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【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
幹部襲来!

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第78話 ケイシカンマンの処遇

 ケイシソウカンマン……。そいつがホーテーソク団のボスか。

 ホーテーソク団には今までは気の抜けた敵しかいなかったが、それでも地球を征服しに来た悪の組織。そのトップともなれば、流石にまともな怪人なのだろう。


「ま、ケイシソウカンマン様の前に俺を倒せないと意味が無いがな。お前たちにそれができるのか?」


「できるに決まってんだろー! だっておめー、バカじゃねーか!」


「バカではない。お前にだけは言われたくないぞ」


「ならこれ解いてみろよー! 4×5は?」


「2だ」


「お前の掛け算の答えは全部2なのか!?」


「やっぱバカじゃん! 正解はフライパンだー!」


「それは『パンはパンでも食べられないパンは?』の答えだろう!? お前の方がバカじゃないか!」


「何言ってんだよ! フライパンは食えるだろー?」


「食えない! どうやって食べるんだそんなもの!」


「そりゃー中華鍋でパラパラっと炒めて……」


「中華鍋でフライパンを調理するな! ガッチャガッチャうるさいだろう!」


 バカ2人の会話は置いておいて、確かにケイシカンマンを倒せるかは問題だ。今は大人しく捕まっているが、いつかこいつとも戦わなければならない。

 いっそ部長に頼んで拘束したまま爆弾で吹き飛ばすか? ……いや、名乗り爆破でも吹っ飛んで行かなかったやつだ。そう簡単に爆弾で倒せはしないだろう。


「司令、ケイシカンマンをどうしたらいいかしら。このまま捕まえておく方が平和だけれど、倒した方がいいわよね?」


「そうやなあ。とりあえず鼻にミラーボールでも入れてみるか?」


「入れてどうする! 鼻がやかましく光るだけじゃないか!」


「私は鼻に静岡県を入れたことがあるぞ!」


「部長は黙っててください! どうやって入れたんですか静岡県!」


「頑張って鼻を膨らまして少しずつ入れたんだ! 呼吸ができなくなるから伊豆の辺りは出しておいたぞ!」


「人間風船みたいなことですか!? 伊豆は別に頭じゃないですよ!?」


「え? 静岡って伊豆呼吸じゃないのか?」


「なんですか伊豆呼吸とは!? 他にどの生きものがするんですか!」


「それはあれだ、イリオモテヤマネコとか」


「イリオモテヤマネコは那覇呼吸でしょう!? ……違いますよ!」


 何を言ってるんだ俺は……。鳥羽部長のペースに飲まれてしまった。相変わらずめちゃくちゃな会話だな。


「で? 結局俺をどうするつもりなんだ? このまま拘束しておくつもりか?」


「拘束しておいてもいいけれど、あなたはいずれ私たちが倒すわ。でも拘束は解かないわよ。ホーテーソク団の幹部の最高位なんて、真っ向勝負で戦う方がバカよ。覚悟しておきなさい。ところで紅茶は飲む?」


「勧めるなそんなもの! 今しがた倒すと言っていたのは何だったんだ!?」


「もらおう。アイスレモンティーで頼む」


「もらうなお前も! なんで仲良くする!?」


「固いにもほどがあるわね。客人はもてなさないといけないでしょう?」


「客じゃない敵だ! お前さっき自分が言ったことを忘れたのか?」


「忘れてないわよ。明日は雨だから洗濯ものを部屋干ししないといけないって話よね」


「一言も言ってなかっただろう!? なんだその日常的な話は!」


 俺と黄花が言い合っている間に、ハシレイがケイシカンマンに近づき、その顔をまじまじと見つめる。


「こいつなんとかできひんかなあ。単に倒すんやなくて、もっとこう、利用したいやんな」


「利用だと? 何をするつもりだ?」


「そら自分、簡単や。自分らホーテーソク団はみーんなロボットみたいな見た目しとるやろ? せやから改造してほんまにロボットにできひんかなと思っとるんや」


「ロボットってなんだー? 『素晴らしいゴール』って意味のスペイン語かー?」


「それはゴラッソだ! 突然サッカーをするな!」


「よっしゃ、黄花。自分のテレパシーでケイシカンマンの頭をおかしくしたれ! ほんでワシらに従わせるんや!」


「了解よ」


「おい待て、俺に何をするつもりだ?」


「まあ見てなさいよ。今からあなたの頭に何かが浮かんでくるわ」


 そう言うと黄花は口を閉じ、じっとケイシカンマンを見つめる。

 するとケイシカンマンは目を細め、何かを見ようとするような顔になった。

 

「黄花、ケイシカンマンの頭に何を送ってるんだ?」


「草原の真ん中にある一本道の先に浮かぶ気球のイメージよ」


「……視力検査のやつ! だからあいつはずっと目を凝らしてるのか!?」


「わざとボヤけさせてるのよ。絶対にはっきり見えることは無いわ。これでやつの頭はおかしくなるはず」


「そんなことでおかしくなるか!? 従わせるのに使う方法とは思えないが……」


 そんなことを言っていると、ケイシカンマンの目から光が消え始めた。

 本当に成功しているのか!? こんなことで敵の意識を奪えるとは……。黄花のテレパシーも捨てたものじゃないな。


「よーし! これでケイシカンマンはワシらのもんや! さあどんな風に改造したろかなあ! 腕が鳴るでえ!」


「腕が鳴るって言うけどよー、実際どんな音が鳴るんだろーな?」


「それは決まっているだろ! どんぶらこどんぶらこだ!」


「なんで腕から桃が流れて来るんですか! 気持ち悪い発想ですね!?」


「ほなこいつ実験室に連れて行くわ! 実験器具は無事やとええなあ……」


 ハシレイはケイシカンマンをイスごと抱え上げ、部屋を出て行った。

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