06.来訪者の再来(5)
彼らは戻ったと同時に艦砲射撃を開始した。
愚かな。
街道に多少被害が出たものの都市には被害は殆どなかった。
とりあえず、追い返そうか。
母艦で応戦しよう。
こういうのはやはりアイスに任せよう
「アイス、戦艦と巡洋艦一隻に一発づつ、殺さずに航行不能にして、残りの巡洋艦はそのまま」
人は殺してはいけない、彼らの足かせになってもらわないと役に立たない。殺したら置いていかれて此方が迷惑なだけだ。
「ラジャー」
ぱぅん! ぱぅん!
完了だ。
残りの一隻に乗り移り出航したようだ。かなり定員オーバーだろう、弾薬等捨てて行った様だ。
「戦艦と巡洋艦は回収。帰化組に調査を依頼しよう」
自爆装置は起動しようとした様だが、動力系が完全停止して機能しなかった様だ。
神がかりな射撃の腕だな。いや女神だからいいのか。
とりあえず、ドラゴンサットで追えるだけ監視した。
どうやら船団に戻ったようだ。
ーーーーー
「なにこれ、紙装甲じゃない、これでも戦艦?」
押収した戦艦を解析しようとしたのだが、前回と比べて大差がないというか劣化している。
どうやら、かなり地力が損なわれているようだ。彼らも必死なのだろう。
これならもう少し手加減しても良かったかな。
だが、いくら弱体化しようが、情をかける必要は無いだろう。
船団を引き連れてこられてからでは面倒だ。こちらから向かおう。
さてどうしたものか。
難民船の全員が人質のようなものか。もう少し情報がほしいな。
「残りの巡洋艦には探査機を打ち込んでおきましたが、」
「あれぇ? 頼んだっけ」
「言われなくても必要なことはしないと」
なるほど、言われたことだけやっているのは素人。って事か。
持つべきは出来る部下か。
盗聴出来るみたいだ。
ーーーーー
「やばいっすよ。なんでいきなり発砲するんですか?」
「彼奴等のせいでこんな事になっているんだ」
「そうかも知んないけど、元は我々が侵略しようとしたからじゃないですか」
「あの星は我々のものだ、我々の故郷だ」
「でも、彼奴等には勝てませんよ」
「我々には後が無いんだ」
「だったら、もっと我慢しないと。あれじゃあ宣戦布告しに行った様なものじゃないですかぁ」
「本当のことを言われると腹が立つんだ」
「どうするんですかぁ? これからぁ」