきたんだぞ? もうちょっと真剣に話し合えないものだろうか……。


「とにかく、ワシらは思考暴走を習得できた。ほんならとりあえずできることはあるはずや。後は単純にスーツの出力を上げなあかんな。けどなあ……」


「どうしたんだハシレイ。珍しく弱気じゃないか」


「うーん、リーゼントは紅希の分までしか作れてへんのや。分かっとると思うけどな。しかも紅希の分はほんまにたまたま実験が成功してできたもん。再現性は無いんや」


 そうなのか……。つまり俺たちの分のリーゼントはハシレイでも作れないということか。割と当てにしていたんだがな。


「なー、思考暴走ってイメージしたもんを何でも出せるんだろー?」


「そうや。それがどうかしたんか? 脚立でも出すんか?」


「なんで今脚立を出すんだ! 電球でも替えるのか!?」


「よし! 1回やってみるぜ! ハシレチェンジ!」


 紅希はハシレッドにチェンジし、ヘルメットの左側のタイヤを押した。


「思考暴走!」


 するとレッドの目の前に大皿で唐揚げが出現。チェンジを解除した紅希は、唐揚げにかぶりついた。


「ひゃー! うめーぜ!」


「お前……。何故今唐揚げを出した?」


「いや腹が減ってよー! 唐揚げが食いてー気分だったんだよ!」


「もっと身になることを試せ! リーゼントを思考暴走で人数分出すとかそういうことを考えているのかと思ったじゃないか!」


 俺がそう言った瞬間、全員がハッとした顔で俺を見る。なんだ? 何か変なことでも言ったか?


「それや……それや碧! メキシコ料理でソースを意味する言葉や!」


「それはモレだろう!? 何を言ってるんだお前は!」


「その思いつきは素晴らしいぞ橋田! まさかトンカツをご飯に乗せるなんて!」


「誰がカツ丼の発明者なんですか! 俺を何だと思ってるんですか!?」


「でも碧が言うように、モバイルバッテリーを貸し出せる場所を作った方がいいわね」


「もうある! それはもうある! 俺がいつ充電スポットの話をした!?」


「そーだぜおめーら! 碧が言ったことを思い出せ! 根性に勝るものはねえって!」


「そんなクールじゃないことを俺が言うか! リーゼントを思考暴走で増やせないかという話だ!」


 俺の言葉に、全員がまたハッとした顔をする。今それに気づいたのか……。ならさっきのハッとした顔は何だったんだ?


「それができれば勝ち目はあるな。よっしゃ自分ら、練習してみるで!」


 ハシレイの声で、俺たちはリーゼントを思考暴走で増やす訓練を始めることとなった。

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