46.ベータ5経過観察(17) 探検(1)
これでインフラ整備も問題なく進むだろう
彼らに任せよう
やること無くなった。
ということで『新天地ベータ5探検隊』を結成する。
自分で作っておいて何だが、ある程度自動でランダム生成しているので星の詳しいことはわからないのだ。
ナビくんに聞いたら調べてくれるかもしれないが、それではつまらない。
ナビくんは最後の手段だ。
探検隊と言ってもまだ一人だ。今決めたとこだからね。
とりあえず、精霊国リーダー3人組はメンバー決定だな。
あとは護衛としてドラファとライディ
鼻が効きそうなフェンも連れて行くか。
それとレッカさんも連れて行こう、意外と知識人だし。
最後に肩の上にキング乗っけてっと。
空中母艦で出発だ。母艦はアイスが操縦するので探索メンバーでは無いが参加している。というか現在、皆母艦に住んでいるので全員居るんだけどね。上陸班のメンバー選出なのだ。
まずは、この大陸のあちこちを見て回ろう、海に出て海岸線に沿って反時計回りに。
アルファ3に似ているが微妙に違う。この大陸は北極近くから南極近くまで広がっていて、惑星表面積の1/8ぐらいの面積だ。裏側にはドラゴンの住む大陸があり、その間は大きな海が広がっている。そして南極中心と北極中心には大陸がある。そして今回は赤道より北の気候変化豊かな現在の移住拠点を設定した。
大陸の殆どは森と山で、河口近くには平野が広がっている、大きな湖もある様だ。
都市は平野部に作る予定なので、先発隊基地はその平野を望む高台に設営している。インフラ実験の実証実験は高台下の平野部の端で行う事になっている。川を下って河口付近に20kmほど移動していくと。海との間に大きな砂浜が広がる。少し高低差があり平野部は標高200mぐらいだ。少しぐらいの津波があっても大丈夫そうだが交通には不便そうだ、崖からは昇降機が必要だな。または川沿いに街道を作れば緩やかなスロープで海に辿り着けそうだ。
河口は幅500mほど有り、東側に向かった直径10kmほどの大きな半円状の湾に流れ出ている。湾の両側から外は断崖絶壁が続いている。河口から湾の開口部までは水深100m前後の浅瀬が広がる。また、河口の両岸側から砂州が伸びているので砂丘全体を上空から見たらまるでマンタの様だった。マンタ砂丘と名付けよう。うん。湾を弓川を矢と見立ててはボー&アロー湾、いや、アローボー湾。うん。相変わらず壊滅的な名付け能力だ。
沖合でシーサーペントが飛び跳ねた。約束通り海岸近くには近づいていないみたいだ。
更に沖の方を見ると海に穴が空いている?
渦潮?
ひょっとして海底火山から地下世界へ穴が開いて海水が流れ落ちている?
ナビくん、大丈夫?
ーー大丈夫です。海の精霊が修復します。海の精霊の仕事の内の1つです。
しばらく見ていると穴は徐々に小さくなって、そのうちに穴は消えた。
ーーこの様に地表の世界から地下世界へ落ちたり、地下世界から火山などを通じて地表世界へと吹き出したりして対流が起きて地下世界の空洞や地表世界の資源分布が更新されていきます。
プレートテクトニクス?
ーーいいえ、プレートテクトニクスは比較的若い惑星に見られます。年月が経つと大陸は固定されてきて龍脈対流が起こるようになり精霊の活動も活発になります、コアから気が龍脈として惑星を巡るようになり空間に魔素が充満するようになります。こうなると魔法が使える状態となります。ロイ様の住んでいた惑星はまだ若かったのでこの龍脈対流が少なく魔法のない世界でした。ロイ様は魔法のある世界をお望みでしたのでこの状態の惑星まで熟成した状態で準備しました。
なるほど、そうだったのか。ありがとう。
ーー小惑星が衝突したときも穴が空きますが、地下世界があるので地上は衝撃が和らぎ比較的安全になります。地下世界は大変ですけど、コアに対する衝撃も分散して和らぎます。また、精霊が居なくなると惑星自動修復機能が働かなくなり惑星の劣化が促進してしまいます。
なるほど、俺が何も知らないというのがよくわかった。
戦車や宇宙船の二重装甲みたいなものだね。よく知らないけど。




