49.スペースエンペラードラゴン(1)
今回の探検は、保養地探しになってしまった気がするが、このへんで切り上げてアルファ3に戻ろうと思う。というのもナビくんからお知らせがあったからだ
ーーロイ様、アルファ3にスペースエンペラードラゴンが向かった様です。
大変だ、対抗手段がない。
シタール助けてーーー
『無理です、助けてあげたいが、あいつらに交渉は無意味だし、力の差が大きすぎて我らでは役に立てん』
だめだスペースキングドラゴンも役に立たない。
ーーロイ様、忘れているかもしれませんが、ロイ様が宇宙最強です。
あのサイズを見ると全く自信が持てないんだけど。木星ぐらい?
勝てる気がしない。そもそも盗賊か普通のドラゴンぐらいしか相手にしたこと無い。
お願いだから太陽でじっと龍脈浴びててよ。なんで来るかなもう。
『我はスペースエンペラードラゴンの長だ』
話しかけてきたよ、交渉は出来ないんじゃないの?
『交渉は強者にしかしない』
俺?
まっいいか、交渉できるならそれがいい。下手に戦いになったらとばっちりで惑星破壊されちゃうかもしれないし。
『頼みがある』
俺?
「スペースエンペラードラゴンから頼まれる様な事は無いと思うけど」
『力を借りたい』
「力は、断然そちらが強いでしょうが」
『物理的な力ではない』
「そう、じゃあ話しやすいように人化出来る?」
『問題ない』
宇宙母艦の執務室に、ドラゴンアーマーの最上位版、禍々しいほどの漆黒、いや真黒の、周りのもの全てを飲み込むような黒だ。なんか威厳あるなぁ。
「たすけてよー」
?人化した途端知的レベルが下がった様な
ひょっとして交渉できないというのは知的レベルが低すぎるから?
「長、か?」
「仲間がねー困っているんだぁ」
ひょっとしてサイズを下げるために大事なものを忘れてきた雰囲気だ。容姿とのギャップが酷い。
脳の容量違うしね
「とりあえず状況説明を頼む」
「はぁーい。えっとね、仲間のスペースエンペラードラゴンが、いじめられているらしいんだ」
また虐めか。
「それで」
「そいつ等はなんかちっちゃすぎてわかんないのに攻撃してくるんだぁ」
「そいつ等とは?」
「なんか話を聞いていると、『うちゅうかんたい』?とかって言ってた気がする意味分かんないけど。人族みたい」
「そいつらになんかしたのか?」
「しらなぁーい、でもなんかしてても気づかないかも」
「そうか、小さすぎてわからず意図せずに被害を出してしまったんだろう」
「僕たちなんにも悪い事してないのにーー」
いや、多分しているんだ、気付かないだけで。
「わかった、奴らと交渉したのか?」
「あいつら言葉が通じないし、念話するレベルもないし、なんとかしてぇー」
「どうしよう、助けを請われては仕方がない、力になるか、でも条件がある」
「なにー?」
「我々小さな生き物に危害を加えるな、ティム『オサナ』微細探知の能力を与える」
「あれぇーーティムされちゃったぁーー」
「微細探知能力を付与したから、我々を正しく認識できるだろう」
「ほんとだー、すごい、わかったお願い、条件のむから助けてね」
面倒だが仕方ない、その宇宙艦隊とやらと交渉するか。
「場所は、ティムしたから記憶共有して場所はわかった」
あちらが宇宙艦隊なので交渉で下に見られない様に此方も艦隊で行こう。以前作った艦隊を総出動させるか。宇宙戦艦は今乗っているやつと、あと10隻ほどあるから皆に一人づつ乗ってもらおう、ベータ5のメンバーも経験のため投入する。船の名前イコール搭乗者名としてっと。空母3隻と巡洋艦50隻は遠隔操作でっと。
戦闘する気は全く無いのでこれで良いだろ。防御だけは完璧にしておこう。反射結界とマイワールドシールドで防御っと。これでいいかな。
「皆いくぞ!」
「「「おー」」」
マイワールド経由で我が宇宙艦隊は件の星域に移動した。




