表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】戦隊ブルーはクールでいたい〜頼むから俺を振り回すな〜  作者: 仮面大将G
幹部襲来!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/101

第61話 ハシレンジャーの今後

 ボディビルマンとの戦いから数日——。

 俺は基地で頬杖をつき、考えごとをしていた。爆弾でボロボロにされたにも拘わらず、鳥羽部長の言動が妙に気になってしまう。栞の言葉も相まって、部長を意識してしまっているのだろうか……。

 いや、それは無い。というか嫌だ。あんなにボケ倒す鳥羽部長のことを女性として意識するなんて、全くクールじゃないからな。


 だが部長は見た目は美人で、言動もめちゃくちゃながら可愛らしいと言えなくもない。もしかして部長と交際に発展したりなんか……。


「なあ碧! 碧って!」


「ん? あ、ああすまない。何か話しかけていたか?」


「ったくよー、大事な話をしてんだからよ、ちゃんと聞いとけっつーの!」


「ぼーっとしすぎにもほどがあるわね。紅希、碧にもう一度説明してあげなさいよ」


「おー! 俺たちが碧に聞きてーのは、ハシレンジャーの今後についてだ!」


 ハシレンジャーの今後? 特に解散などするわけでもなかろうに、何を言い出したんだこいつは。


「それじゃ伝わらないわよ紅希。私たちが聞きたいのは、目指す場所をどこにするかよ。私的には天竺とかかと思っているわ」


「最遊記か! その場合誰が孫悟空なんだ!」


「碧が金角大王なのは決定ね」


「なんで敵側なんだ! せめて沙悟浄とかにしてくれ!」


「何言ってんだよー! 沙悟浄は俺だぜ!」


「あら、それは聞き捨てならないわ。沙悟浄は私よ」


「何故沙悟浄の奪い合いになる!? 普通は孫悟空とかだろう!?」


「いーぜ! なら俺は沙悟浄を譲ってサ・ゴジョーになるからよ!」


「とりあえず沙悟浄から離れろお前らは!」


 全く、なんでこいつらはここまで話を脱線させられるんだ。逆に尊敬の意を抱いてしまうほどの脱線事故だぞ。


「それで、俺たちの目指す場所だったか? どういう意味でそう言ってるんだ?」


「おー! そーだったな! 俺たちはホーテーソク団を倒して夜会聖歌を目指してんだろ?」


「世界平和だ! なんだその怪しすぎる匂いがする集まりは!?」


「でも世界平和を成し遂げたその先の話がしてーんだよ! 俺たちはヒーローとして戦ってきてるわけじゃん? ホーテーソク団を倒したら、その後の活動はどーすんのかなーって!」


 ホーテーソク団を倒した後? そんな先の話を考えても仕方がないと思うが……。俺たちはまだ幹部を1人倒しただけ。ホーテーソク団を倒すなんて、まだまだ考えるような段階では無いはずだ。


「『ホーテーソク団を倒した後? そんな先の話を考えても仕方がないと思うが……。俺たちはまだ幹部を1人倒しただけ。ホーテーソク団を倒すなんて、まだまだ考えるような段階では無いはずだ』とか思ってるんでしょう? 甘いにもほどがあるわね」


「一言一句俺の心の声を読み取るな! テレパシーをそんなことに使うんじゃない!」


「私たちはもうハシレンジャーというブランドの下で成り立っているのよ。ホーテーソク団を倒した先、どうやって活動の幅を広げていくかは考えておくべきだわ。そうでないと私たち、スピノサウルスに逆戻りよ」


「俺にスピノサウルスだった時期は無い! むしろお前たちはあるのか!?」


「パキケファロサウルスならあるぜ!」


「あるな! どんな進化で人間になったんだお前は!」


 相変わらずめちゃくちゃを言うなこいつらは……。だが確かに黄花が言うように、俺たちは戦いを終えた後もハシレンジャーとして見られる。その場合にどうやって戦隊として活動していくのかというのは疑問ではあるな。俺としては怪人がいなくなったら解散だと思っていたが……。


「『夏祭りで食べるチョコレートケーキは格別だ。チョコとりんご飴が絡み合って甘みのハーモニーを奏でている。そこに綿あめを足した時の贅沢さと言ったら、形容し難いものがあるな』と思ってるんでしょう? 甘いにもほどがあるわね」


「全部違うぞ!? いや確かにそう考えているなら甘いにもほどがあるが! 糖尿にさせる気か!」


「私たちは戦隊として、子どもたちの夢であり続ける必要があるわ。高いところからずっと落ち続けるとか」


「なんで悪夢の方なんだ! 憧れの方にしておけ!」


「だからこそ、私たちは怪人がいない世界でどう活動するか考える義務があるのよ。子どもたちの夢を壊さないためにもね。ところで明日釣り堀に行くのだけれど、狙い目の魚を知らないかしら?」


「知るか! いい話を台無しにするな!」


 子どもたちの夢を壊さないために、か……。

 俺たちはもうそういう存在になっているんだな。名乗り爆発戦法を始めとしてふざけた戦い方しかしていない気もするが、子どもたちにとってはヒーローなのだろう。


「さしあたって、まずは私たちのリーダーを決めようと思うのだけれど、どうかしら?」


「リーダーってなんだー? 縦笛かー?」


「それはリコーダーだ! しかしリーダーか……。考えたことも無かったな」


「でも戦隊として活動するのに、リーダーの存在は必要だと思うわ。これから幹部と戦う時にも、結束力を高める目的でリーダーがいた方がいいと思っているのよ。ところで沙悟浄は私でいいかしら?」


「勝手にしろ! もう忘れてたぞそんな話題!」


 ハシレンジャーのリーダーか……。誰を選べばいいのだろうか……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ