表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
幹部襲来!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

72/101

第72話 ハシレイ捜索隊

「司令ー! どこだー! 聞こえてたらブレイクダンスを踊って目立ってくれー!」


「そんなティッ〇トックみたいな見つけ方やめてもらえます!?」


 俺と部長はハシレチェンジャーの反応を頼りにハシレイを探していた。反応によるとこの辺りにいると思うのだが……。

 場所はゴミ山。もし埋まってしまっていたら、ハシレイを探すのは困難を極めるだろう。


「橋田、一旦休憩しないか? もう3時間もぶっ続けで探し続けてるから、そろそろしゃぶしゃぶが食べたい」


「唐突に贅沢言わないでください! ……でもそうですね、幹部と出会うかもしれないことを考えたら、そろそろ休憩を挟むのが良さそうです」


 その辺にあった壊れかけの椅子を引っ張り出して腰掛ける。ゴミだから当たり前だが、ガタガタで座り心地は最悪だ。


「司令、見つからないな。このままじゃお母さんに連れて帰られてしまう」


「かくれんぼしてるわけじゃないですよ!? しかし見つからないのは困りますが……。誰かがいる気配がしないですね。埋まってしまっているのかもしれません」


「なら私はそれを掘り起こし、見事なトップスターに育てあげてみせよう!」


「才能を発掘するのは後にしてください! ハシレイを何にするつもりなんですか!」


「空き巣専門のコメンテーターだ」


「ニッチすぎる需要! それでトップスターになれます!?」


 そんなことを言っていると、俺の背後でガサガサと音がした。部長に目配せしてゆっくりと椅子から立ち上がり、チェンジャーに手をかけていつでもチェンジできる姿勢を取る。


「げえーっぷ! げえっぷ! げえっぷ!」


「なんでゲップなんだ! そこは普通咳き込んだりするところだろう! ……だが無事で良かったぞ、ハシレイ」


 俺たちの前にゲップをしながら現れたのは、ハシレンジャーの司令官、ハシレオ・ハシレイだった。


「なんや自分らこんなとこで! どないしたんや! スパーキングか?」


「そんなわけあるか! お前を探しに来たんだ!」


「おおそうなんか! ワシはこの通り無事やで! キンキンしとる!」


「ピンピンだろう! なんで今かき氷を食べた!?」


 相変わらずマイペースなやつだ。だがとりあえず無事で良かった。問題は残りの幹部だ。


「ハシレイ、お前と一緒に飛んで行った幹部2人を知らないか? 実は基地に残っていたケイシカンマンはまだ生きている。他の2人はどうか知りたいんだ」


「うーん、ワシもスカイダイビングを楽しんでたから、それを気にする余裕は無かったなあ」


「なんで余裕なんだお前は! むしろそれなら気にする余裕があったんじゃないのか!?」


「まあまあ橋田、今はとりあえず再会を喜ぼうじゃないか。えんだあああああああああああいやああああああああああ!」


「そこまで感動的じゃないです! ああもう叫ばないでください! ゴミが崩れてくるでしょう!」


 一旦ハシレイを座らせ、俺と部長も向かいに座る。ハシレイは特に疲弊していないようだし、いいタイミングだ。この際だから、正面から疑問をぶつけてしまおう。


「まずは無事で良かった。だがもう正直に言おう。俺はお前を疑っている」


「ブタ飼う……? それは好きにしたらええんちゃうか?」


「『疑う』だ! なんでこのタイミングでブタを飼うかお前に相談するんだ!」


「……まあこっちも正直言わしてもらうと、碧がワシを疑っとるんは分かっとった。あまりにも動きが不自然やったからな」


 やはりバレていたか。だが俺も疑っているのがバレないように動いていたわけではない。分かって当然だろう。


「なら話が早い。さっさと白状してもらおうか」


「分かった。ワシは実は耳フェチなんや。耳の形を観察するのがこの上なく好きでなあ」


「めちゃくちゃどうでもいい! なんで今それを告白した!?」


「え、その話ちゃうかったんか? 他になんかあったか?」


「お前がホーテーソク団側の人間なんじゃないかという話だ!」


 俺がそう言うと、ハシレイはキョトンとした目でこちらを見た。


「ワシが……ホーテーソク団側? ヌルナビャビャビャビャビャビャ! そんなわけ無いやろ!」


「笑い方が気持ち悪すぎるが!? ……お前はホーテーソク団側じゃないのか……? なら何故……」


「ワシがホーテーソク団に詳しいからそんなこと思ったんか? それならまあ納得や。ワシがホーテーソク団に詳しいのには理由があってやな……」


 ハシレイはホーテーソク団側の人間じゃないのか……。ここまで笑い飛ばすのだから本当にそうなのだろう。これで嘘をついていたらとんでもない演技力だ。


「前にワシの故郷、ボーソー星がホーテーソク団に滅ぼされたっちゅう話はしたやろ? そん時にワシはトイレ掃除のバイトでホーテーソク団の宇宙船に忍び込んだんや。ほんで小便器を掃除しとる時に、ケイブマンとちょっと仲良くなってな。やからワシが知っとるホーテーソク団の情報はケイブマンから聞いたもんや」


「なんだそのアホみたいな経緯は……」


 それが本当なら、今まで何故言わなかったのだろうか。いや、ハシレイの立場に立って考えると、こんなしょうもない理由を敢えて言う必要が見当たらない。ハシレイにとってはどうでもいいことだっただけで、別に俺たちに隠していたわけではないんだな……。


「そんなこと疑っとったんか碧は! アホやなあ。ワシがホーテーソク団側やったら、自分らに怪人をあんな倒させるわけないやんか!」


「いや、ハシレンジャーのスーツを実験として使い、怪人を強化しようとしているのかと……」


「そら自分疑いすぎやで! ワシは単にホーテーソク団を倒したいだけ。そのためにハシレンジャーを組織したんや。あと地球のトイレットペーパーの使い心地が良くて地球に居座っとるのもある。別にワシは宇宙船におってもいいわけやからな」


「なんだそのくだらない理由は! トイレットペーパーとハシレンジャーを同等に語るな!」


 めちゃくちゃしょうもない理由を聞かされたが、ハシレイはホーテーソク団側でないと分かったからそれで良しとしよう。


 ホッとして俺が座り込むと、またしても背後でガサガサと音がした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ