07.来訪者の再来(6)
母船で二日ほどで難民船団に遭遇した。
途中で使節の巡洋艦を追い越した。
そのうち追いつくだろう。
連絡方法は帰化組が準備してくれた。
さて
「難民船団に告ぐ、止まれ。こちらは第3惑星の代表だ」
代表でいいよね。
「こちら、第4惑星、難民船の代表だ。故郷に向かっている止まることは出来ない。」
「第3惑星に受け入れる準備はない」
「それでも向かう、我々の先遣隊が向かったはずだ」
「宣戦布告して来たので撃退した、もう少しで追いつくはずだ」
「難民受け入れを懇願に行ったはずだ、宣戦布告などして無いはずだ」
「会合の席でいきなり発砲して、艦砲射撃もして来た。
止まらなければ、撃退する」
俺が挑発したんだけどね。事の真実を語ってね、
「分かった、一旦停止する、全艦停止!」
といっても慣性で動いているからすぐには止まらないんだけどね。
停止するのにも燃料が必要だし、一度止まると再度加速するのにかなりの燃料が必要、更に進路計算もやり直しだ。たどり着けなくなるかもしれない。
苦渋の決断だろう。
だが、安全を優先するのはまだ話ができる人物らしい。
「会談を求む、こちらに小型艇で来て欲しい」
「安全は確保できるか」
「もちろん大丈夫だ、お前たちを人質に取る価値は無い。
宣戦布告された以上、会談も無しで直ぐに殲滅しても構わない」
「こちらは民間船だ攻撃の意思は無い」
「では武装解除しろ、攻撃した場合はこちらもそれなりの対応をするからそのつもりで」
ーーーーー
小型艇で使者5人でやってきた。
エアロック格納庫があるのでそのまま着陸してもらった。
代表者と書記官と護衛らしい。
「第3惑星代表のロイだ、よろしく」
「儂は、難民船団代表のガロイだ」
名前に親近感があるな
「停船感謝する、無駄な戦闘は望まない」
「こちらとしては、停船は死活問題だが、同じく戦闘は好まん」
「お互いの状況把握から始めたい
まず、5000年前だが...」
「えっ?そこからか」
俺が把握している範囲で歴史を語った。
そして10年前の侵略行為、今回の宣戦布告と。
更に受け入れるキャパもない事を告げた。
こちらが受け入れられない理由満載だ。
「残念だが難民受け入れは無理だ、強行すれば阻止する」
「そうか、我々はどうしたら...」
「そこで、提案がある。受け入れられるかはわからないが」
「聞こう、我々の選択肢は狭い、少しでも希望があればすがりたい」
「まず、全員の受け入れは無理だが、一部は可能だろう、今考えたので具体的な数字は示せない。
また、こちらでは軍部は受け入れない。これは、これまでの経緯からこの条件は変えられない
不安かもしれないが、軍部が居るよりも確実に安全だ。身柄は俺が保証する」
「前回の侵攻の後始末で、国王とそれに組みした軍部は大幅に粛清された。こちらはほとんどが民間人だ」
「もちろんそれには人数以外にも条件がある。
我々は、自然・精霊と共生し、自然を守りながら科学技術を発展させようとしている、科学は星を破壊するためのものでは無いと思っている、お前たちのようにな。その考えに従えない者は受け入れることは出来ない」
「科学者の殆どが落第じゃな」
「残念だ、此方としてはお前たちの科学技術は欲しいが、根本的な考え方の異なるものは受け入れられない、彼らには新天地で頑張ってもらおう」
「内容は理解した。その条件から外れた者は?」
「この星系以外で新天地を探そうと思う。
ただいくつか当たってみたが、今のところ適した星は見つかっていない。」
「そうか」
「自然を破壊しても構わない星など無いかもしれないな」
最悪修行時代にマイワールドで作った俺の世界はと、考えたが愛着があって手放せない。
新たにマイワールドで作るか、『破滅の新天地』ここでは自由に生きていける世界、その代わり自由の代償は自ら払ってもらう、そういう世界だ。
適合した環境がないので作った。
マイワールドって一言で言っているけど、これ実は、ビックバンを亜空間で発生させているのと同じなんだよね。すごいね。なんたって世界の創造だよ。
「一つだけ問題のない星がある、今は自然豊かな星だ。
ただし、そこには一切干渉しない、救いもしないという意味だが」
今作ったところだけどね。
「理解した」
「三択だ
1.こちらの条件に合い、希望するものは第3惑星に受け入れる
2.自由な発展を望む者とこちらの条件に合わない者は、新天地に向かう
3.戦って負けて死ぬか奴隷となる。又は他の惑星を目指す。
何を選ぶかこちらからは強制しない、ただ、誤魔化す者や不正をする者は排除する。
」
3は選ばないだろう、自殺行為だからね。実質2択だがあえて3択にした。だって選択肢は多いほうが良いからね。
「3を選ぶものは、即刻ここから離脱しろ」
撃ち落とすからね。あっ、撃ち落とすっていうのは地上での話か、ここでは落ちないもんね。