05.来訪者の再来(4)
そして来訪者との会合の日が来た。
「はじめまして、辺境伯のロイと言います」
「はじめまして、元この星の住人の子孫の使節団代表のダガードです」
「ある程度の事情は聞いていますが、難民受け入れを希望とか?」
「はい、実はこの星を出て別の惑星に移り住んだのですが、その星が崩壊してしまいまして
元いた星に頼りたいと」
「ほう、あなたは5000年前の出来事を知っていますか?」
「そんなに生きてはいないので、ただ歴史としてはそこから始まったとしか」
「そうですか、その歴史を少し伺ってもよろしいですか?」
「はい、わたしたちの祖先は新天地に降り立った、環境は厳しかったが科学の力を駆使して荒れ地を開拓して生き延びた...」
「そして、枯渇した資源を補うために新たなエネルギー開発に失敗して破滅を招いたと」
「えっ?」
「10年前に侵略に来たことはどう釈明する?」
「そっ、それは前国王がやらかしたことで」
「罪が消えるわけじゃない。国王が変わったら無罪か?」
「実際は何も被害がなかったのでは、むしろ被害はこちらが」
「良かったな、おかげで恨んでいる人は少なくて済んだ、褒めてくれ」
「そうか、ロイ?お前があの置き手紙を置いた」
「そうだ、感謝してくれ」
「感謝などするものか!
あのせいで、人が減らせず資源が枯渇してしまったのだ」
「責任転嫁も甚だしい。5000年前から変わっていないな
邪神からも害虫判定が下された」
「なにぃ」
ぱぅん!
おいおい物騒な、交渉の席に武器持っていたの?
発砲しやがった。
まあ全く無意味だけどね。
奴の周りに反射シールド張っておいたから、跳弾して自分に当たった。
バカだね。
まあ挑発したんだけどね。本性を暴くために。
でも、これで対応がはっきりした。
周りの人は冷や汗をかいていたみたいだけど、最終的には理解してくれた様だ。
彼らは激怒して船に戻った。自業自得だけど。
これからどうするのか知らないけど防御態勢は整えておこう。
帝都とイーストチャイにはシールドを展開した。