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あらゆるもの(3)
空の中にあるつぶて。柔らかくしなる星々。どこまでいっても赤い夏がやってくる。私は白銀の世界をまだ見ようとしているのか?それとも、生きようとしているのか?何もかもが崩れていく。何もかもが許されていく。うるわしい風に大地がきらめくのだろう。素晴らしい道が素晴らしい夜へと帰っていく。新しい影はまだ私にほほえみかけている。うれしいんだね。喜びの世界を知ってるんだね。私は喜び、君の前に手をあげる。手にひらからは優しい空気が漂っている。陰日向の先にあるゆるやかな青い空。誰も知らない世界の中で、誰も消えない可能性の中で、私たちは悲しみの中にひたっている。私は空をぼんやりと見上げている。そこに、何があるのか?そこに人はいるのか?1人の夜が1人の始まりを告げる。
「うれしいんだ。とても、喜んでいる。私は世界を整えている。私は世界を導いているかのようなおどろき」
方向性のない虚しい言葉に、私はまたため息をつく。どこまでいっても、空は青く澄んでいる。ありがとう。この大地に感謝をする。ありがとう。この自然に感謝する。