04.来訪者の再来(3)
邪神様はダメか、じゃあバジルは知らないかな
「バジル、害虫が移住できそうな星、知らないかな?」
「害虫って、やつらですかぁ、そうだねぇ、えっとぉー
あまり細かいとこ見てないんだよねー。
でもベータ5に似た星ならいくつか知ってるよぉ」
「そうか、行ってみないとわかんないか、
じゃあ、行ってみよう」
さっそく宇宙戦艦に乗り込んだ
戦艦自体は以前のものだが、ドラゴンサット機能も映像機器により高性能化し、コンピュータによる補助も付いている。
ベータ星系のときと同様にバジルの記憶をたどりマイワールド経由で候補の惑星に移動する。
ここは、ガンマ星系と呼ぶしか無いな、この名前の付け方だと直ぐに行き詰まるのは見えている。
デルタの次は何だったかな? 主に記憶力の面で。
ガンマ5には海と陸地がある様だ。早速ドラゴンサットを配備する。
コンピュータと連動していて自動検索が可能となっている。
人型の生命体が居るようだ、まだ地表には、文明と言える様なものは存在しないようだ。
駄目だな、こんな所に奴らを連れてくる事は出来ない。
次に行ってみよう。
次は、デルタ星系と名付ける。思い出した。
ここはデルタ3が、候補だな。
さっそくドラゴンサットを配備して自動観測を開始する。
かなり高度な文明が発達しているように見える。夜の部分には灯りが点在し都市が広がっている事がわかる。
ここも駄目だな。
イプロン星系、ゼータ星系、イータ星系、シータ星系と候補を見て回るがどこも適さない。そろそろ記憶力の限界だ、次が思い出せない。
いや、どんな所なら良いというのだろうか?
自然あふれるところは駄目、既に生命体が居るところは駄目、人が住めないところは駄目。
ん? あー、そうか存在するはずの無い星を探していたのか。
それは見つからないはずだ。
まあ、色々な場所が見られたのでこれはこれで収穫と言える。
「バジル、ありがとう、どこも駄目だ。
でも良い観光になったよ、ありがとう」
「残念です、でも私も楽しかったです、こんなに細かく観察する事はなかったので」
結局観光ツアーになってしまった。
彼らには現実を突きつけるしか無いだろうな、お前たちの場所は無いと