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【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
幹部襲来!

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第71話 作戦決行

「よし、じゃーおめーら行くぜ!」


「ハシレチェンジ!」


 俺たちは基地の前でハシレンジャーにチェンジする。

 だがホーテーソク団の幹部3人は出て来ていない。何故かと言うと、今の時刻は午前3時だからだ。


「赤い暴走! ハシレッド!」


「青い突風! ハシレブルー!」


「黄色い光! ハシレイエロー!」


「ピンクに突撃! ハシレピンク!」


「エンジン全開、突っ走れ! 暴走戦隊!」


「ハシレンジャー!」


 真っ暗な中で俺たちの名乗りが響き、背後で大爆発が起こる。ただし、俺たちは基地に背を向けた状態で名乗っていた。

 つまり、爆破されたのは……。


「ぎゃあああああああ!」


「ええええ!? 論破する間も無く吹っ飛ばされたんだけどおおお!?」


「あたしこんなの聞いてないいいいい!!」


 基地の上空に、3つの影が飛んで行く。結局あいつら3人の姿をちゃんと見ることは無かったな。まあそれでいいんだ。無闇に戦う必要は無い。


「よっしゃー! 司令を助けに行くぜー!」


「全くお前は……。これしか作戦を思いつかないのか? 上手く行っているからいいが……」


「単純にもほどがあるわね。でもいい作戦だったわ。早く司令と私の紅茶を救出しに行きましょう。特に紅茶」


「もうちょっとハシレイの心配をしてやれ!」


「司令は大丈夫だろうか……。吹っ飛んで行く影は確かに3つだったな? VARで確認しよう」


「サッカーじゃないんですから! とりあえず基地に入りますよ!」


 俺たちはチェンジを解除し、基地の中に入った。基地はまだ煙が燻っていて、明かりも無いからよく見えない状況だ。


「司令ー! だいじょーぶかー? 目にゴミとか入ってねーかー?」


「地味すぎる心配! もっと火傷とか怪我とかあるだろう!」


「司令なら大丈夫よ。フルフェイスのヘルメットをずっと被っているんだもの。よっぽどのことが無い限り富士だわ」


「無事だろう! なんで急に山になる!?」


「私は司令のフットネイルが心配だな。私が教えた責任もあるし」


「1番どうでもいいです! よく今美容の心配できますね!?」


 服やハンカチで煙をパタパタと追いやっていると、ようやく奥にいる人影が見えてきた。


「おいハシレイ、無事か?」


「司令ー! 見てくれよこのフーセンガム! めっちゃ膨らんでるぜ!」


「なんで今それができる!?」


 アホな紅希にツッコミながら人影に近寄る。

 ……待て、何か違和感があるぞ。さっきも黄花が言っていたが、ハシレイはいつもフルフェイスのヘルメットを被っている。こんなに頭が小さいはずはないが……。


「司令、今助けるわよ」


「待て黄花。そいつは本当にハシレイか?」


「何を言ってるのかしら。司令じゃなかったら誰……あら、酒田さんかしら?」


「なんで今酒田さんがいるんだ! よく見ろ!」


 煙が少しずつ晴れ、人影の全貌が現れる。そこにいたのは大柄なロボットのような人物。横長の長方形の目は光を失っており、口から煙を吐いていた。


「これは……私の父じゃないか!」


「そんなわけないでしょう! こんなロボットみたいな父親なんですか!?」


「おいダディ、起きろ! 私だ!」


「呼び方ダディなんですか!? アメリカ人か!」


 とんでもない勘違いをしている部長は置いておいて、状況を分析する。これは3人の幹部のうちの誰かだ。飛んで行った影が発した声を考えると、恐らくこれはケイシカンマンだろう。

 ということは、最初の「ぎゃあああああああ!」がハシレイか!? だとしたらすぐに探しに行かないと……。


「ダディ〜起きて〜♪ 朝の光が差し込んで来るわ〜♪ 今日はダディの誕生日〜♪ 真っ赤なケーキを用意したのよ〜♪」


「歌うのやめてもらえますか!? なんですか真っ赤なケーキって気持ち悪い!」


「おい碧ー、こいつ誰だー?」


「状況から察するに恐らくケイシカンマンだ。今回の3人の中では1番立場が上だと思われる。今は気を失っているようだから、とりあえず拘束しておこう」


「拘束? 倒しておかなくていいのかしら?」


「ああ。ハシレイが吹っ飛んで行ったのは気の毒だが、こいつにはホーテーソク団について色々話してもらいたいんでな。ある意味好都合だ」


 話しながらロープを取ってきて、ケイシカンマンを拘束する。しかしロープぐらいじゃすぐに引きちぎられてしまうかもしれないな。ワイヤーでも持って来るか。


 ケイシカンマンを拘束し終えると、俺はパンパンと両手を叩き、仲間たちの方を振り返った。


「今からハシレイを探すペアとこいつを見張るペアに分かれるのが得策だと思うんだが、どうだ?」


「反対よ。私はタロット占いをするペアに入りたいもの」


「今占ってどうするんだ! とりあえず分かれるぞ」


「おっしゃー! 将棋で決めるかー?」


「なんでそんな時間がかかるもので決めるんだ! 俺が割り振るからちょっと待ってろ」


 万が一ケイシカンマンが拘束を脱した場合、2人で対抗しなければならない。それを考えた時にまず紅希は見張りだ。紅希はリーゼントもあるし、戦力としては1番期待できる。

 そして紅希のサポートを付けるとしたら、やはり黄花だろう。部長に爆弾で後方支援してもらってもいいが、部長はまだ身体暴走を使えない。となると黄花がサポートに付いていた方がいいだろう。

 消去法で俺と部長はハシレイを探す組だ。


「了解よ。何かあればこの怪人も倒しちゃっていいのね?」


「ああ、暴れるようなら倒してもらえるとありがたい。倒せるかどうかは別だが……」


「任しとけよー! 碧、桃子、司令を頼んだぜー!」


 俺は部長と共に基地を出て、ハシレチェンジャーの反応を頼りにハシレイを探しに向かった。


 だがケイシカンマンはまだ死んでいないようだった。つまり他の幹部2人もまだ倒しきれていない可能性があるな……。

 ハシレイと一緒に飛んで行ったから、近くにいる可能性もある。気をつけないとな……。

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