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【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
最終決戦!ケイシソウカンマン!

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第86話 ロボットバトル

 ハシレンジャーロボの中で足踏みをすると、ロボが前に進んで行く。仕組みは分かったが、中にいる俺たちはバカみたいだな。その場でずっと足踏みをしている3色のスーツ。子どもたちが見たら爆笑ものだ。


「ブルー! イエロー! そろそろ最初の敵が来るぜ!」


「了解よ。スライディング土下座しましょう」


「倒しに行け! なんで見逃してもらおうとしている!?」


「じゃーみんなで華麗に避けるぜ!」


「避けるな! 倒しに行くんだろう!?」


 俺たちは全員で右の拳を振り上げ、走ってくる敵ロボに向かって振り下ろした。

 敵ロボの胸に拳が当たり、巨大な火花が散る。大きく仰け反った敵ロボは、体勢を立て直して再びこちらへ向かって来た。


「おめーら! 次は左手を上げろ! んでそのまま敵ロボの首に回せー!」


 レッドの指示に従い、俺たちはハシレンジャーロボの左腕を敵ロボの首に巻き付ける。


「しゃー! そしたらそのまま右手でタコ殴りだー!」


「なんか戦い方がヒーローっぽくないぞ!? ロボの初戦がこんなんでいいのか!?」


「今更にもほどがあるわね。私たちがヒーローっぽく戦った回数の方が少ないでしょう?」


「それはそうだが……」


 そのまま敵ロボの頭をタコ殴りし、最後に大きな1発を入れて敵ロボを吹き飛ばす。すると敵ロボは爆散。次の敵ロボが後ろから見えてくる。


「しゃー! この調子でいくぜー! エンジン全開だー!」


 俺たちは同じように次々と敵ロボを撃破していった。4体を倒したところで、一際大きな敵ロボが現れる。


「ひゃー! でっけーな! カピバラぐらいでけーぞ!」


「げっ歯類に限定するな! 全然ピンと来ないぞ!」


「大きくてもやることは変わらないわ。でもそろそろロボの足がつりそうだから、腕を前から上にあげて大きく背伸びの運動をしましょう」


「せめて足を伸ばすような運動をしろ!」


「いくぜー! 深呼吸だー!」


「話聞いてたかお前!?」


 呑気にラジオ体操をしていると、敵ロボに殴られて大きく仰け反ってしまう。体操などしている場合じゃないだろうに……。


「このままじゃやべーぞおめーら! ラジオ体操以外に手はねーのか!」


「むしろラジオ体操を一手としていることにびっくりだぞ俺は!」


「任せなさい。私がテレパシーで合図を送るから、それに合わせて動くのよ」


 なるほど、確かにレッドがいちいち声で合図を出すよりは、イエローのテレパシーで動いた方が合理的だ。こいつはたまに冴えているから不思議だな。


(まず右手を上げて、左手を上げて、左手下げないで右手を下げて)


「旗揚げゲームをしてどうする! 真面目にやれ真面目に!」


(うるさいにもほどがあるわね。今のはテストテレパシーよ)


「なんだテストテレパシーとは!? そんなマイクみたいな感じなのか!?」


 とにかく俺たちはイエローの指示に従い、ハシレンジャーロボを動かしていく。


(まずは敵ロボの足元にスライディング。足の間を潜り抜けたら、右足を振り上げて攻撃よ)


 敵ロボの腰にハシレンジャーロボの右足が突き刺さる。そのまま起き上がると、同じく腰に左の拳で攻撃だ。


(左足を大きく出して回転よ。やつの足元を崩すの)


 言われた通りに左足を出して深く伸脚の姿勢を取り、大きく1回転。すると敵ロボは足元をすくわれ、体勢を崩して倒れて行く。


(後は馬乗りになってタコ殴りよ)


「なんでずっとタコ殴りなんだ!? いじめっ子みたいになってるじゃないか!」


 そう言いながらも他に有効な攻撃手段が無いので、イエローの指示通りに敵ロボに馬乗りになり、両の拳を交互に振り下ろす。


 敵ロボが動かなくなったところで後ろに宙返りをして立ち、右足を振り上げた。


(そのまま天に向かってシュートよ。ファイアト〇ネードって叫ぶのも忘れないこと)


「叫ぶな! めちゃくちゃ怒られるぞ!?」


「しゃー! ファイ〇トルネード!」


「叫ぶな!」


 右足を振り抜くと、敵ロボは勢い良く吹っ飛んで行く。そのまま空の彼方へ飛んでいき、キラッと光って消えてしまった。


「よっしゃー! 勝ったぜー!」


「あっけないにもほどがあるわね。このハシレンジャーロボがあれば、巨大な敵にも負けないわ。まさに鼓笛ね」


「言うなら無敵だろう! なんで太鼓と笛を取り出した!?」


 俺たちがハシレンジャーロボから降りると、ロボはまたゴゴゴゴと地鳴りを響かせながら地下へ戻って行った。ケイシカンマン、敵のロボに改造されるとは哀れな男だ。


「おうおうお疲れさん! ええ戦いやったで! どや! ハシレンジャーロボの性能は!」


「すげーぜ司令ー! そーいやちゃんとコロッケ買っといてくれたかー?」


「もちろんや! ほれ、間違えてタワシも買ってもうたけど存分に食ってくれや」


「どう間違えてタワシを買った!? パッと見似てなくもない気もするが……。それよりハシレイ、部長はどうしたんだ?」


 そう、鳥羽部長の姿が見当たらないのだ。敵が現れたのなら鳥羽部長も呼んでいないと不自然なはずだが……。


「桃子ちゃんな、なんかちょっと忙しそうやったから今日はお休みや」


「忙しい……? そんなに急いで片付けなければいけない仕事は無かったと思うが……」


 そんな時、鳥羽部長の大きな声が聞こえてきた。


「おーいみんなー! 見てくれ! 遂に逆立ちで滋賀県まで行けたぞ!」


「何してるんですか! まだ行こうとしてたんですか!?」


「当たり前だ! 男たるもの、1度立てた目標は達成しないとな!」


「部長女ですよね!?」


 逆立ちで歩いて来た部長の足を掴んでひっくり返し、俺たちは普通に歩いて基地へと向かった。決して逆立ちではない。


 しかし今日の敵ロボは一体なんだったのだろうか……。

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